鉄塔 武蔵野線
■「鉄塔 武蔵野線」 銀林みのる (ソフトバンク文庫)
有名な本です。これまで読んだことはなかったけど、印象的なタイトルは記憶に残ってたし、映画化されたものを深夜テレビで見たことがあるような気もする。でも、最近は絶版になっていたそうで、このほど復刊されたのをきっかけに手にとってみました。
物語はこんな感じ。
「夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は<武蔵野線75-1>。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」…未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した“鉄塔小説”。」(カバー裏から)
高圧線の鉄塔を辿ってどこまでも進んでいく…。単純な話なのに、妙にロマンがある。ストーリーの進展にあわせて、実際の武蔵野線で撮影された鉄塔の写真がほとんどページ毎に載っており、フィクションなのにノンフィクションっぽくもある。
文体は一人称。青年というよりは壮年くらいになった大人の主人公が、子供時代のある一日を回想して語っているような文章だ。しかし、物語は1990年代を舞台にしているので、小学5年生の子供が十分に大人になるには、そこからさらに30年くらいはかかるわけで…。とすると、この作品は未来において書かれたという設定なのだろうか…。
読み進んでいくうちに、とても不思議な感覚にさせられる作品だ。でも、不自然さはまったくなく、現実の時間軸からは切り離されたエアポケットの中にいるような懐かしい気分になってくる。発表後、「日本ファンタジーノベル大賞」を受賞したそうだけど、それも分かるような気がする。
※ちなみに、本書のあとがきで知ったのだけど、映画版「鉄塔 武蔵野線」で、主人公の少年を演じたのは、「電車男」などでおなじみの伊藤淳史氏だそう(子役時代の初主演作)。
※また、このブログの本館である「Girls.Music」のタイトルロゴのうしろに写っているのは、まぎれもなく「鉄塔」だったりします。これは本当にたまたまなんですけどね。
(↓これです)

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