チェ・ゲバラの遥かな旅
■「チェ・ゲバラの遥かな旅」 戸井十月 (集英社文庫) 8/30読了
チェ・ゲバラ。ベレー帽に長髪、髭面で左上に視線を送るポスター(写真)は、誰でもすぐにイメージできるでしょうが、じゃあ「ゲバラってどんな人?」と言われると、意外と知らなかったりする。私も、「革命家でしょ、毛沢東やホーチミンみたいな…」というレベルの知識しかなかったのですが、ちょうど手頃な本書が目にとまったので読んでみました。
内容はこんな感じ。
「フィデル・カストロとともに1959年のキューバ革命を成功させ、20世紀最大のゲリラとして、今なお人々の心に残るチェ・ゲバラ。医学を志した学生時代から、圧政に苦しむ人々のためにゲリラ戦士となり、革命成就後、与えられた地位を拒み、新たな解放を目指して南米・ボリビアで67年に殺害されるまでのノンフィクション・ノベル。殺害された地に立った著者の思いを描く。」(「BOOK」データベースより)
文庫で270ページもないコンパクトな一冊だけど、ゲバラの生涯を網羅した伝記として、とても読みやすく描かれている。完全な小説ではないけど、小説的な技法を使って書かれているので、研究論文みたいな堅苦しさがないのがいい。
「20世紀最大のゲリラ」というとものものしいけど、ゲバラはアルゼンチンの中流家庭に育ち、けっこうお坊ちゃんだったのであった。また生涯にわたって喘息に苦しめられたし、文学青年だったり、恋多き男だったり、マザコンだったりした。若き日には、友人と2人で、今で言えば「自分探しの旅」として、オンボロバイクで南米を一周するという貧乏旅行を続け、貧しい各国の民衆の様子を知ったことが革命を志すきっかけになった。ここには、とても人間くさいゲバラ像が描かれている。
ゲバラが死んで約40年。彼の時代には、「民族」ってものはあまり考慮してなかったわけだが、やはり20世紀後半を難しくした(21世紀の今も難しくしている)のはそこだろうな。今、彼が生きていたらどんな答を出しただろうか。
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