純喫茶磯辺
■映画「純喫茶磯辺」 テアトル新宿
「渋谷区円山町」でちょっと良いな…と思い、最近TVドラマの「ハチワンダイバー」などでも見かける仲里依紗さんが主演というので見てきました。
ストーリーはこんな感じ。
「高校生の一人娘(仲里依紗)と暮らす水道工員の磯辺裕次郎(宮迫博之)。父親が急死して多額の遺産を手にした彼は、突如喫茶店経営を思いつき、無計画にも『純喫茶 磯辺』を開店させる。閑古鳥の鳴くダサい店は、美人の素子(麻生久美子)をアルバイトに雇ってから一転、クセモノばかりの常連客でにぎわい始める…。」(シネマトゥデイ)
喫茶店という小宇宙で展開するスケールの小さい話。でも、それは一般市民にとっての身の丈サイズといえるもの。けっこう好きですよ。
また、小さいという意味では、社会の最小単位である「家族」の物語でもある。男の素性は一目で見抜くくせに、女を見る目はまったくない父親。女のことはちゃんと分かるのに、これまた男を見る目はない娘。要するに2人は似たもの親子なのだ(そのことは冒頭の同じイビキをかいているシーンですでに暗示されている)。すったもんだあるけど、結局2人は仲良く折り合いをつけて一緒に生きていくしかない。おそらくこれがこの映画の結論なのだろう…と思う。
若干地味目な話だけに、個人的にはもうちょっと分かりやすいドラマが欲しかったな…という気もした。クスッと笑えるゆるいコメディ仕立てというのは良いし、役者もそれぞれ好演。でも、見終わったあと何となく盛り上がり切らない感じが惜しい。何が言いたいのかが、いまいち分かりにくい…というか。結局、「純喫茶 磯辺」はひと夏で営業を終える。ありがちかもしれないけど、少女のひと夏の成長物語…という感じにまとめたら、もっとカタルシス(見終わった後の痛快感)はあったかもしれない。
仲里依紗さん。普通の高校生を素直に演じてて、とても魅力的。出ずっぱりに近いので、ファンならかなり満足度は高いと思う。宮迫博之氏は「下妻物語」でのオヤジ役をもうちょっとありそうにした感じだろうか。濃さとダメさがハマってる。麻生久美子さんは「時効警察」の三日月君かな。ある意味でこの映画の中で一番ぶっとんでる役。なおかつキーマン。母親役の濱田マリさんも印象に残った。いい味出してます。

ところで、同じ父と娘の起業物語で思い出すのが「毎日が夏休み」という映画(1994年)。金子修介監督。父親に佐野史郎、娘が当時新人だった佐伯日菜子。これは傑作ですよ~!
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