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2016年11月19日 (土)

ぼくのおじさん

■映画「ぼくのおじさん」 錦糸町 楽天地シネマズ

北杜夫の子ども向け小説の映画化。その原作は読んだことがあるような、ないような。気楽に見られそう…という期待で行ってみました。

ストーリーはこんな感じ。
「小学生のユキオ(大西利空)は、『自分のまわりにいる大人について』をテーマに作文を書くことになる。題材探しに苦心していたユキオは、父の弟で怠惰な生活を送り、屁理屈ばかりこねる居候のおじさん(松田龍平)をネタにすることを思いつく。ある日、親戚が用意したお見合いに渋々出向いたおじさんは、ハワイ出身で日系4世の美女に一目ぼれしてしまう…。」(シネマトゥデイ)

公開翌週だというのに、けっこう広い劇場にお客さんは3人だけ。「あら、意外に人気ないのね…」と思ったのだけど、見終わって納得。これじゃあ口コミは期待できないなあ…というのが正直な印象だった。いろんな意味でかなり残念な作品ということになるだろう。

物語の舞台は現代である。携帯電話や消費税、発泡酒…などが出てくることから少なくとも平成の時代だろう。ところが、セリフは原作(1972年)のおもしろさをそのまま生かそうと思ったのか、昭和30~40年代のノリのままになっている。このギャップがなんともいえず落ち着かない。昭和の風景の中で聞いたらおそらくすとんと入ってくる会話のテンポや言い回しが、どう見ても現代の映像の中だと、「今どき、こんなしゃべり方する人いる?」という違和感に変わってしまう。木に竹を接いだような妙な感じが終始つきまとってしまった。

物語の大筋は「寅さん」的な感じだろうか。ダメなおじさんが美女に一目ぼれ。おじさんは勘違いでいい感じになってると思い込むが、案の定、最後はフラれておしまい…という展開だ。まあ、この流れ自体は定番なのでいいと思うのだが、それ以外の細かい部分でも先が読めてしまうところが多い。見ていて意外性がまるでないから退屈である。あえて低刺激のほっこりできる物語…それ自体が昭和風の子ども向け娯楽作品のノリなのかもしれないが、今の感覚で見るとちょっとどうなのよ、とも思ってしまった。もうちょい、エンターテインメント性が欲しかったな~。

また、東京で物語が進行する前半とハワイに舞台が移った後半が、まるで別の話になってしまっている。一粒で二度おいしい…ということなのかもしれないが。また、物語は基本的に主人公のユキオ視点で語られるのだが、ハワイ編になるとちょいちょいユキオのいない場所で話が進んだりする。このへんもちょっと雑な印象を与える。

おじさんの松田龍平は無難。うまくハマってるんだけど、彼の実力とキャラなら出来て当然という役どころでもある。ユキオ役の子役は、ちょっといい子すぎたかな。もう少し子どもらしいやんちゃなところがあったらよかった。キャスティングでは、おじさんの兄(ユキオの父)役の宮藤官九郎がよかった。松田龍平とちゃんと兄弟に見える! 逆に惜しかったのはマドンナ役の真木よう子。彼女の演技そのものは悪くなかったけど、ハワイ出身らしいのびやかさや華やかさが感じられる若手女優で見てみたかった気もした。

(ハワイのくだりは原作にはないらしい。東京だけでも良かったのでは…)
Boji


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