グミ・チョコレート・パイン
■映画「グミ・チョコレート・パイン」 テアトル新宿
原作は未読でしたが、オーケンだったらおもしろいだろう…ということで見てきました。あわただしい年末の最終回上映(18時50分~)でしたが、お客さんはけっこう入ってましたね。
ストーリーはこんな感じ。
「失業して実家に戻ってきた賢三(大森南朋)は、1通の手紙を見て高校時代を思い出す。1986年、賢三(石田卓也)たち3人の男子高校生は、サブカル談義に花を咲かせ『オレたちは何かができるはずだ』と息巻くものの、何が変わるわけでもない毎日を送っていた。そんなある日、賢三は名画座であこがれの同級生、美甘子(黒川芽以)に出会う。」(シネマトゥデイ)
これは良かったな~。2時間以上あるんだけど、少しも長いと思わなかった。冒頭で、「これは全然ドラマチックじゃなく、カッコわるい、どこにでもある青春を描いた映画です…」的なナレーションが入る。たしかにそんな映画だと思う。多少の年代や地域のズレはあっても、人間のやること、ましてや若者のやることなんて結局は同じだからだろう。ついついニヤニヤしながら見てしまうシーン、「そうなんだよなぁ…」と思わず共感してしまうシーン。自意識過剰とムラムラ、シコシコの繰り返し。カッコいいエピソードはほとんどなく、情けない出来事ばかりである。主人公たちのアホさ、マヌケさ、優柔不断さは、同時に自分のそれでもある。
また、この映画は「21年前」と「現在」がカットバックで進行していくんだけど、この現在編のトホホさ加減もかなりのものである。これもまた美化されてない分、共感してしまう人も多いことだろう。青春時代ばかりがカッコわるいわけじゃないのである。アホさ、マヌケさは今も変わってない。さらにいうなら、現在の主人公たちの親の世代のカッコわるさも描かれている。つまり、人間、年齢を重ねてもずーっとカッコわるいのである…。
この映画は、そういうけっこう大きなテーマも含め、いちいちすべてのエピソードの意味を考えることができるような作りになっていると思う。見終わったあとも、いろんなシーンがどんどんよみがえってくる。ケラ監督(脚本も)作品を見たのは初めてだけど素直にサスガだと思った。配役も良かった。高校生編も現代編もばっちりハマっていたと思う。
(黒川芽以さんは終盤の8ミリフィルムのシーンが美しすぎます…)

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