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2009年1月10日 (土)

K-20

■映画「K-20 怪人二十面相・伝」 新宿バルト9

昨年から予告編などを見て、おもしろそう…と思っていた作品。監督・脚本は佐藤嗣麻子さん。その昔「エコエコアザラク」などが印象的で、けっこう好きなクリエイターの1人です。

ストーリーはこんな感じ。
「極端な格差社会の架空の都市“帝都”では、富裕層のみを狙い、美術品や骨董品を鮮やかに盗み出す“K-20”こと怪人二十面相が世間を騒がせていた。ある日、サーカスの曲芸師・遠藤平吉(金城武)は、財閥令嬢・葉子(松たか子)と名探偵・明智小五郎(仲村トオル)との結納の儀に潜入して写真を撮ってくる依頼を引き受ける。」(シネマトゥデイ)

これは期待通りの楽しい作品だな~。とにかくテンポがいいし、アクション、コンゲーム、ミステリ…などさまざまなエンターテインメント映画のエッセンスをちりばめながらも、決して散漫にならず一気呵成に見せていく感じ。キャストもなかなか豪華だし、最初から最後まで素直におもしろかった。
…とまあ、娯楽作品だから感想はそれくらいでもOKなんだろうけど、もう少しだけ振り返ってみると、実はこれ「2次創作」であることに気づく。そう、本作は明智小五郎と怪人二十面相…という江戸川乱歩の有名な世界、キャラクター設定をベースにまったく別の物語を構築している作品なのだ。同人、マニア、オタクなどの世界では一般的だった「2次創作」という楽しみを、東宝という超メジャーがけっこうなエンターテインメント作品に仕立て上げた。やはり、このところの日本映画界では連戦連勝の東宝、おもしろいものへの感度が高い…というべきだろうか。
そんな2次創作作品だから、当然元になってる世界を知っておいた方がより楽しめるのはいうまでもない。最近の10代や20代がどの程度乱歩作品を体験してるのかは分からないけど、私たちのようなオヤジ世代は少年時代に必ずこのへんは通過している。だから、小林少年に加えて「少年探偵団」や「BDバッジ」が登場するカットなどでは思わずニヤリとさせられるわけである。
また、実はこの映画、けっこういろんな娯楽映画に対するオマージュといえる要素も盛り込んでつくられているのかもしれない。アクションが「スパイダーマン」っぽいというのは大方の指摘だろうけど、私の見たところ、宮崎アニメからの引用と思われるシーンもけっこう目についた。具体的には「カリオストロの城」や「ラピュタ」などで、アニメファンなら当然気づいていることだろう。また、嶋田久作氏をワンシーンだけ起用しているのは「帝都物語」を意識してのこと…という気もする。映画に詳しい人が見れば、もっと出てくるのではないだろうか。全体が2次創作でもあり、こういうのはたぶん意識的にお楽しみ要素として入れてるんだろうと思う。
やはり佐藤嗣麻子監督、ただ者ではない。

(遠藤が建物をこえてどんどん走るのは「フリーランニング」っぽかったですね)
Kt

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