モテキ
■映画「モテキ」 新宿バルト9
美人女優がいっぱい出てる!…ということで。ちなみに原作のコミックもTVドラマ版も見てなくて、設定などの予備知識まったくなしで見てきました。
ストーリーはこんな感じ。
「金もなく恋人もいない藤本幸世(森山未來)に、怒とうのように恋のチャンスが訪れた『モテキ』から1年後。4人の女の子たちとの関係は終わってしまったが、再び新たな女の子たちが幸世に接近し始め、“セカンド・モテキ”がやって来ようとしていた。」(シネマトゥデイ)
「恋が攻めてきた!」…というのは、たしかドラマ版の宣伝コピーだっただろうか。電車の中かどこかで見て、「うまいこと言うなあ~」と感心したのを覚えてる。だから、この映画版も主人公が「モテてモテて困る」話だと思ってたんだけど、素直な感想としては、「激モテ」まではいかない「ちょいモテ」ぐらいの話なのね~。
ポスターや予告編などを見ると、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子…の4人に迫られる話かなと思うわけだけど、すごい勢いで惚れてくるのは麻生久美子のみ。主人公が恋してしまう長澤まさみに関しては、不倫関係に苦しんでた彼女が一時の癒しを求めた遊び相手…みたいな位置づけだし、仲里依紗、真木よう子に至っては好意は持ってるけど、特に恋愛というわけじゃない。そういう意味では、決して「ありえない話」ではなく、普通の恋愛映画という印象だったかな。
全体的には、最初から最後まで楽しい作品。世の中に恋愛上手な人はごく一握りで、大半は(男女とも)恋愛下手なんじゃないだろうか。誰でも恋してしまうと実に不可解な行動に出ることが往々にしてあり、後で思い出すと顔から火が出るようなこともしばしばだろう。だからこそ、この主人公のエピソードを見て笑いながらも、「単にダメなやつ」と思ってしまうわけじゃなく、どこか自分に近いところを見出して感情移入してしまうんじゃないかな…と思った。
ただ、ラストシーンについてはどうなんだろう。いまいちスカッとしないというか、歯切れが悪いというか…。あれって、長澤まさみのみゆきちゃんに幸世の思いが届いた…というエンディングでいいんだよね? だとしたら、「幸世君とじゃ成長できないの!」と完全に打ちのめす発言をした彼女の心はどのタイミングで変わったのだろうか。
一つ考えられるのは、あの嵐の夜。編集部に戻った幸世は苦しみながら徹夜で記事を仕上げる。あれだけ心を乱される出来事があった後で、原稿を書くなんてまともに考えれば絶対に無理だろう。しかも、その原稿は恋敵のヨイショ記事なのだ。しかし幸世は、その仕事を精神的にも肉体的にも極限状態の中でやりきった。つまり、観客はこのシーンで、ダメ男だった幸世が、辛い恋を経て一回り大きく成長したことを知るのである。
あの幸世の署名入りの記事を、ナタリーの読者だと言っていたみゆきが読んだ可能性は十分にあるだろう。彼女自身もまたミニコミか何かの編集の仕事をしていたはずだ。だとすれば、幸世がどんな思いであの記事を書いたのかは分かるだろうし、またそれを書き上げた幸世が、決して「成長できない相手」ではないことにも気づいたのかもしれない。だとすると、山下の「女房と別れることにした」発言にもうれしそうでなかった理由が分かる。
でも、映画の中ではそのへんの説明はまったくない。だから、どうしても唐突感がある。現実には山下が追っかけてきてるわけだし、一発ぶっ飛ばされて終わりかもしれない。せめて、みゆきがナタリーの記事を読んでるシーンでもあれば、私の妄想が裏づけられるんだけど…。
全体の味つけに使われてるツイッターやカブカル系の趣味、音楽などなど。これ、けっこう効果的だったな。リアルな今という感じがした。10年後とかに見たら、「あったな~!」って懐かしくなるんだろうな。
(実にいい味出してる森山未來の幸世。Perfumeと一緒のダンスシーンでの動きがカワユス)

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