« 寺嶋由芙 @新宿BLAZE(2017) | トップページ | 櫛引彩香 @王子 北とぴあドームホール »

2017年7月13日 (木)

ボンジュール、アン

■映画「ボンジュール、アン」 日比谷 TOHOシネマズ シャンテ

気軽に見られそうな映画ないかな…と探していたらこの作品が目についた。ネットで予告編をさっと見たくらいの予備知識で…。

ストーリーはこんな感じ。
「仕事漬けの映画プロデューサー・マイケル(アレック・ボールドウィン)の妻、アン(ダイアン・レイン)は、ひょんなことから夫の仕事仲間・ジャック(アルノー・ヴィアール)の車に同乗してカンヌからパリに向かうことになる。単なる移動のはずのドライブは、予想に反して、おいしい食事や南フランスの美しい景色を楽しむ充実したひと時となる…。」(シネマトゥデイ)

コッポラ家といえば有名な映画一家。本作の監督エレノア・コッポラは、巨匠フランシス・フォード・コッポラの妻ということになる。1936年生まれだから今年81歳。本作で長編監督デビューしたのが80歳の時だからすごいエネルギーだ。主人公アンの「映画プロデューサーの妻」という設定は多分に自分を投影したものだろうか。

そんな本作は、映像で綴った短編小説、またはエッセイ…といった趣き。カンヌからパリまでのわずか2日間のドライブ旅行を題材に、大人の恋愛未満のちょっとしたトキメキが描かれている。一見「オシャレ映画」というつくりながら、肩の力が抜けているというか、さらっとした粋な味わいに仕上げている。大事件は起こらないけど、旅する二人の微妙な関係から目が離せない。気持ちよく見ることができた。映像もとてもきれいで、観光ロードムービーとしても楽しめたね。

物語はアンの視点で語られていく。舞台はフランス、ドライブの相方はフランス人男性。当然、「アメリカ人の考えるフランス人のイメージ」がこの映画を支えているといっていい。それは何かといえば、ずばり「恋愛体質」であり、「人生を謳歌するスタンス」であり、反面「ちょっといい加減」みたいなところだろう。特に、恋愛については、自分もよく「フランス=恋愛大国」という言い方をするのだが、アメリカ人もほぼそう思っているようだ。そうしたフランス人のイメージが実体化したような存在がジャックということになる。

日本人からすると、アメリカ人もフランス人も「西洋人」と一くくりにしがちだけど、そこにはさまざまな差異があるところがおもしろい。また、フランスという国そのものが持つ歴史や文化の奥行きに対するアメリカ人の憧れみたいなものもあるのかもしれない。アンはジャックを通して「異文化」「異国」に接する旅をしたことになる。彼女は大学生の娘がいるくらいだからおそらく年齢は50代。しかも既婚者。そんな落ち着いた大人の女性の心が動かす仕掛けとしてはよく出来ていると思った。

その一方で、その「アメリカ人の考えるフランス人のイメージ」をフランス人自身はどう思うのだろうか。やはり、ステレオタイプだと感じるのだろうか。あるいは、多少誇張はあるけど大体あんなもんだよと受け止めるのか。これもちょっと興味あるね。

視覚的な部分では、要所々々でアンが撮影する写真を「静止画」としてインサートしていく手法がスマートに決まっていた。決して珍しいテクニックではないけど、使い方がこなれている。また、カメラそのものも小道具としてうまく生かされていた。小品ながら印象的な映画。見終わって疲れないところもいい。

(車の故障で川べりの昼食。アンの機転がなかったらどうするつもりだったのか…)
Bon


« 寺嶋由芙 @新宿BLAZE(2017) | トップページ | 櫛引彩香 @王子 北とぴあドームホール »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/89663/65528202

この記事へのトラックバック一覧です: ボンジュール、アン:

« 寺嶋由芙 @新宿BLAZE(2017) | トップページ | 櫛引彩香 @王子 北とぴあドームホール »