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2007年1月 3日 (水)

Gファイル

■「Gファイル 長嶋茂雄と黒衣の参謀」 武田頼政 (文藝春秋)

私にしては珍しくハードカバーの一冊。少し前に買ってあった本ですが、冬休みを利用して一気に読みました。

内容はこんな感じ。
「長嶋監督の裏には、マスコミはおろかチーム内ですら限られた人間しか知らなかった、ある一人の参謀がいた…。「GCIA」なる情報機関を創設し、真の長嶋政権を実現しようとした男・河田弘道。読売ジャイアンツという巨大組織の一大改革に挑んだ4年間の記録がここにある。」(「BOOK」データベースより)

感想を一言でいえば、これは相当にエキサイティングな読み物。いったんエンジンがかかると最後まで時間を忘れて読み切ってしまった。ここに書かれているのは、90年代中盤の長嶋監督時代のジャイアンツのエピソードだ。でも、どこのチームのファンとか関係なく、日本のプロ野球に関心がある人なら絶対に興味深く読めると思う。
特に、ここ数年は球団の合併や新設などを通じて、日本のプロ野球(プロスポーツ)チームはどうあらねばならないのか…というような事をけっこう考えさせられていただけに、とても刺激的だった。
主人公の河田氏は、当時全盛を誇った野村ヤクルトとのグラウンド内での戦いなどにも大いに力を発揮したけど、基本的には「ジャイアンツ旧体制」ともいえる組織をどう変えていくか…に取り組んでいく。「プロのスポーツチーム」は、いうまでもなく「企業」。そこには驚くほど複雑な人間関係や利害関係が錯綜している。細かい話はもう読んでもらうしかないが、中盤などほとんど企業ものドキュメントの様相を呈している。
改めて感じるのは、この当時のジャイアンツには、チームを強くする(=魅力的にする)ということは何なのか…という自分たち自身についてのコンセプトが全くなかったんだな…ということだ。そのために、結局ズルズルと現在に至る長期低落を招いてしまった。そして今も、プロ野球のチームでしっかりとしたコンセプトが見えるチームはほとんどないのが現状だ。ジャイアンツは、特に歴史が長く伝統があるがゆえに、その組織は伏魔殿状態だったのだが、他のチームもおそらく似たりよったりなんだろう…という気がしてしまう。

…と内容についての感想をまずは書きたくなってしまうのだけど、膨大な資料からこのスリリングなノンフィクションを再構築した筆者の力量にも感服!

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