« waffles、芙咲由美恵、Dada D、unistyle、ミゾオチ @LUSH | トップページ | SHUUBI、池田綾子、kaede、神山みさ @FAB »

2008年6月14日 (土)

4-2-3-1

■「4-2-3-1 ―サッカーを戦術から理解する」 杉山茂樹 (光文社新書)

最初、書店で見て「おもしろそうだな、そのうち読もう」と思っていたら、あっという間にベストセラーに。しばらく店頭では買えない状態になっていた本書です。増刷分が出回ったので、速攻入手して読んでみました。

内容はこんな感じ。
「これはピッチに描かれる“デザイン”についての本だ。つまりサッカーゲームの進め方の話であり、戦術の話であり、布陣の話である。(中略)本書では、攻撃サッカーを象徴する現在流行の4-2-3-1をはじめ、サッカーの代表的な布陣を戦術的な観点から分かりやすく解説していく。」(カバーから)

サッカーといえば代表戦くらいしか見ない典型的な「ニワカ」である私だけど、以前から「サッカーの試合はどんなところに注目して見るのがいいんだろう」とずっと思っていた。たしかに、選手のスピードやワザ、試合展開…などを見るだけでも十分楽しめるんだけど、日本代表前監督のオシム氏の発言を読んだりすると、「サッカーには表面的なことだけじゃない、もっと深いものがきっとありそうだ…」という気もしていた。ただ、それが何なのか分からず、ずっとモヤモヤしていた。
本書は、そんな私のモヤモヤをすっきり晴らしてくれたと思う。サッカーにおける戦術の進化の歴史、それは1970年代にオランダのリナス・ミホルスが提唱した「トータルフットボール」に始まる。個人技では到底かなわないブラジルなどの南米勢に欧州のサッカーがどう立ち向かうか、つまり弱者が強者を倒すにはどうすればいいか…という発想が原点だという。その戦術は、後にイタリアのアリゴ・サッキによる攻撃サッカー「プレッシングフットボール」に引き継がれ、やがて世界を席巻していく。…「そうか、そうだったのか!」と読みながらまさに目からウロコがどんどん落ちる思いである。
そして、そういった戦術を表し象徴しているのが「4-2-3-1」とか「3-3-3-1」といった「布陣」なのである。布陣を見れば、そのチーム(監督)がどういうサッカーをめざしているのかが分かる。相手をどう分析し、どんなゲームを作ろうとしているのかも…。銀河系軍団とまでいわれ、数々のスーパースターを集めたレアル・マドリードがなぜ勝てなくなったのか、なども布陣を見ることによって解析できるのである。
本書は前半を、サッカー界における戦術進化の歴史に割き、後半を有名チーム、とりわけ日本代表チームの戦術分析に当てている。その結果としては、日本チームには「戦術がない」という結論に落ち着く。世界的に見れば弱者である日本がワールドカップで勝ち上がるためには、強者を倒す戦術こそが必要なのに…。
たぶん、著者の見方とは違う考え方の専門家も多いだろうが、少なくとも世界のサッカー界が、こうした論理的な思考法に基づいて進化していっているのは確かなのだろう。本書を読むと、猛然と欧州や世界のサッカーが見たくなってくる。いろいろと議論を戦わせながらサッカーを見るという楽しみを教えてくれる一冊である。

|

« waffles、芙咲由美恵、Dada D、unistyle、ミゾオチ @LUSH | トップページ | SHUUBI、池田綾子、kaede、神山みさ @FAB »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/89663/41528624

この記事へのトラックバック一覧です: 4-2-3-1:

« waffles、芙咲由美恵、Dada D、unistyle、ミゾオチ @LUSH | トップページ | SHUUBI、池田綾子、kaede、神山みさ @FAB »