2018年7月23日 (月)

Lucie,Too、ラッキーオールドサン、The Wisely Brothers @下北沢BasementBar

■本館に追加したライブレポート

7/21 Lucie,Too、ラッキーオールドサン、The Wisely Brothers 下北沢 BasementBar

「Lucie,Too presents "Hi Lucie vol.3"」。直接のお目当てはラッキーオールドサンだったけど、約3年ぶりのThe Wisely Brothersも、この日が初見のLucie,Tooも、ちょうど聴いてみたいと思っていたところだったので、出演者の顔ぶれ的には最高のイベントだったね。実際、内容も期待通りの聴きごたえあるもの。久しぶりにバンドがいくつも出るライブを楽しんだのだった!

○より詳しい感想は「ガールズ・ドット・ミュージック」でご覧いただけます。

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2018年7月19日 (木)

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

■映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」 日比谷 TOHOシネマズ シャンテ

タイトルではまったくピンときていなかったのだが、予告編を見て、「そうか、こういう話なのか」ということで。1970年代前半のアメリカのテニス界に題材をとった実話もの映画。

ストーリーはこんな感じ。
「女子テニスプレーヤーのビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)は、女子選手の優勝賞金が男子の8分の1であるなど男性優位主義に不満を募らせていた。仲間たちとテニス協会を脱退した彼女は、女子選手の地位向上を掲げた女子テニス協会を立ち上げる。そんなビリーに元男子チャンピオンのボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)が男性優位主義代表として対決を申し込んでくる。それには家庭不和に悩む彼にとっての人生逆転の意味合いもあった…。」(シネマトゥデイ)

タイトルの「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」。直接的には、1973年に行われた男性優位主義を掲げるリッグスとウーマンリブの代表としてのビリー・ジーンによるテニスの男女対決試合が、「The Battle Of The Sexes」(性別間の戦い)と銘打たれて世界各国に中継されたことに由来している。

予告編もその試合に至るまでの両者の因縁を軸に対決を大いに煽る内容となっており、実際に本作はその勝敗のゆくえも含めてじっくり描き出している。しかし、映画を見終わると、このタイトルが実はダブル・ミーニングであることにも気づかされる。

主人公のビリー・ジーンは既婚者であったが、ある時ひょんなことから同性愛にめざめるのである。厳しいテニスツアーを戦いながら、その一方では自分の中に芽生えた新しい愛にとまどうビリー・ジーン。これも実話であり、映画はその様子も並行して描いていく。その後、彼女は離婚して同性愛者であることを公表、LGBTが社会に認められるための運動にも積極的にかかわっていくことになる。つまり、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は男女同権を求める戦いであると同時に、「多様な性のありかたをめぐる戦い」とも読めるのである。

いずれもうっすらとは知っていたが、詳しい知識はほとんど持たない出来事だった。それを映画を通して知ることができ、とても興味深く見ることができたと思う。1970年代前半のアメリカの雰囲気を再現した映像やファッション、音楽などもとてもよい。キャストもいずれも実在の人物にきっちり寄せたビジュアルに仕上げているが、その中では主人公ビリー・ジーンを演じたエマ・ストーンだけが「かわいさ2倍増し」くらいのバランスになっていて、視覚的にもおいしい部分である。

そんなわけで全体的には好印象の作品ではあったが、やや消化不良かなと感じるところもあった。もともと「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」というタイトルに二つの意味を持たせるような内容であるのに加え、さらに男性優位主義の代表リッグスの背景にもかなりの目配りをしている。本作を見る限りでは、彼は信念からの男性優位主義者だったわけではなく、すっかり「過去の人」扱いされている境遇への反発から、男性優位主義に乗っかる形でもう一花咲かせたいと思っただけのようにも見える。リッグスを単純な悪役にしなかったところは好感が持てるが、約2時間の映画に収めるには若干手を広げすぎた印象も受けてしまった。惜しい感じである。

それにしても1970年代といえば、今からわずかに40数年前にすぎない。それなのにアメリカでさえ、「女の居場所は台所と寝室で十分」みたいなことを社会的に地位のある人までが堂々と発言する時代だったのだ。それに比べれば現代はずいぶん改善されていると言わざるをえない。性差別も人種差別も障がい者差別も、今は「とりあえず」いけないことになった。もちろん、それをポリコレ棒などと揶揄したりする声もあるにはあるが、野放しになっていた時代に比べればずいぶんましというものだろう。

こういう映画を見ることで、「昔は良かった」ではなく「昔はひどかった」ということを確認することは重要だと思う。そのひどさがやわらいできた背景には多くの人たちのバトルがあった。作中でおそらくLGBTであろうスタイリストが言う、「時代は変わる。今、君が変えたようにね」という言葉をかみしめたいものである。

(1970年代のテニスルックは今よりもずっとカラフル)
Battle

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2018年7月12日 (木)

本館にCDレビュー追加(7/11)

■追加したCDレビュー

「MY LOVE, WITH MY SHORT HAIR」 市川愛
「ENDLESS PARTY」 野佐怜奈
「Tinker Bell」 APRIL
「きみが散る」 寺嶋由芙
「毎日がジェットコースター/ LOVE SONGは歌わない」 あっとせぶんてぃーん

しばらくお休みしてしまったCDレビューを再開。今回はすべて4月リリースの作品。初レビューは市川愛さん。たまたまネット(ツイッターだったかな)に流れてきた情報で知ったアーチスト。最近なかなか新規開拓ができてないのだけど、目にとまったものについては比較的こまめに試聴などはしているのである。良作に出会えるとやはりうれしい。

○より詳しい感想は「ガールズ・ドット・ミュージック」でご覧いただけます。

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2018年7月 9日 (月)

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

■映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」 新宿 TOHOシネマズ

「ローグ・ワン」に続くスターウォーズ・スピンオフ・シリーズ。公開翌週にさっそく見てきたよ。平日午前と土曜午後の2回。平日の朝はともかく土曜はいい感じにお客さん入ってたんじゃないかな。

ストーリーはこんな感じ。
「惑星コレリアで生まれ育ったハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)は、銀河で一番のパイロットになる夢を抱いていた。コレリアを出るため、ひとまず帝国軍に志願したハンだったが、チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)という相棒を得て脱走に成功。危険な世界に通じたベケット(ウディ・ハレルソン)のチームに加わり、自由を手に入れるために莫大な金を生む危険な仕事に挑む…。」(シネマトゥデイ)

このところのスターウォーズ・シリーズの作品は年末、つまり冬の公開が多い。しかし、初期の頃は夏場が多かったのではないだろうか。少なくともいちばん最初の「エピソード4」は夏休みに見に行った記憶がある。そんなわけで、やっぱ冷房の効いた映画館で見るスターウォーズはいいね~!…と気分をアゲながら上映を待ったのだった。

結論からいえば十分おもしろかった! アメリカでは興行成績がイマイチで、今後のスピンオフ・シリーズの計画にも影響が出るのでは…みたいなニュースも伝わってきているが、いったい何がいけなかったんだろうと不思議な気持ちになるくらいだ。

たしかに本作はアウトローであるハン・ソロの若き日を描いた作品だけに、スターウォーズらしい「正と邪の全面対決」という構図の物語ではない。登場人物は多かれ少なかれ悪の世界に足を突っ込んだ連中がほとんど。ただのチンピラにすぎなかったハン・ソロが、そんな海千山千たちを相手にしだいに頭角をあらわしていく…という話であり、むしろノワールもの、マフィアものなどに近い世界となっている。

しかし、作風は重厚というよりは軽快。それこそスターウォーズらしいテンポのいい演出でどんどん物語を進めていく。犯罪組織に属する者同士のだましたり裏切ったり…といった人間ドラマもあるが、それもそう深刻ぶることなく痛快アクション映画の範疇にうまく収めている。スターウォーズ・シリーズとはいえ「スピンオフ」なのだから、たまにはテイストの違う話が挟まっていてもそれはそれで楽しいし、むしろ引き出しが増えてよかったと感じるくらいだ。

見せ場では前半の列車強盗のエピソードが圧巻。惜しむらくは、後半にそれ以上の迫力あるシーンがないことだが(あえていえば鉱山惑星からの脱出の場面だろうか)、細かい見せ場は最初から最後まで波状攻撃的に配置されており、物語のスピードはまったく落ちない。脚本のバランスはけっこういいと思った。

また、「エピソード4」に続くさまざまなネタもきちんとフォローしてあって、ファンなら一瞬たりとも気を抜けないのもうれしいところだ。チューバッカとの出会い、代名詞ともいえるブラスターを手にする場面、ミレニアム・ファルコンを巡るランド・カルリジアンとの因縁…などなど。マニア向けと言われるかもしれないが、そもそもスピンオフなんてマニアのためのものだろう。もっと楽しみたかったらお勉強してからまた来てねでも全然いいと思うし、もちろん何も知らなくても平均以上には楽しめる仕上がりにはなっていると思う。

音楽では劇中音楽だが、ドライデン・ヴォスのヨットで開かれているパーティー(ハンがキーラと再会するところ)の音楽がなかなか。あそこはスターウォーズ・シリーズに数々あるバンドが登場する場面の中でもトップクラスといっていいのではないだろうか。歌い手も音楽も妖しい感じで非常に雰囲気があったね~。

そんなハン・ソロのスピンオフ。終盤の展開を見ていると続編は大いにありそうだ。というかないと困る。ハンの過去でもう一つ忘れてはいけないのがジャバ・ザ・ハットとの仕事に失敗して借金だからけになるというエピソード。そこのピースが埋まらないと「エピソード4」にはきれいにつながっていかない。また、「エピソード1」で死んだはずのダース・モールもさくっと再登場したりしている。これはまた別のスピンオフ(オビ・ワン?)に続く話なのかもしれないが、気になるところだ。もちろんハンとキーラとの関係も終わったわけではない。「ハン・ソロ2」、ぜひお願いしたいね!

(弾帯をつけて銃を背負うチューバッカもなかなかカッコいい)
Han2

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2018年7月 6日 (金)

kee、HARUKA、LUNO @下北沢Laguna

■本館に追加したライブレポート

7/4 kee、HARUKA、LUNO 下北沢 Laguna

女性シンガーソングライター3組が出演した「Cinderella Song!!!」。お目当ては元SoftlyのHARUKAさん。グループ解散後、ソロでのステージを見たのはこの日がお初。他の2組はいずれも初見。まったく予備知識なしで聴いたので新鮮だったね。それぞれ45分ステージで聴きごたえあったし。

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2018年7月 5日 (木)

WHY@DOLL @渋谷Glad(7/3)

■本館に追加したライブレポート

7/3 WHY@DOLL 渋谷 Glad(ワンマン)

「WHY@DOLLレギュラー公演 ~はる色に染めて~ vol.48」。約2カ月半ぶりのほわどる定期。見たのは二部。七夕が近いので浴衣公演だったね。動きが制限されるのでダンスは抑えめだったけど、かわいい浴衣姿のほわどるちゃんを間近に見られて、とても目にうれしいライブになっていた!

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2018年7月 1日 (日)

平賀さち枝 @吉祥寺 武蔵野公会堂

■本館に追加したライブレポート

6/30 平賀さち枝 吉祥寺 武蔵野公会堂(ワンマン)

「弾き語りワンマンライブ@武蔵野公会堂 “さち枝の部屋”」。吉祥寺駅から徒歩2分、丸井の裏あたりにある定員350人の広すぎないホール。建物自体はけっこう古くて、普段は落語会などが多いみたいだけど、ステージと客席が近くてアコースティックな音楽にもよくあってたんじゃないかな。シートに座ってじっくり聴けるいいワンマンだったね。

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2018年6月13日 (水)

OVER DRIVE

■映画「OVER DRIVE」 新宿 TOHOシネマズ

公開は6月1日。ところが10日ほどでいきなり上映規模が縮小されていた。大作でもない邦画の場合仕方ないのかな。見に行った日も平日とあってお客さんは少なめだったね。

ストーリーはこんな感じ。
「国内トップクラスのチームが火花を散らすラリー選手権シリーズ。スピカレーシングファクトリー所属のドライバー檜山直純(新田真剣佑)は、攻めの走りこそが勝利の決め手と信じて無謀な走りを繰り返す。彼の兄でチーフメカニック兼エンジニアの篤洋(東出昌大)と直純はレースのたびに衝突。チームは険悪な空気に包まれる。ある日、直純のマネジメントを務めることになったエージェントの遠藤ひかる(森川葵)がやってきた。」(シネマトゥデイ)

自動車レースを題材にした映画はわりと好きなので、目にとまると見に行くようにしている。本作は「ラリー」を扱った作品。今まであまり見たことがないし楽しみ…ということで。

見終わっての印象は「全体的に弱い」。まずは脚本かな。ありがちな設定、ありがちなキャラクター、そしてありがちな展開…。今までどこかで見たことがあるような要素しか出てこない。ずいぶん以前にくりーむしちゅーのテレビ番組で「ベタドラマ」という企画をやっていたが、まさにそんな感じ。しかも、それぞれのエピソードの書き込みが浅いので登場人物たちがみんな薄っぺらく見えてしまう。

演出にも冴えが感じられなかった。ヒロイン的配役の森川葵が単なる狂言まわしになってしまっているし、主役の兄弟二人(東出昌大、新田真剣佑)の演技はピリピリしてばかり。彼らを暖かく見守る社長役の吉田鋼太郎は本当に見守ってるだけでまったく物語に絡んでこない。さらに、本作の「キモ」であるレースシーンや選手権の展開はすべてナレーションで語らせて終わりという淡白さ。レースの映像自体は迫力あるんだけど…。

そもそものところで「ラリーの魅力」が映画の中心にないところも気になったかな。メインエピソードは兄弟の確執と和解で、その背景には三角関係の恋愛がある。イケメン俳優が主演だから客層は女性、だったら恋愛が題材でいいんじゃね…的な安易なプロデュースがそこにはなかっただろうか。せっかくのラリーが舞台の「書割」になってしまっている。これではレースの映画が見たくて行った客は浮かばれない。

(トータル的にはB級映画ということになるのかな…)
Over

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2018年6月10日 (日)

アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

■映画「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」 新宿 角川シネマ

春先から予告編が印象に残っていて、見たいなと思っていた作品。ところが、公開後なかなかタイミングがあわず、劇場も角川シネマに変わっての最終上映日にようやく見ることができた。

ストーリーはこんな感じ。
「貧しい家庭に生まれ、厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、血のにじむような努力を重ねて、アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルと二度のオリンピックに出場。ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、彼女はフィギュア界から永久追放されてしまう…。」(シネマトゥデイ)

ナンシー・ケリガン襲撃事件にオリンピック本番での靴紐切れ事件…。お騒がせフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディングのことは確かに覚えているが、振り返ってみればもう20年以上も昔の話なのだった。

本作もまた実話をもとにした映画ということになる。スタイルはけっこう凝っていて、役者が実在の人物を演じながら、過去を回想してインタビューに答える「疑似ドキュメンタリー」をベースとしている。その合間に回想シーンがはさまるのだが、その過去のシーンの中でも、登場人物たちが突然、画面の「こちら側」に向かって話しかけてきたりする。それが妙に生々しく、つくりごとではない迫力につながっている。

物語は、4歳で本格的にフィギュアスケートを習うことになったトーニャのエピソードで始まる。娘に才能を見出した母親のキャラクターがいきなり強烈で先制パンチをぶちかまされる。あれは「厳格」というのとはちょっと違うだろう。とにかく強引で、一方的で、なおかつ暴力的。態度も言葉遣いも最低だ。ウェイトレスの仕事で稼いだお金を全部トーニャのスケートのレッスンに注ぎ込んだ…というと、娘の才能を伸ばしてやろうとした良い母親のようだが、ひょっとしたら子どもを有名選手にして大金を手にするための投資だったのかもしれず…。果たして真意はどこにあったのだろうか。

そんな専制君主的な母親のもとで育ったトーニャ自身もちょっと変わった性格になってしまい、周囲にも自然とイカれたやつらが集まってくる。ボーイフレンドから後に夫、さらに元夫となるジェフはとんでもないDV男だし、そいつが連れてきたボディガードは妄想&虚言癖のある引きこもりオタクときている。こいつらが後にケリガン襲撃事件を引き起こすことになる…。

出てくるキャラの色が次から次へと濃すぎてクラクラするのだが、これがまた実話ときているからよけいにすごい。映画の最後に実際のニュースやインタビューの映像が使われていて、それらを見ると、登場人物たちはルックスも雰囲気も実物そっくりに仕上げていることがよくわかる。一定以上の年齢のアメリカ人にとっては飽きるほど見せられたワイドショーの映像がそのまま再現されている感覚かもしれない。そう、つまりこれは現実の、実在の「アメリカ」なのだろう。

本作は、ワイドショー的なスキャンダルを題材にしつつ、アメリカの白人低所得者層のリアルを感じさせてくれる映画ではないかという気がした。主人公たちはお金もないが、それ以上に教育がなく、社会からは疎外されていて、希望もない。近年、トランプ大統領の岩盤支持層として日本でも少し知られるようにはなってきたが、たぶん1990年代からすでにそんな層は生まれていたのだろう。

トーニャ自身は並はずれたスケートの実力でそこから浮上できるチャンスをつかむが、結局は周囲に足を引っ張られ、また彼女自身の思慮の足りなさも手伝って、その機会を失ってしまう。型破りな存在を認めない社会や業界・団体の硬直性も当然あった。

物語のラストはフィギュア界から追放されたトーニャが、女子プロボクサーとなってリングで闘うシーンだ。相手ボクサーに殴られて宙を舞うトーニャと、女子フィギュアで世界初のトリプルアクセルを跳んだ輝かしいトーニャがオーバーラップする。切ないが同時にそれでも生きるしたたかさも伝わってきた。

映像的には、やはりスケートの場面が素晴らしい。氷上を滑る主人公をカメラが伴走しながら追いかけていくシーンはいったいどうやって撮影したのだろうと思わされる。初めてトリプルアクセルを決めるシーンも実際の映像そっくりに撮っていて、見ていて思わず「やった!」と言いたくなった。色の濃い役を演じたキャスト陣も全員良かった。音楽の使い方もこなれていたし、エンターテインメントとしても素直に楽しめる。

あらためてアメリカの実話もの映画製作の底力を感じさせられる一本だろう。

(マスコミの問題も古今東西いろいろあるよね…)
Itonya

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2018年5月18日 (金)

平賀さち枝、DJみそしるとMCごはん @新代田FEVER

■本館に追加したライブレポート

5/16 平賀さち枝、DJみそしるとMCごはん 新代田 FEVER

平賀さち枝さん主催のツーマンライブ「"春どまんなかSpecial Live" さっちゃんとおみそはん」。去年暮れのホームカミングスのイベントで出会ってからすっかり仲良くなったという二人の共演ライブ。アンコールのセッションでは、平賀さち枝さんのラップが聴けるなど、けっこうレアなステージだったかも。二人の和やかな空気感も良かったね。

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2018年5月14日 (月)

タクシー運転手 ~約束は海を越えて~

■映画「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」 新宿 シネマート

久しぶりの韓国映画。ゴールデンウィーク前から公開されているのにまだまだ人気で、日曜の朝9時30分の回でも、チケットを買う列がフロアに納まらず、階段ホールまで伸びていたね。

ストーリーはこんな感じ。
「1980年の韓国。ソウルで11歳の娘を男手一つで育てながらタクシーの運転手をしているマンソプ(ソン・ガンホ)は、高額の報酬に目がくらみドイツ人記者・ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せて光州に向かった。軍隊の検問をくぐり抜け、二人は封鎖されていた光州に入る。ピーターは『危険だからソウルに戻ろう』と言うマンソプの言葉を聞かずに取材を始める…。」(シネマトゥデイ)

軍政時代の韓国で、軍隊が市民に発砲し多くの死傷者を出した「光州事件」を題材とした実話もの映画。近年の欧米映画は実話をベースとした作品に充実作が多く、個人的にもけっこう好んで見ているのだが、この韓国映画もなかなかの手応えだったね。最初から最後まで目が離せず一気に見せられてしまう。日本でも根強くヒットしている理由がよくわかった。

本作は、光州事件の全体像を真正面から扱うのではなく、軍隊によって封鎖されていた光州に潜入取材を試みるドイツ人記者と、彼をソウルから現地まで送迎したタクシー運転手の2日間に焦点を絞っている。

この切り取り方がまず素晴らしい。光州事件とは何だったのか…といった大上段からの見解は打ち出さず、ただただ登場人物が見た「事件のごく一断面だけ」をポンと観客の前に提示している。しかし、その断面の生々しさにより、かえって事件の異常性や深刻さがくっきりと浮かび上がってくる。記者と運転手という外部から来た者の目を通して語ることで、観客もまた当時の光州をリアルタイムで訪れているような感覚を味わうことができるのだ。

さらに、その外部の目にも「複眼」を用意しているところがとてもよく考えられていると思った。記者の視点は「軍事政権下で何が起こっているのか…」というジャーナリストの視点だ。一方、運転手は庶民の視点である。彼は「韓国ほど暮らしやすい国はない」と何度も言う。軍政下にあり、彼自身も決して裕福とはいえない生活をしているのに、「暮らしやすい」と思ってしまう。まさに小市民的なことなかれ感覚なのだが、その彼でさえ光州の事件現場を見ると「これでいいのだろうか?」と疑問に感じはじめる。

人権問題とか、そういう主語の大きい話ではなく、一市民としてもしこういう事態に巻き込まれたら…という想像力を刺激する効果を生んでいる。

もちろん、「物語」としてもとてもよく練られている。冒頭から主人公の運転手のキャラクターを伝えるエピソードがテンポよく続く。セコくて調子がよく、ずる賢いのに人情味もあって、困っている人を放っておけない…。一人娘とのエピソードもよく効いている。この人物設定が本当に自然にできているので、光州に向かう往路にしても、いったんソウルに帰りかけながら再び危険な光州に逆戻りする復路も、彼の行動にいちいち納得できるのである。このあたりはまさに脚本のうまさだろう。

そうしたキャラクターを演じる俳優陣も素晴らしかったね。主演のソン・ガンホはもとより、光州のタクシードライバーたちや通訳の学生など本当にいいキャラぞろい。一場面しか出てこないような人にもみんな個性があって見終わった後まで強く印象に残る。あえて惜しかったといえば、記者役のトーマス・クレッチマンだろうか。韓国人キャストがみんな好演だっただけに、ちょい薄味に思えてしまった。もっと強く人間味を感じさせる演技でもよかったかもしれない。

もう一つ、本作の特徴をあげるなら、韓国現代史で最大の悲劇といわれる光州事件を扱いつつも、コメディ的要素や人情話、クライマックスでのカーチェイス…など、エンターテインメント性に配慮した作風に仕上げていることだろう。これに関しては事件の本質を伝えるためにもっとシリアスにやってほしかったという意見もあるようだが、本作のように間口を広げて多くの人に知ってもらうという選択肢は決して間違っていないと思う。

これは、戦場カメラマンが「目の前の悲惨な子供を救うべきか、その写真を世界に配信することを優先すべきか」で悩むというが、それに近いかもしれない。本作は「おもしろかったよ」と気軽に薦めやすいからこそヒットしていると思うし、それによって光州事件について「もっと調べてみたい」と思う人が増えればいいという考え方なのだろう。実際、自分も事件のアウトラインくらいは知っていたが、本作を見てからネットで改めて記事を探して読んだりした。

事件そのものについて、軍隊やメディアについて、さらには韓国の社会について…いろいろなテーマで語りたくなる、そのきっかけとしては十分な力を持つ映画だと思う。

(1980年の光州市の市街地風景などはどうやって撮影したのだろうか…)
Taxi

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2018年5月 8日 (火)

レディ・プレイヤー1

■映画「レディ・プレイヤー1」 新宿 TOHOシネマズ

ゴールデンウィーク後半の4連休に何か見たいな…ということで。もちろん人気作なので前日に予約。朝9時からの回でようやく席をとれた。最前列までぎっしり満員だったね。

ストーリーはこんな感じ。
「2045年、人類は思い浮かんだ夢が実現するVRワールド『オアシス』で生活していた。ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される。その内容は、オアシスの三つの謎を解いた者に全財産の56兆円とこの世界を与えるというものだった。これを受けて、全世界を巻き込む争奪戦が起こる…。」(シネマトゥデイ)

予告編の段階では見る気はほとんどなかったのだが、いつも参考にしている新聞の映画評が「最高点」(めったにない)をつけていたので、「意外に傑作?」と思って劇場に足を運んだのだった。

結論からいうと「見てる間はおもしろかった」。駄作とかそういうものでは全然ないのだが、映画評で最高点がつくほどのものなのだろうか…というのが正直な印象かな。今までにないものを見た!という高揚感とか、劇場を出た後まで尾を引く余韻とか…そういうものはあまりなかった気がする。

物語の軸になっているのは、仮想世界を舞台とした宝探し。もし宝が邪悪な組織の手に渡ってしまうと、主人公たちの愛する世界は利益至上主義の過酷な世界になってしまう。世界を守るためにも主人公たちは宝探しを成功させないといけない…。ここまでは、ファンタジーや魔法の世界に迷い込んだ主人公が冒険の末にその世界を守る…というよくあるストーリーだろう。

本作のおもしろいところは、その仮想世界と現実世界が密接にリンクしていて、行ったり来たりを繰り返すあたり。主人公たちは現実ではうだつのあがらない貧民だ。その彼らがひょんなことからチームを組み、遺産狙いの宝探しを組織ぐるみで行っている大企業と対峙する。したがって、戦いは仮想世界の中だけでなく、現実世界でも展開される。ゲームの中ではたとえ殺されてもキャラクターが失われるだけだ。しかし、現実世界では本当に「命を奪われる」危険もある。非常にスリリングな展開となっていくのである。

アクションシーンなどは仮想空間ならではのスピード感と迫力があって見ごたえがある。ただ、宝につながるカギを見つけるための謎解きが、「はあ、そうなんですか」という感じで、やや唐突。主人公がオタクだからわかったということになっているが、やはり何か伏線を用意して、それがまわりまわって謎解きに結びつく…といったある種の鮮やかさが欲しかった気がした。

さらに言うなら、バーチャルワールドを守るために命まで張った主人公たちが、最終的には「やっぱリア充最高!」となってしまうのも微妙な感じ…なのだけど、一般向けエンターテインメントだとそこがいちばんいい落としどころなのかもね。オタク向けなら、最後のカーチェイスあたりでアルテミスのサマンサが死んでしまい、莫大な財産をつぎ込んで仮想世界の中に彼女のキャラクターを作ってつきあってます…みたいなダークな結末でもいいかなという気もする。

バーチャルワールドを舞台にうだつがあがらない主人公が戦ってヒーローになる…というストーリーだと、アニメ映画の『シュガーラッシュ』(2012)を思い出した。比較するようなものではないのかもしれないが、どちらかというと『シュガーラッシュ』の方が個人的には楽しい。

(VRを使ったこういうゲーム、いずれ出来そうではあるね)
Rp1

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2018年5月 7日 (月)

脇田もなり @新宿MARZ

■本館に追加したライブレポート

5/6 脇田もなり 新宿 MARZ(ワンマン)

4/25リリースのシングル「TAKE IT LUCKY!!!!」のレコ発ワンマン。1日2公演のうち見たのは昼の「Me, Myself and I」(DJセット)の方。これまで行ったワンマンはすべてバンドセットだったので、たまには違うパターンも見たいなと。結論からいうとDJセット、すごく新鮮で良かったね~。単にオケを使ったライブともまた異なるグルーヴもあったし…。

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2018年5月 2日 (水)

APRIL @イオンモール幕張新都心

■本館に追加したライブレポート

4/30 APRIL 海浜幕張 イオンモール幕張新都心(グランドスクエア)

日本デビューシングル「Tinker Bell」のプロモーションイベント6日目(最終日)。この日も13時・16時の2回ステージ。2回目はオーラスらしくアンコールあり(2曲追加)だったね。初めて聴く曲もあったりして全通したかいあったわ~。時間に余裕があったので特典会の最後までつきあって現場の雰囲気を感じてきたよ。ますますAPRILが好きになれた6日間だったね。

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2018年5月 1日 (火)

寺嶋由芙 @恵比寿CreAto

■本館に追加したライブレポート

4/29 寺嶋由芙 恵比寿 CreAto(ワンマン)

4/25リリースの2ndアルバム「きみが散る」のレコ発ワンマン。収録されている14曲すべてをアルバムの曲順のまま歌う「完全再現ライブ」。本編終了後アンコールなしで、かわりに宮野弦士氏らを招いたトークショーがついていた。制作裏話やレアなデモ音源なども。ここだけでも文字起こしが欲しくなるような内容だったんじゃないかな。

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«APRIL @川崎 ラ チッタデッラ