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2011年11月20日 (日)

1911

■映画「1911」錦糸町楽天地シネマ

中国の「辛亥革命」を描いた作品。歴史に題材をとった映画はけっこう好きなので見てみました。ジャッキー・チェン映画出演100作目という話題もあります。

ストーリーはこんな感じ。
「1911年、中国は欧米列強の脅威にさらされていた。清王朝は衰退する一方だったが、業を煮やした民衆たちが立ち上がる。革命軍を束ねる孫文(ウィンストン・チャオ)の参謀・黄興(ジャッキー・チェン)は一気に総督府に攻め込むが、情報が漏れていたため失敗に終わる。この戦いで多くの尊い命が奪われ、敗残兵となった彼らは次第に戦意を失っていくが…。」(シネマトゥデイ)

一言でいうと歴史の教科書を映像化したような作品という印象かな。中華民国が成立した辛亥革命の流れを追っていくんだけど、そこにエンターテインメントにつながるようなドラマツルギーを加味してるわけじゃないから、自国の歴史を知ってる中国人はともかく、おぼろげな知識しかない日本人にとっては、はっきりいって歴史好き以外がおもしろく見るというのはかなりきついような気がした。
いちおう本編開始前に、映画の背景を説明するショートムービーが日本向けにつけ加えられてるけど、その程度じゃ全然分からないと思う。中盤以降、大きな存在感を持ってくる袁世凱率いる軍閥の説明もなかったし、何度も出てくる汪兆銘も後に日本の傀儡となる事実などを知らないと、「なんでこの人よく出てくるの?」という感じかもしれない。また、映画で描かれている各地での戦闘も、革命の中での位置づけがいまいち分からないから、「すげえ激戦だな…」という感想に終わりがちなのは惜しい感じである。
物語は、孫文と黄興という革命の両輪の信頼関係を軸に成り立っている。孫文は主に海外での国際世論形成と資金調達を担い、黄興は国内で武力蜂起の最前線に立つ。孫文については有名だけど、黄興という人についてはこれまでほとんど知らなかったので、そういう意味では興味深く見ることができた。孫文の米国や欧州での活動ぶりが丁寧に描いてあるのも新鮮だった。
ただ、いかんせんそこに濃密な人間ドラマを発生させるまでには至っていない。たぶん、中国人が見ても、自国の歴史の一大転換点という感慨や誇りは感じるだろうけど、物語として(映画として)おもしろいという評価はあまり出てこないんじゃないか。「教科書的」というのは、まさにそんな感じではないかという気がした。

ただ、日本人(あるいは中国人以外の全世界の人)がこういう映画を見ることで中国の歴史を知ることは意味があることだろう。特に、列強にどんどん領土を割譲していった清朝末期の歴史は、中国人にとってはものすごいトラウマになっていることは忘れない方がいいと思う。昨今の中国は、ともすれば覇権主義ではないのかと疑われているけど、これとかつて列強に簒奪されたトラウマがどう関係しているのか…はけっこう気になるところだ。

(全体的には歴史ドラマだけど、ジャッキー・チェンがカンフーアクションを披露するサービス場面も一カ所だけあったりします)
1911

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