リンダリンダラバーソール
■「リンダリンダラバーソール」 大槻ケンヂ (新潮文庫) 9/5読了
オーケンこと大槻ケンヂ氏の本というと、去年だったか「ロッキン・ホース・バレリーナ」を読んでいます。もう堂々たる長編小説、しかも相当おもしろかった! というわけで、同じくオーケン本で評判の高い本書も文庫になったのをきっかけに読んでみました。
内容はこんな感じ。
「僕らのバンドが、メジャーデビューすることになった! その頃、日本はバンドブームに沸いていた。無名だった若者が、次々とスターになった。ライブ会場は熱狂に満ちた。でも、ブームはいつか終わるものだ。大人たちは、潮が引くように去ってゆく。誰もが時の流れと無縁ではいられないんだ。僕と愛すべきロック野郎たちの、熱くて馬鹿馬鹿しくて切なかった青春を、いま再生する。」(「BOOK」データベースより)
ご存知、筋肉少女帯のボーカリストだったオーケン氏が、バンドブームの頃を回想する…というエッセイだと思って読み終わったんだけど、「あとがき」を読んでいたら、「これは小説です」とある。がが~ん! バンドブームの渦中を駆け抜けた数多くのバンドやバンドマンが実名で登場するので、すっかりノンフィクションだと思っていたよ…。おそらく、オーケンとその彼女、コマコとのエピソードなんかが、ある程度脚色されてる部分なんだろうな。でも、まあ90%までは実話(ノンフィクション)と思っても問題ないでしょうね。
私も、ブームの渦中にいたわけじゃないけど、音楽ファンという立場から、80年代後半~90年前後(ちょうど「イカ天」でブームが最高潮に達する頃)の一連の動きをリアルタイムで記憶しているので、相当生々しく、またおもしろく読めた。それに、オーケンの文才はまったく見事なもの。事実をそのまま書いてもおもしろいエピソードがテンコ盛りなのに、さらにそれを楽しく読ませるテクニックまで備えているのだから最強だろう。
文庫版の方には、文中に登場する固有名詞についての注釈が入っていて親切。この注は2006年の時点で入れられているので、バンドやバンドマンたちのその後も分かってオモシロい。
この「リンダリンダラバーソール」を、より完全に小説的なスタイルにしたものが、「ロッキン・ホース・バレリーナ」だったのではないだろうか。初めてのツアー、深夜の高速、ワゴン車に乗って遥かな西を目指す旅のエピソードなんかには、大いに共通点を感じた。
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