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2016年11月16日 (水)

続・深夜食堂

■映画「続・深夜食堂」 日本橋 TOHOシネマズ

前作を見ていたのと評判も良いみたいなので。お客さんはやっぱり年配の人が多かったかな。

ストーリーはこんな感じ。
「新宿の路地裏にたたずみ、マスター(小林薫)の作る料理と居心地の良さに惹かれて毎晩客が集まってくる食堂『めしや』。ある日、常連たちが次々と喪服姿で現れる。その一人、範子はストレス発散のために喪服を着るのが趣味だった。そんな彼女が、実際の葬式で出会ったある男に心を奪われることになる…。」(シネマトゥデイ)

今回も三つのエピソードからなるオムニバス・スタイルでまとめている。前作同様、劇場用長編だからといって無理に大きい話にするのではなく、テレビドラマの延長線上のスケールに収めたのが、この作品の世界にはぴったりはまってる感じ。

オープニングの「喪服を着る女性」のエピソードは、まあ軽いジャブというところ。二番目の「蕎麦屋の親子」の話は、ちょっと出来すぎと捉える向きもあるかもしれないが、この「深夜食堂」の世界にはこれくらいベタなのがちょうどいいような気がした。最後は特殊詐欺がテーマかと思ったら、実はこれも「親子」の話。しかも、いい話系というよりはけっこうホロ苦いエピソードだ。今どき珍しい人情話に軸足を置いた映画だけど、甘さ控えめで大人の鑑賞にも耐えるつくりになっている。

構成としても、軽い話から徐々にギアをあげていくというか、味の濃いエピソードになっていく流れがうまく計算されていて、最初は軽い気持ちで見ているんだけど、最後には物語の世界にしっかり引き込まれてしまう。三つのエピソード自体はそれぞれ独立しているものの、店の常連たちは常に出てくるから、一本の作品としてのまとまりも欠かさない。全体に前作よりもさらにこなれている印象。ことさらに力を入れて見る映画でもないだろうが、安定感・安心感を約束してくれる職人技の効いた一本といっていいだろう。

マスター役の小林薫は、前作にも増して何もしない。この大きく動かないところがこの作品の良さでもある。ただ、言動の端々にふとマスター個人の気持ちや生活がにじみ出す瞬間もちゃんと描かれている。余計な説明はなく、特にフォローもない。このへんの匙加減も実に良い。

ところで、最初の編集者のエピソードで一つ気になるところがあった。老作家を訪ねた彼女が障子越しに、「原稿をとりにきました」と言う場面。ここは普通「原稿をいただきに参りました」などと敬語を使うのではないか。単純なミスだろうか。いや、ひょっとしたら、彼女は自分で思っているほど優秀な編集者ではない…ということを、この言葉遣いで表現しているのかもしれない。「深夜食堂」を訪れるお客さんはみんな凡人である。だからこそ共感しながら見ることができるのだともいえる。そう考えた方がむしろ納得がいく。

物語はやってくるお客さんが勝手に作ってくれるのだから、このシリーズは永遠に続けることも可能だろう。あまり気張らずに第三弾を待ちたいと思った。

(何でもつくってくれるのはいいけど値段はどこで決めてるのだろうか)
Shoku


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