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2017年4月 6日 (木)

はらはらなのか。

■映画「はらはらなのか。」 新宿 武蔵野館

相当前からツイッターのTLでよく目にしていた作品。ネットで予告編も見ていたし、劇場でやってる間に一回は行っておきたいな…ということで。

ストーリーはこんな感じ。
「冴えない子役女優・原ナノカ(原菜乃華)。自分が生まれると同時に亡くなった母・マリカ(松本まりか)に憧れて始めた道だが、オーディションは不合格続きで鬱屈とした日々を送っている。父・直人(川瀬陽太)の都合で田舎町に引っ越してきたナノカは、マリカが出演した舞台の再演とキャスト募集のチラシを見つけ、絶対に主役をやりたい!と事務所にも直人にも内緒でオーディションに挑むが…。」(公式サイトより)

完全にミュージカルということでもないんだけど、歌や踊りで表現される場面がけっこうある。音楽を担当しているチャラン・ポ・ランタン以外にも、吉田凜音さんらが出演していて、その歌がとても大事なシーンになっていたりもする。「映画と音楽のコラボ」をテーマとする「MOOSIC LAB」のコンセプトにも通じる作品だな~という印象。それもそのはず、「MOOSIC LAB 2015」でグランプリを獲得した酒井麻衣監督の最新作なのだ。そのへんの雰囲気が好きな人ならとてもおもしろく見ることができる映画だと思った。

物語は、中学生になったばかりの主人公が悪戦苦闘しながら、自分の進むべき道を見出していく…というもの。そこに家族(親子)というもう一つのテーマが加わっている。主人公のナノカは、親子を題材にした舞台を経験することで、「母がいない」という自らの欠落感を埋めていく。フィクションには現実を変える力がある。そのことを確信できた時、一人の女優が誕生する…。
同時に、本作はナノカを演じた原菜乃華さん自身が、女優になる覚悟を決めたという作品でもある。物語の中でも一人の女の子が女優への一歩を踏み出し、現実でも女優・原菜乃華誕生のドキュメンタリーになっている。虚と実が入れ子になって交錯する不思議な奥行きを生んでいる。

後で監督のインタビューを読んだら、本作に登場する劇中劇は実際に原菜乃華さん主演で公演された舞台であり、それにインスパイアーされて映画の脚本が生まれたのだそうだ。作品の成り立ちとしては、薬師丸ひろ子の『Wの悲劇』に近いともいえる。どちらも“女優誕生”を扱っているところが興味深い。そして、自分はこういう物語が好きなんだな~とも改めて感じた。

主演の原菜乃華さんはまだリアル中学生。当然だけどものすごくフレッシュ! 映画の序盤から後半にかけてどんどん成長していく表現が素晴らしい。ただ、この世代を見る目はどうしてもお父さん目線になってしまうね。作中のお父さん、本当に愛情を注いでいて、ナノカちゃんが嫁に行く時には絶対号泣だろうなあ…と思わずにはいられない。

重要な役である喫茶店店主を演じる松井玲奈さん、先輩役の吉田凜音さんもいい配役だった。そして、チャラン・ポ・ランタンの主題歌がどんぴしゃにハマってたね。欲をいえば、エンドロールのところでもう一発ミュージカルシーン(カーテンコール的な)があれば最高だったんじゃないだろうか。

(3年後くらいにはJK恋愛もの映画にひっぱりだこかな…)
Hara


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