2009年6月27日 (土)

守護天使

■映画「守護天使」 新宿 角川シネマ

ちょうど角川映画の招待券があったので見てきました。監督があの「キサラギ」の佐藤祐市監督…ということで、期待するなといわれてもハードルは上がってしまいますよねぇ。

ストーリーはこんな感じ。
「通勤途中の駅で一日の小遣い500円を落としたサラリーマンの須賀(竹山隆範)。拾ってくれた優しい女子高生の涼子(忽那汐里)に一目ぼれした須賀は、勝手に彼女を守ることを決意。しかし、勤務先のNPO支援塾で担当する引きこもりの大和(與真司郎)が見つけたブログには、彼女が書いたらしいみだらな日々がつづられていて…。」(シネマトゥデイ)

一言でいえば釈然としない映画。出演者や演出のテンポなどは悪くないと思ったので、問題があるとすれば脚本だろうか。
まずは、「彼女を守りたいんだ!」という主人公の気持ち。とにもかくにも、それがこの映画の推進力であるはずだ。しかし、物語を追っていっても「なぜ守りたいのか」がいまいち弱くないだろうか。過酷な奥さんに支配された家庭やパッとしない仕事…など、とにかく日常を忘れたかったんだろうな、というのは分かるんだけど、それが「守りたい!」に飛躍する瞬間がよく分からない。
もっと分からないのは、幼馴染の村岡や引きこもりの大和が主人公に協力するようになる動機だろう。金儲けでも借りを返すでもいいんだけど、そういった彼らならではの「彼女を守る」ことへのモチベーションがないまま危険な救出活動を手伝うというのは、これまた釈然としない点である。こうした「動機づけ」や「それぞれの背景」がしっかり描かれていたら、主人公たちにもっと共鳴しながら見ることができたのではないだろうか。
釈然としない展開は、少女が誘拐されてからも続く。普通ならまず警察に通報だろう。それをしないためには、「警察で取り合ってもらえない理由」とか「警察に通報できない理由」がなくてはならない。物語を思い返してみてもどちらもなかったような…。
ラストでも「???」な展開はある。ウィークリーマンションの犯行現場に機動隊みたいな警官隊が突入してくるところだ。誰が通報したんだろう? 村岡か大和だろうか。このへんも描くならはっきりしておいてほしいところだし、血痕や指紋が残りまくってるはずなのに、「おまえらのことは何とか誤魔化しといた…」で済むとも思えないよな…。と、まあ釈然としない状態はラストシーンまで続くのであった。
出演者が、主人公のカンニング竹山をはじめみんな好演だっただけに、なんとも惜しい感じの印象である。

(「キサラギ」の監督に「アフタースクール」の佐々木蔵之介…知的ミステリの快作の残像があるスタッフが多かっただけに期待が先行しすぎたかな…)
Shugo2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月24日 (水)

天使と悪魔

■映画「天使と悪魔」 渋東シネタワー

東宝の劇場招待券を使って見てきました。錦糸町の楽天地でやってる「剣岳」との二択だったのですが、この日はエンターテインメントに徹した映画の方が見たい気分だったので。

ストーリーはこんな感じ。
「宗教象徴学の権威、ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、秘密結社・イルミナティの復活を探るべくローマへ旅立つ。17世紀、バチカンの科学者への弾圧の陰で結成されたイルミナティが、今にも教皇候補の暗殺を計画しているという。ラングドンと科学者ヴィットリア(アイェレット・ゾラー)は、ガリレオの暗号コードの解明に乗り出すが…。」(シネマトゥデイ)

話題になった「ダヴィンチ・コード」の続編ということだけど、前作映画も原作もまったくの未見。でも、見た人のレビューなどを読むと「予備知識なしでも楽しめる」とあったので、そのへんはあまり気にせずに。
見終わっての感想としては、非常に豪華なハリウッド版2時間サスペンス、という感じかな。要するに、金田一耕助→トム・ハンクス、どこかの田舎の村→ローマ、村を支配する旧家→バチカン、伝説のわらべ歌→イルミナティの暗号…みたいな変換で、予告された連続殺人を阻止するために素人探偵が奔走するという筋書き。最後は大どんでん返しと種明かしで、洋の東西問わずエンターテインメント・サスペンスの基本は同じなんだなと実感させられた。まあ、おもしろかったですよ。(^v^)
ただ、やはりハリウッド映画だけあって、映像は非常に豪華。バチカンの広場を埋めた大群衆とかは実写なのかCGなのか。また、ローマ・カトリックといえば世界中に信者がいる大宗教なんだけど、その内部にも悪いヤツがいた…的な大胆な設定。まあ、たかが娯楽映画にいちいちクレームつけるほどバチカンも子供じゃないんだろうけど、日本だと「不謹慎」と言われるのを気にしてしまうような話をよく作ったな…というのには感心した。
あと、個人的に好印象だったのは、ストーリー展開に「超自然的要素」がまったく入ってなかったところだろうか。唯一、「反物質」というのが現代の科学ではまだ出来ないものだけど、まああれは超小型の核爆弾でもいいわけだし。妙な霊だとかが出てこないで、最後まで正しいのも悪いのも人間なんだ…という合理精神で貫かれてたところは良かったと思った。

(ユアン・マクレガーはどうしてもオビ=ワン・ケノービに見えてしまいます。※写真はトム・ハンクス)
Ten2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月15日 (金)

スラムドッグ$ミリオネア

■映画「スラムドッグ$ミリオネア」 錦糸町 TOHOシネマズ

アカデミー賞作品賞などを獲得した話題の映画。舞台がインドで、題材が「クイズ・ミリオネア」…というあたりがおもしろそうかな、と思って見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「テレビ番組『クイズ$ミリオネア』に出演し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、ムンバイのスラム街で育った少年が正解を知るはずがないと不正を疑われ逮捕される。ジャマールになぜこれほどの知識があり、この番組に出演するに至ったのか。警察の尋問によって、真実が明らかになっていく…。」(シネマトゥデイ)

たしかに評判通りのおもしろさ! いろんな意味でうまい映画だな~と思わせられた。緊迫したクイズのシーン、警察での取り調べシーン、そして主人公の回想シーン…。この3つの場面がテンポ良く展開し、最初から最後まで一気に見せられてしまう。インドの土地と人々が生み出す熱気、混沌、スピードをふんだんに感じさせ、同時に映画作品としてもものすごく洗練されているのだ。
このストーリー、冷静に考えてみれば、「主人公がたまたま答を知っている問題ばかりが出た」という究極に都合のよい話、できすぎた話である。ところが、ジャマールの回想を追って物語の世界に入り込んでしまうと、それがとてもご都合主義とは思えない魔術的なリアリティーを伴って感じられるようになってくる。脚本が上手いともいえるし、舞台が何でもありのインドだから…という効果もかなり強く作用しているともいえる。映画の後半になると、たぶん結末はハッピーエンドだろうなとある程度予想できていても、むしろクイズの結果以外の部分での主人公たちの運命が気になってスクリーンから目が離せなくなるのである。
見終わって感じたのは、当初のイメージだった「無学な若者がクイズ番組で億万長者になる話」がこの映画の芯ではない…ということだった。このストーリーの最も深い部分を支えていたのは、実は「対照的な運命を辿る兄と弟の物語」ではないのだろうか。
日本にも海彦山彦の話があるように、性格の違う兄弟を題材とする話は世界各地にある。神話やサーガに登場する兄弟の物語は私たちにも親しみ深く、いわばエンターテインメントの基本ともいえるものだ。そう思うと、本作が舞台にしたインドという土地は、神話的、寓話的な物語がこれほどハマる場所もないような気がしてくる。登場人物たちの数奇な運命、とりわけ明暗がくっきり分かれた兄弟の人生…。シンプルで力強い物語の構造が底辺にあるからこそ、この映画はテレビのクイズショーというある意味で軽い題材を扱っているにもかかわらず、奇をてらわない正攻法の作品になっているような気がするのである。

(土地柄で問題を難しいと感じる基準も違うのでしょうが、大金がかかった最後の問題、日本なら4、5問目に出る難易度じゃないですかね?)
Sl01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月17日 (金)

鑑識・米沢守の事件簿

■映画「鑑識・米沢守の事件簿」 錦糸町楽天地シネマ

「相棒」は「劇場版」を見てから、TVドラマの方もちょいちょい見るようになりました。テレ朝の刑事ものって、やっぱ安定してるわ~。けっこうおもしろいですよね。というわけで、これはそのスピンオフ映画です。

ストーリーはこんな感じ。
「爆弾テロ予告が起こった東京ビッグシティマラソン。鑑識課員の米沢(六角精児)は、マラソン大会の参加者の中に自分の逃げた女房を見つける。特命係の右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)がテロの犯人を追う中、米沢は逃げた女房と思われる女性の死体が発見されたという知らせを受けるが…。」(シネマトゥデイ)

「相棒・劇場版」のスケールの大きさに比べると、明らかに予算は使ってない感じで、画面の派手さはないんだけど、これはこれでおもしろかった…というのが素直な印象。本来脇役である米沢が名推理を披露してしまうとそれも変な話なので、活躍ぶりがほどほどなところも、シリーズとしてのバランスがよく考えられてるのではないだろうか。
この映画では米沢の「相棒」として、元妻を何者かに殺された所轄の刑事・相原(萩原聖人)が登場する。頭に血が上った相原は、推理どころじゃない突撃捜査ばかりを繰り返して失敗し、観客をイライラさせる。杉下右京警部のクールでロジカルな推理に慣れている相棒視聴者としては当然の反応なんだけど、その相原をうまくサポートして事件解決に導く役割を果たすのが米沢なのである。つまり、地味な活躍ぶりではあるがちゃんと主役としての華も持たせてもらっている。スピンオフ映画としては非常にいい感じの雰囲気だったと思った。
確かに、「この程度なら2時間ドラマ枠で十分」という意見もあるだろうが、ある程度のおもしろさが保証されているこの種の作品というのも映画というジャンルには必要なのではないだろうか。ただ、「相棒シリーズ」自体がまったく未体験という人にとっては、ファンサービス的な部分のおもしろさが伝わらないだろうから、その分多少評価が厳しくなるかもね。

(本作もテレ朝らしく官僚の天下り問題、特殊法人問題などを鋭く盛り込んでたりします)
Yone

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年4月11日 (土)

REPO! レポ

■映画「REPO! レポ」 渋谷シネマライズ

たまたま予告編を見て、おもしろそうかな…という気がしたので。退廃かつ耽美的な映像とロック・オペラというあたりがひっかかったポイントだったりします。

ストーリーはこんな感じ。
「死に至る奇病が流行し、世の中がパニック状態にある近未来。17歳のシャイロ(アレクサ・ヴェガ)は生まれながらの難病を患い、父親に外出を禁じられ一度も外の世界に出たことがなかった。そんなある日、彼女は医療会社ジーン社の社長ロッティ(ポール・ソルヴィノ)の甘い言葉に誘われ、禁断の外界へと足を踏み出してしまう。」(シネマトゥデイ)

最初から最後まで、いろんな意味でぶっとんでる映画。雰囲気はすごく気に入った。ただ、物語のストーリーが近未来の人工臓器の売買や人体改造…などを扱っているので、血みどろのグロいシーンが延々と続いたりする。血を見たり切り刻んだりするのがイヤ…という人にはその段階でお勧めできない感じだけど、描き方自体はあまりリアルではなく、グロやホラーには比較的弱い体質の私が見てもそれほど抵抗感はなかったので、さらりと流せばいいのかなという感じでもある。
むしろ注目したのは、やはり映像美とロック・オペラという部分だろう。これはかなりよく出来ているのではないだろうか。薄い紗がかかったような画面はお耽美でファンタジーなムード満点。ディテールまで作りこんだセットやCG、衣装などは見事としかいえない。ゴシック好きな人なら間違いなく気に入ると思う。また、セリフの90%以上がミュージカル・ナンバーで綴られ、このスコアもなかなか雰囲気があって気に入った。レチタティーボというよりちゃんと歌になってる部分が多いのが良いし、異なる歌詞・メロディーを重層的に歌うなどのテクニックも随所で使われており本格的だ。全体のムードを一言でいうなら、「ブレードランナー」の世界で展開される「エリザベート」というところだろうか。
主演のアレクサ・ヴェガはロリータな雰囲気がよく、全体のムードにとてもハマっている。おどろおどろしい世界に咲いた一輪の花であろうか。また、個人的には「案内人」役のテランス・ズダニックがカッコよく気に入った。「エリザベート」のルキーニ的なポジションだ。サラ・ブライトマンもゴージャスだったし、パリス・ヒルトンをはじめとするその他の配役も非常に適役だったと思う。
興業的にはやや苦戦してるみたいだけど、ロック好きやゴシック好きの人にもっと見られてもいいような気もする。たしかに血みどろのシーンが多いので女性誌などでプロモーションしにくかったのかもしれないけど…。
ところで、この映画のような耽美&ゴスな雰囲気のロック・オペラは、やはり西洋人の容姿や英語(欧州系言語)がぴたっとハマるわけで、日本映画ではなかなか難しいのかな…と思いながら見ていたのだけど、後で思い出した作品がある。1980年代中盤に制作された「星くず兄弟の伝説」(監督:手塚真)だ。まともに勝負するのは無理でも、あの方向性なら日本人でも可能性があるのでは…とふと思った。

(音楽プロデューサーはYOSHIKIが担当。サントラ盤とか出てるのでしょうかね)
R0

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年3月17日 (火)

ホノカアボーイ

■映画「ホノカアボーイ」 恵比寿ガーデンシネマ

かなり前に予告編を1回見た程度の予備知識。たまたまガーデンシネマの招待券を持ってたのと、なんとなくのんびりした映画が見たい気分だったので行ってみました。

ストーリーはこんな感じ。
「“伝説の虹・ムーンボウ”を探し求め、道に迷った末にハワイ島の町・ホノカアにたどり着いたレオ(岡田将生)。半年後、恋人にフラれたレオは、大学を休学し、そのホノカアの映画館で働くことになる。不思議な魅力に吸い寄せられるように再びやって来た町で、レオは風変わりだが心優しい人たちと出会う。」(シネマトゥデイ)

前半は淡々と進む。セリフは少なく、中高年の日系人がたくさん住むハワイの眠ったような田舎町の描写が続くだけだ。タイトルに「ボーイ」とついてるし、主人公が大学生の若者だったりするので、なんとなく青春映画的なものをイメージしていたら見事に裏切られるだろう。そう、この映画はなんと「高齢化社会」を描いた映画だったのである。
この映画には、ハワイの美しい景色や小ぎれいな町並、お洒落でかわいい雑貨、おいしそうな料理…などがたくさん出てくる。表面的に見ると「かわいい」「お洒落な」映画という感じだけど、それはまさに表面だけのことだ。舞台を日本のどこかの田舎のシャッター商店街などに移し替えてみたら、けっこうシブい作品になっているはずである。この映画は世界中どこにいても、そして誰にでもやってくる老いを力を抜いて描いている。この「力を抜いて」というところが個人的には良いと思った。
物語は中盤くらいから動きが出てきておもしろくなる。主人公に同年代のガールフレンド(?)ができるあたりからだ。それまで見えてるようで見えてなかった登場人物の心、特にレオに毎日食事を作ってくれる親切な老婦人ビーさん(倍賞千恵子)の気持ちが分かってくるあたりが何とも切ない。
主人公(岡田将生)は女心が分かってない、でも純朴な青年という雰囲気は出てたと思った。いかにもハワイにいそうな体型に仕上げた(?)松坂慶子、新鮮な長谷川潤も良かった。エロ爺さん役の喜味こいし師匠は最後に役得シーンありです。(^v^)

(異なる世代間が接する機会って現実には意外にないですよね。高齢化社会となるとその重要性は高まるような気がするのだけど…)
Ho

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年3月 6日 (金)

罪とか罰とか

■映画「罪とか罰とか」 テアトル新宿

「グミ・チョコレート・パイン」でいい感じだったケラリーノ・サンドロヴィッチ監督+主演が成海璃子さんということで見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「万引きで捕まったことからなぜか一日警察署長をやるはめになった、B級グラビアアイドルのアヤメ(成海璃子)。そこで、刑事として働く元恋人の春樹(永山絢斗)に再会。何と春樹は殺人鬼で、この日も恋人(佐藤江梨子)を殺していた。しかし、今でも春樹を思うアヤメは、目撃者(段田安則)から受け取った証拠の品を隠そうとする。」(シネマトゥデイ)

いちおうコメディー仕立てだけど、素直に「楽しかった~」というのとは違う作品。個人的には間違いなくおもしろかったし、最初から最後まで目が離せなかったんだけどね。前評判どおり全編かな~りブラック。奇妙な、ある種の気持ち悪さを伴ったおもしろさ…という感じだろうか。
最初、バラバラに登場する何組もの人々。けっこうシュールで舞台的な演出にニヤリとさせられながら見ていくうちに、次第にあちこちで起きている一見脈絡のなかった出来事が一本の線でつながってくる。このあたりの流れは普通によく出来てる印象だけど、やはりこの映画の見どころは舞台系出演者のハイテンションな演技だろう。犬山イヌコ、山崎一、段田安則、大倉孝二…と曲者ぞろい。奥菜恵、安藤サクラ、市川由衣…などの女優陣も存在感十分だ。
主演の成海璃子も良かったよ。初めは、この不条理ワールドに入り込んだ観客が感情移入するための「普通の人」の役かな…と思ってたらとんでもない。彼女自身相当ヘンテコなキャラである。いや、この奇妙な世界の毒を吸い続けてるうちにだんだん染まっていった…というべきか。それでも終始かわいらしく魅力的な彼女。ファン的にもたっぷり見られて良かったんじゃないだろうか。

ところで、この映画で描かれている不条理ワールド(といっていいのかな?)は、タイトルにある「罪とか罰とか」が徹底的に相対化された世界である。たとえば人殺し。現実の世界では、それは絶対的な罪であり、許されないものだろう。しかし、この映画はその絶対的な価値観、といえば聞こえは良いが、要するに思考停止しているだけの我々の意識に揺さぶりをかけてくる。
この映画の登場人物たちは、人を殺した事実よりも彼氏を失いたくない気持ちの方を優先してしまったり、他にもいっぱい悪いことやってるヤツいるんだし…で済ませてしまったりする。我々はそれを見て違和感を覚える。しかし、違和感を覚えるのは本当に人殺しが悪いことだと思っているからなのか。そういうものだと思っているから、というだけではないのか。
だいたい、普通は誰でも人殺しはしたくないものだが、それは人殺しが悪いことだからではなく、自分が罪の意識に苦しめられるのが嫌なだけではないのか。罪の意識さえなければ、人殺しも軽くできてしまうのではないのか。劇中のセリフに「戦争で何万人も殺した人は英雄と言われるわ」とあるように。
罪とは、そして罰とは何なのか。この映画を見て違和感やある種の気持ち悪さを感じるのは、たぶん我々が普段まったく疑わない絶対化された価値観、思考停止した意識を無理やり揺さぶられるからではないのだろうか。

(こういう日常に揺さぶりをかける手法ってまさに演劇的という感じがします)
Tsumi

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年2月20日 (金)

少年メリケンサック

■映画「少年メリケンサック」 錦糸町 楽天地シネマズ

このタイトルが何を意味するのか、最初まったく分からなかったのですが、「少年メリケンサック」というバンドが出てくる…と聞いてすぐに納得。少年ナイフのモジりだったんですね。というわけで、音楽映画っぽいのを期待して見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「レコード会社に勤めるかんな(宮崎あおい)は、動画サイトでイケメン4人組のパンクバンド“少年メリケンサック”のライブ映像を発見。彼らと契約すべく会ってみると、メンバーは50歳過ぎのオヤジ。彼女が見つけた映像は25年前のものだったのだ。予想外の事態に困惑するかんなだったが、バンドの全国ライブツアーに同行するはめになる…。」(シネマトゥデイ)

全体的にはいまひとつ…という印象。まあ、細かい部分でおもしろかったりはするんだけど、「楽しかった~」と素直に言い切れない出来という感じだろうか。
支持者の多い宮藤官九郎脚本・監督作品なのだが、個人的にはクドカンの笑いは終始ツボにハマらなかった。また、今や国民的女優とまで言われてる宮崎あおいについても、この作品についてはそつなくこなしてる印象しかなかった。これなら別に貫地谷しほりでも綾瀬はるかでも良かったような気がする。結局、彼女の役は狂言回しでしかないから、ほとんど印象がないのである。かんなの成長を描いてる部分もあるけど、それが主題なのかどうかもよく分からない。結果としてインパクトが薄い感じである。
むしろ、主役は少年メリケンサックの中年メンバーたちのようにも見える。が、こっちもなんとなく不完全燃焼である。基本コメディーでエンターテインメント映画なんだから、やはり最後はスカッとしたい。最初はグダグダだった再結成バンドが、しだいに上昇していくプロセスもイマイチ分からなかったし、クライマックスがTV出演というのも微妙である。あれだけ、「奇跡を見せてやる!」と言ってたんだから、やはり最後は奇跡の熱狂ライブにならないと…。また、佐藤浩市、木村祐一などメンバーの人選もこれでよかったのか。田口トモロヲは雰囲気あったけど…。
もちろん良かったところもある。それは、繰り返し出てくる25年前のシーンに登場する配役が、現在のシーンの出演者の雰囲気に非常に似せてあって違和感がまったくなかったこと。特殊メイクとかじゃなく、あれだけ雰囲気を出せたのはキャスティングした人のセンスの良さだろう。ここは普通に感心した。
最近のバンドを扱った映画と言うと「デトロイト・メタル・シティ」があったけど、個人的にはバカバカしさ、単純なオモシロさで「DMC」に軍配を上げたいという気がした。

(演奏シーンも多いので音響の良い映画館で見ることをお勧めします。楽天地はその意味ではあまりこの作品にはふさわしくなかったかな…)
Sm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月 8日 (日)

チェ 39歳 別れの手紙

■映画「チェ 39歳 別れの手紙」 渋東シネタワー

「チェ 28歳の革命」に続く後編が公開されたので見てきました。

内容はこんな感じ。
「1959年にキューバ革命に成功した後、国際的な名声を得たチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)。しかし、ゲバラは変装した姿で家族と会い、最後の食事を済ませると、急に姿を消してしまう。そしてラテンアメリカの革命を目指しボリビアを訪れる…。」(シネマトゥデイ)

革命後のキューバでの要人としての地位を捨て、新たな戦いをめざすゲバラ。この映画はゲバラが南米ボリビアに潜入し、ゲリラ部隊を率いて戦った約1年間を、前編同様のドキュメンタリータッチで追った作品だ。
ただ、前編が後の国連本部での演説やニューヨークでのアメリカ人記者によるインタビューなどを交えてゲバラの思想や人物像を言葉で伝えようとした部分があったのに対して、後編の方はひたすらボリビアの山岳でのゲバラの戦いぶりだけをこと細かに描くことに徹している…という違いがある。
また、映画全体の展開も、前編がわずかな人数から徐々に仲間を増やし、最終的に首都を陥落させ革命を成就させる…という高揚感に満ちたものだったのに対し、この後編では相次ぐ戦闘でしだいに部下を失い、また農民や民衆からも孤立し、先の見えない状況の中で後退を続ける、といった閉塞感漂うものとなる。最後の戦闘で捕虜となったゲバラは、小さな寒村でボリビア政府軍によって銃殺される。
2作を通して見て強く印象に残るのは、やはりゲバラという一人の人間の存在感だろう。特に、何のためにそこまで戦うことにこだわったのかを考えさせられるはずだ。当時の状況の中でゲバラほど戦った者はいなかった。つまり、状況がゲバラを戦わせたわけではなく、ゲバラ自身の中に戦いに向かわざるをえない何かがあったのだということになる。
2本の映画はそれが何だったのかということについては何も語っていない。ただ、ゲバラがどのように戦ったのか、そしてどのようにして死んだのかだけを描いている。答を見る者に投げかけているという意味では、劇映画ではあるが限りなくドキュメンタリーに近いスタンスの作品といえる。
個人的には、書物で読んだだけで一通り理解したつもりになっていたゲバラ像が、この2本の映画を見ることによってモノクロからカラーの映像に変化したような気がした。やはり活字だけではゲリラ戦の実態はピンとこない部分がある。彼らがどんなジャングルで過ごしたのか、銃撃戦だけではなく食料を調達したり怪我人の治療をしたり…ということもまたゲリラの日々なのだ、ということに映像を見ることで改めて気づかされたのだった。その上で、ゲバラはなぜそんな戦いの中に身を投じていったのかを考えながら、もう一度書物を読むといいのかもしれない。

同時に、隆盛の前編から衰亡の後編へ…というトーンの変化には、平家物語やローマ帝国の興亡史などを見るような人間ドラマを感じるのも確かである。映画はメッセージよりもドラマだとするならば、ただその変化に心を震わせられたとしても、それもまた正しい見方ではないだろうか。

(とても娯楽作とはいえない内容にもかかわらずお客さんは意外と多かったです)
Ch

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009年1月26日 (月)

プライド

■映画「プライド」 渋谷シアターN

ステファニーさんのイベントで「最近はずっと映画の撮影に入ってたんですよ…」みたいな話を聞いたのが昨年(2008年)4月のこと。その時撮っていた作品がこの「プライド」…というわけで見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「名門の三田音大4年生の史緒(ステファニー)の住む豪邸に、ハウスクリーニングのアルバイトで、二流大学である千住音大3年生の萌(満島ひかり)が訪れる。自分の部屋にグランドピアノがあるほど裕福な史緒は、萌に5万円のオペラのチケットを渡してオペラに出かける。会場で格差を思い知った萌は思わず激しい嫉妬を史緒にぶつけてしまうが…。」(シネマトゥデイ)

育ちも性格もまったく対照的な2人の女性が、歌に恋愛に火花を散らす。舞台は華麗なクラシック音楽(オペラ)の世界や一流財界人が集まる銀座の超高級クラブなど。そこで展開するストーリーはまさしく昼ドラな感じのドロドロな女の戦い…。
見終わって最初の感想は、「こ、濃かった~(^v^;;」…という感じだろうか。物語自体もドラマチックで強烈だし、印象的なセリフやたくさんある歌の場面など、ある意味で見せ場の連続。最初から最後までもう一気ですよ(終わったらぐったり…)。
そんなこの作品をとりわけ強力にドライブしていたのが、萌役の満島ひかりさんの好演(怪演?)であることは間違いないだろう。一見可憐な少女風、でもその内面には激しい上昇志向とそれを邪魔する者はことごとく打ち倒す残忍なまでの攻撃性を秘めた萌。満島さんのそんな萌になりきった演技は、見てるこっちまで怖くなってくるくらいだった。また、歌の場面でも、ダイナミックな歌唱力を持つステファニーさんと堂々と渡り合っている(さすがにオペラの歌曲は吹き替えだけど)。Folder5当時はあまりシンガーとしてイメージしたことのなかった彼女だけど、歌える女優という期待での起用に十分応えていたのではないだろうか。
史緒役のステファニーさんも予想以上。役者としては素人だから演技がぎこちないのは仕方ない。でも、そのぎこちなさがうまく世間知らずのお嬢様っぽさに見えたところが良かった。もちろん歌の場面は本職らしく自信たっぷりに歌っていて聴き応えがあった。また、及川光博氏の御曹司、高島礼子さんのクラブママ…をはじめ脇の配役も適役が多かったと思う。
ちなみに原作は未読だけど、少女マンガ界の大御所、一条ゆかりさんの同名作品である。いや~、少女マンガって凄いわと改めて思った。同じライバル同士の戦いを描くものでも、少年マンガのスポ根ものなんて、この世界に比べれば「単純バカ」でしかない。こういうのを読んで大きくなってる女子にアホな男子が勝てるわけないのである。(^v^;;

(ステファニーさんは声楽家っぽいスタイルでリアリティーあったかも)
Pr2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月23日 (金)

チェ 28歳の革命

■映画「チェ 28歳の革命」 渋東シネタワー

ゲバラについては、以前「チェ・ゲバラの遥かな旅」(戸井十月)という評伝小説を読んだことがあります。そのゲバラの半生が映画化されたというので見てきました。作品は前後篇に分かれており、今回見たのは前篇の方です。

内容はこんな感じ。
「1955年、貧しい人々を助けようと志す若き医師のチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)は、放浪中のメキシコでフィデル・カストロ(デミアン・ビチル)と運命的な出会いを果たす。キューバの革命を画策するカストロに共感したチェ・ゲバラは、すぐにゲリラ戦の指揮を執るようになる。」(シネマトゥデイ)

本作はゲバラがカストロとともにキューバに上陸を果たし、およそ2年間のゲリラ戦を戦い抜いて首都ハバナに入城するまでを描いている。映画はドキュメンタリータッチで、前半から中盤は山岳やジャングルを舞台にした地道なゲリラ活動の様子を映し出していく。終盤になると都市での市街戦などが描かれるが、いずれも戦争映画的な派手な演出とは無縁なものである。娯楽性はほとんど考慮されていない感じで、いわゆる「おもしろい映画」ではまったくない。
しかし、個人的にはこの雰囲気の作品にしたことは正解ではないかと思った。英雄ゲバラによる革命戦争の勝利、それをドラマチックにエンターテインメント性豊かに描いてしまったら、おそらく単なるキューバ革命のプロパガンダ映画っぽくなってしまい、非常に奥行きの浅いものになったはずである。
この映画はアメリカ・スペイン・フランスの合作であり、これらの国はいずれも植民地を持った帝国主義国であった。この映画は彼らがゲバラという第三世界の代表的な革命家・思想家、つまり彼らにとって異質なものを理解しようという一つの試みであるようにも思えた。
本作ではキューバでのゲリラ戦のシーンと並行して、後年革命キューバ政府の代表として国連総会に出席するためにニューヨークを訪れた際の様子(国連での演説や記者との一問一答など)が途中で何度もインサートされる。キューバの森の中でのゲバラはひたすら行動の人であるが、ニューヨークでの彼は今度は圧倒的な言葉の人となる。ゲリラ戦での行動と後年ニューヨークで語った言葉。それらを組み合わせて初めてゲバラの思想、世界観、そして彼の人間性が浮かび上がってくるのである。
個人的には、ある程度の予備知識もあったため、序盤にやや退屈さを感じたものの、中盤以降は非常に興味深く見ることができた。特にゲリラ戦のリアルさは出色のもので、小銃や機関銃を撃ち合うだけの地味な戦いにかえって真実味があったと思う。
また、軍規を乱した兵士を処刑する場面、志願してきた住民への対応、兵士に読み書きや計算を教える場面…などにはゲバラやカストロの理想主義が強くにじみだしていた。戦いに勝つことだけでなく、あの山岳のジャングルの中ですでに彼らは新たな「国づくり」に取り組んでいたのである(カストロはキューバがアメリカの言いなりになったのは民衆の無学に原因があると考えていた。そのため革命後のキューバはラテンアメリカではトップクラスに基礎教育が普及した国となった)。
逆に、ゲバラについてまったく知らないという人にとっての「入門編」にはなりにくい映画だとも感じた。ゲバラについてだけでなく、できればキューバの歴史についてもある程度知っておいた方がいいような気もする。特にバティスタ政府とアメリカとの関わりなど、キューバ革命の背景となった事実についての説明は非常に少ない。そういう意味では「中級者以上向け」の作品ということになるだろう。

(日本の明治維新でも志士の多くは20代の若者だったわけです)
C2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年1月10日 (土)

K-20

■映画「K-20 怪人二十面相・伝」 新宿バルト9

昨年から予告編などを見て、おもしろそう…と思っていた作品。監督・脚本は佐藤嗣麻子さん。その昔「エコエコアザラク」などが印象的で、けっこう好きなクリエイターの1人です。

ストーリーはこんな感じ。
「極端な格差社会の架空の都市“帝都”では、富裕層のみを狙い、美術品や骨董品を鮮やかに盗み出す“K-20”こと怪人二十面相が世間を騒がせていた。ある日、サーカスの曲芸師・遠藤平吉(金城武)は、財閥令嬢・葉子(松たか子)と名探偵・明智小五郎(仲村トオル)との結納の儀に潜入して写真を撮ってくる依頼を引き受ける。」(シネマトゥデイ)

これは期待通りの楽しい作品だな~。とにかくテンポがいいし、アクション、コンゲーム、ミステリ…などさまざまなエンターテインメント映画のエッセンスをちりばめながらも、決して散漫にならず一気呵成に見せていく感じ。キャストもなかなか豪華だし、最初から最後まで素直におもしろかった。
…とまあ、娯楽作品だから感想はそれくらいでもOKなんだろうけど、もう少しだけ振り返ってみると、実はこれ「2次創作」であることに気づく。そう、本作は明智小五郎と怪人二十面相…という江戸川乱歩の有名な世界、キャラクター設定をベースにまったく別の物語を構築している作品なのだ。同人、マニア、オタクなどの世界では一般的だった「2次創作」という楽しみを、東宝という超メジャーがけっこうなエンターテインメント作品に仕立て上げた。やはり、このところの日本映画界では連戦連勝の東宝、おもしろいものへの感度が高い…というべきだろうか。
そんな2次創作作品だから、当然元になってる世界を知っておいた方がより楽しめるのはいうまでもない。最近の10代や20代がどの程度乱歩作品を体験してるのかは分からないけど、私たちのようなオヤジ世代は少年時代に必ずこのへんは通過している。だから、小林少年に加えて「少年探偵団」や「BDバッジ」が登場するカットなどでは思わずニヤリとさせられるわけである。
また、実はこの映画、けっこういろんな娯楽映画に対するオマージュといえる要素も盛り込んでつくられているのかもしれない。アクションが「スパイダーマン」っぽいというのは大方の指摘だろうけど、私の見たところ、宮崎アニメからの引用と思われるシーンもけっこう目についた。具体的には「カリオストロの城」や「ラピュタ」などで、アニメファンなら当然気づいていることだろう。また、嶋田久作氏をワンシーンだけ起用しているのは「帝都物語」を意識してのこと…という気もする。映画に詳しい人が見れば、もっと出てくるのではないだろうか。全体が2次創作でもあり、こういうのはたぶん意識的にお楽しみ要素として入れてるんだろうと思う。
やはり佐藤嗣麻子監督、ただ者ではない。

(遠藤が建物をこえてどんどん走るのは「フリーランニング」っぽかったですね)
Kt

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月28日 (日)

スターウォーズ・プリークェル・トリロジー(DVD)

■「STAR WARS Prequel Trilogy」

「スターウォーズ」新三部作のDVDボックス。廉価版がリリースされたので、さっそく購入してみました。アマゾンで4300円強だったので、1作当たり1500円しない計算に。確かにお手頃です。3作がそれぞれ単独で発売されてた時にも買おうかと思ってたのですが、「そのうち安くなるはず…」としつこく待ってたかいがありました。「正月の時間のある時にじっくり見よう…」という計画はどこへやら、いざ手元にくるとガマンできずにすぐに見てしまいましたよ。(^v^;;

さて、この「プリークェル」の特徴は、活劇シーンはもちろん満載なんだけど、物語の背景が非常に複雑化してて、誰が誰と何のために戦ってるのか…がいまいちよく分からないことではないだろうか。非常に単純明快だった旧シリーズと比べるともう歴然としている。
劇場公開時にも、そのあたりがいまいち判然としなかったんだけど、主人公たちの活躍に引っ張られて楽しく見てたというのが実情だった。もちろん、それはそれでおもしろいんだけど、こうしてDVDで細かく見直すと、「もっと物語設定の背景を知りたい…」と思うようになる。
そこで、先日ウィキペディアの関連項目を1時間以上かけて読み漁り、やっと全体像が分かりました(遅すぎですよね)。要するにクローン大戦とかいろんな大事件が次々と起こってるんだけど、全部パルパティーン議員(=ダース・シディアス)が書いたシナリオだった、ってことなのね~。うーむ、そうだったのか…。
で、読み進むうちに、映画では善玉とずっと思ってた「共和国」が、実は官僚制が横行して体制が腐敗し、辺境星系に重税を課して自由貿易を阻害していた…的な記述にひっかかった。つまり、共和国というのは、いわゆる「旧体制」なんじゃないのか。それに反旗を翻した通商連合や分離主義者は「改革派」で、そのリーダーだったドゥークー伯爵は悪玉扱いだが、見方によっては旧体制を正そうとした「改革派の闘士」なんじゃないか。だとするとジェダイは…。
このあたり、旧体制と革命勢力が争っている間隙を突いて独裁者が現れる…という、なんだか地球の19~20世紀の歴史に近いものがあるような気もする。まあ、ざっと読んだだけなので細かいことは分からないんだけど、このスターウォーズの宇宙の歴史を政治学的に分析した本とかあったりしたらおもしろそう…という気はした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月13日 (土)

レッドクリフ Part1

■映画「レッドクリフ Part1」 新宿ピカデリー

有名な「三国志」から「赤壁の戦い」のエピソードを映画化。日本のエイベックスも制作に絡んでる関係で中村獅童氏が出演してたり、主題歌がalanさんだったりするわけです。

ストーリーはこんな感じ。
「はるか昔の中国で絶大な権力を握る曹操(チャン・フォンイー)は、その兵力にものをいわせて敵国を攻めたてていた。彼の天下統一の野望を打ち砕くため、孔明(金城武)と周瑜(トニー・レオン)はともに協力し、連合軍を結成。だが連合軍の数はわずか6万、片や曹操の軍勢は80万で、その兵力の差は誰の目にも明らかだったが…。」(シネマトゥデイ)

興行成績はなかなか好調みたいですが、個人的な好みからいうとちょっと残念な出来だったかな…というのが第一印象。まず、良かったところを書いておくと、大勢のエキストラを使った合戦シーンや長江を往く大船団を再現したCGなど。いわゆるスペクタクルなシーンは大作映画ならではで、見ごたえがあったと思う。
逆に好みと違っていたのは、全体の演出が現代的すぎること。もっと歴史劇らしい重厚さが欲しかった気がした。本作は「三国志」といっても全体を通したものではなく、「赤壁の戦い」の前後だけに絞ったものである。そういう意味では主人公格が孔明と周瑜というのは分かる。でも、だったらなぜ2人が互いの本音を探り合う虚々実々の心理戦を描かないのか。周瑜は孔明の説得に応じて曹操との決戦を決意するが、同時に孔明の神算鬼謀に恐れをなし、何度もこれを亡き者にしようとする。しかし、孔明はその都度、裏をかいて周瑜を翻弄する。その結果、ストレスがたまりまくった周瑜は、赤壁の戦いの後に血を吐いて憤死してしまうのである。きれいな女優陣を大きくフィーチュアするのもいいけど、こういう男と男のプライドをかけた戦い、思いっきり男くさい話を見たかった気がした。
配役では金城武・孔明はビジュアル的には十分あり。ただ、非常に人間くさい孔明で、けっこう感情を表に出すところは、ややイメージからすると違う感じだろうか。何が起きても全部予想してました…的な涼しい顔というのが孔明っぽいと思うんだけどね。一方のトニー・レオン周瑜はやはり色っぽいシーンありましたね。(^v^;;

細かいところだけど、長江の川幅。中流では実際はあの程度なのだろうか。なんかすぐに渡ってしまえそうだ。また、呉軍の総司令官である周瑜が白兵戦の乱戦の中に突っ込んでいったりするのも、大軍同士の対戦というスケール感を削いでないか。日本式のチャンバラに慣れているせいか、素手で大勢の兵士を倒してしまうようなカンフーっぽい戦い方にもいまいちリアルさ、凄味を感じなかった気もする。
あとは音楽かな。岩代太郎氏によるテーマ曲はいいとして、劇中で少年が笛で吹くメロディーなどはもっと鄙びた民謡のような調子が欲しかった。また、孔明と周瑜の箏による対話。古典奏法にああいったワザがあるのかどうか知らないけど、ちょっと聴くとチョッパー奏法的なこれまた非常に現代的なものである。ここももっと中国っぽさが欲しかったように思う。

(約2000年も昔の話なんですよね。日本はまだ弥生式時代ですか…)
Rc2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月30日 (日)

Happyダーツ

■映画「Happyダーツ」 渋谷アミューズCQN

この作品も熊木杏里さんのCDをタワーレコードで買ったら前売券をくれたので見てきました。熊木さんの「モウイチド」がエンディングテーマになってるんですね。

ストーリーはこんな感じ。
「派遣社員として働く30代の美奈子(辺見えみり)は、ある晩親友の麻衣(佐藤仁美)に連れられて初めてダーツバーに足を踏み入れる。店員をしながらダーツのプロを目指す美形の慶介(加藤和樹)に一目ぼれした美奈子は、彼の気を引くために毎晩のように店に通い詰める。やがて当初の目的よりもダーツの魅力にハマっていき…。」(シネマトゥデイ)

タイトルに「ハッピー」とあるように基本的に悪いことは起こらない映画。気楽に見られる。見終わってふと思い出したのが、TVでたまにやってる「恋のから騒ぎドラマスペシャル」。あのノリが近いんじゃないかなと思った。個人的には「恋から」のドラマはけっこう好きで、家にいる時には必ず見てるくらいだ。ただ、劇場で見せる映画となると、ちょっと中途半端だったかも…というのが正直な感想だろうか。

ところで、本作はダーツをまったく知らなかった主人公がふとしたきっかけでハマっていく…という「習い事映画」の基本を押さえた作品となっている。日本では近年、このタイプの映画が多数作られてるのだけど、そのムーブメントの発端になったのは、何といっても「Shall we ダンス?」だろう。これはもう本当によく出来た映画なので、なかなかそれを超えることは難しいんだけど、個人的にはこうした「習い事映画」のポイントは以下の2点だと思っている。
一つは、いい加減な気持ちで習い事を始めた主人公が「本気になるきっかけ」。ライバルにコテンパンにやられるとか、「Shall we ダンス?」のように不純な動機をなじられて屈辱を味わう…なんてのが多いパターンだろうか。このきっかけにインパクトがあるほど、見る側は物語に入れ込めるのである。
二つ目は、「主人公を導くコーチの存在」。このコーチはもともと優れた才能を持ちながらも、何かのトラウマでダメ人間になっているようなキャラが適役だ。そのダメコーチが主人公を指導し、成長を見守ることで自らもトラウマを克服し再生していく…というサブストーリーが充実すると、物語全体としての厚みがぐんと増すのである。
「Happyダーツ」についていうと、この2点がやや弱かったような気がする。

ところで、脇ながらけっこう重要な役で出演してたのが新田恵利さん。おニャン子世代としては単純にうれしかったな。若いお客さんは「誰この人?」と思ったかもね。(^v^)
Hd2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月26日 (水)

天国はまだ遠く

■映画「天国はまだ遠く」 シネセゾン渋谷

熊木杏里さんのCDをタワーレコードで買ったら映画の前売りチケットをくれたので見てきました。エンディングテーマが熊木さんの「こと」なんですね。

ストーリーはこんな感じ。
「夜の宮津駅からタクシーに乗った千鶴(加藤ローサ)は、運転手に人のいない場所に連れて行ってほしいと告げる。ほかに客のいない民宿たむらに案内された彼女は、その晩に大量の睡眠薬を服用し自殺を図る。だが失敗に終わり、32時間も眠り続けた後に目を覚まし、自給自足の生活を送る宿の主、田村(徳井義実)とともに朝食を取ることになる。」(シネマトゥデイ)

静かな映画。晩秋の山村みたいなところが舞台で、風景写真でも見てるようなシーンが多い。空気の冷たさや陽射しの柔らかさ、藁くずの匂い…などが伝わってくるようだ。そして、最初から最後まで何も起こらない。でも、そこが良い映画なんだろうなと思った。
冒頭で自殺を企てる主人公は、向いてない仕事のプレッシャーに押しつぶされそうになって、後先考えずに現実からの脱出を図る。自殺に失敗した彼女が見たのは、それまでいた世界とはまったく違った時間が流れる日々だった。ここまで書くと、「ははぁ、そんな女性が田舎の暮らしを体験して心身ともに再生していく話だな…」と思うことだろう。私もこの映画を見る前はそう思ってたし、実際そういう要素も少しはある。
でも、本作は決して単純な田舎礼賛の映画ではない。ちょっと立ち止まってみることの重要性は示しているけど、最後まで彼女を追い詰めた問題が解決されることもなく、映画が終わった後の彼女がどうなるのかも分からない。彼女を受け入れて見守る民宿の主自身もまた、さまざまな過去を抱え、未来に対しても迷いがあることが暗示される。
物語がどんどん進展してくような話ではないから、何かおもしろい映画が見たいなというような心理状態の時にはあまりオススメしない感じ。逆にちょっと疲れたかも…という週末の午後あたりに、何も考えずにボーッと眺めるように見るといいと思う。そして、明快な答が出ないからこそ感じられる深い余韻を見た者一人一人が受け止めたい映画だと思う。
出演者はメインの2人しか出てないシーンが大半。加藤ローサ、徳井義実(チュートリアル)ともに抑え目の演技が良かった。美しい風景を彩るピアノ中心の音楽も静謐な映画の雰囲気によくマッチしている。もちろん、エンディングで流れる熊木さんの「こと」も素晴らしかった。

(派手さがないので宣伝が難しそうな作品。クチコミで広めたいところです)
Ten3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月19日 (水)

ハッピーフライト

■映画「ハッピーフライト」 渋東シネタワー

この映画、劇場で予告編を何度か見てるにもかかわらず、まったくそそられてませんでした。普通ならスルーなんですが、たまたま11月中有効の劇場招待券が1枚余ってたのと、新聞の映画評が意外なくらい良かったので行ってみたわけです。

ストーリーはこんな感じ。
「副操縦士の鈴木(田辺誠一)は、機長昇格の最終訓練である乗客を乗せて飛ぶ実地試験でホノルルに向けて飛び立つことになる。彼は試験教官として同乗する威圧感たっぷりの機長の原田(時任三郎)を前に緊張感を募らせていた。そんな中、キャビンアテンダントの斎藤(綾瀬はるか)は夢にまで見た国際線フライトに臨み、緊張感がピークに達していた。」(シネマトゥデイ)

いわゆる「グランドホテル形式」の映画ということになるのだろう。ホテルや空港のある1日にたまたま集まった人々のそれぞれの人生が交錯する…というあのスタイル。その形式を使って、「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」の矢口史靖監督が作り上げたのは、「空港で働く人々のお仕事図鑑」であった。
空港を舞台にした映画…というと、ぱっと思いつく主人公はパイロットにキャビンアテンダント、あとはせいぜい管制官くらいだろうか。しかし、本作ではそういったよく知られた仕事だけでなく、グランドスタッフや整備士、さらにはディスパッチャーやバードパトロール…といった一般には知られていない裏方さんも物語の中で重要な役割を担っている。一機の旅客機が飛ぶのにこんなに多くの人たちが関わってるのか…と感心させられるのである(そのためか、ほんのワンシーンしか出てこないような人も含めて配役が妙に豪華だったりする)。
映画は冒頭から軽快なテンポで進み、あららら…と思っているうちにちょっとした事件が起こり、なんとか大事には至らずに解決する。ただそれだけの話なのだが、見終わってとてもいい気持ちになった。その理由は、名もなき仕事人たちのプライドをかけた働きぶりにある。普通の人たちが自分の持ち場を守って働く姿、そのすがすがしさを素直に描いているところがまさにこの映画の見どころとなっているのだと思った。そういう意味では、「プロジェクトX」とか「情熱大陸」といったTVドキュメンタリーのおもしろさと近いのかなという気もした。
もちろん劇映画だから脚本はよく練られている。登場人物は多いがムダがなく、ほとんど全員のエピソードが何らかの伏線になっているところも良い。いちおう公式には田辺誠一と綾瀬はるかが主人公扱いになってるけど、いわば全員が主人公というスタイルだろう(だからグランドホテル形式なのだが)。
個人的には、勢いで突っ走る若手を背後からしっかり見守るベテラン…という構図が随所に見られたのが印象に残った。普段は煙たかったり、恐かったり、ウザかったりする上司や先輩がいざという時には頼りになる。そんなベテランの背中を見て若手が育っていく。まさに組織の理想である。物語の中ではけっこうドジを踏むシーンも多く、最初はよくANAが全面協力したもんだな…と思いながら見てたのだけど、この「組織の健全さ」は、たしかに企業からすれば、非常にイメージの良いものに違いない。
本来のグランドホテル形式映画が得意とする「さまざまな人生」という部分はばっさり切り落として、違うおもしろさを獲得した作品といえるのではないだろうか。

(この写真には出てませんがディスパッチャー役の肘井美佳さんが美しいです!)
Hf

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月10日 (月)

ブロードウェイ♪ブロードウェイ

■映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」 新宿ピカデリー

劇映画ではなくドキュメンタリーですが、かなり評判が良いようなので見に行きました。ちなみに1990年代にはミュージカルファンだった…と何度も書いてる私ですが、なぜか「コーラスライン」は見たことないんですよね。

内容はこんな感じ。
「ミュージカル『コーラスライン』が2006年秋に再演されることが決まった。19人のキャストの座を求め3000人ものダンサーたちがオーディションに集まる。ダンサーたちの半生を基に描かれたこの作品に、誰もが「これはわたしの物語」とキャリアをかけて挑む。4か月後の2次選考では演技や歌の審査も激しさを増し、運命となるキャスト発表の日が訪れた。」(シネマトゥデイ)

期待を裏切らない見ごたえのある作品。約90分と比較的短いこともあって、最初から最後までまったく目が離せない感じで一気に見せられた。ショウビズのバックステージものが好きという人なら、まず間違いなく気に入るのではないだろうか。
全体としては、2006年の再演に向けてキャストを決めるためのオーディションの様子を収録した映画である。日本では「オーディション」というと素材を探す、すなわち「スター誕生」とか「タレントスカウトキャラバン」的なイメージだけど、米国(ブロードウェイ)のオーディションは「即戦力」をそろえるためのものだから、その厳しさにはやはり想像以上のものがある。1次審査は基本的なダンス力や歌唱力を試すものだけど、2次審査になると配役毎の選考となり、その役の歌やセリフ、演技を実際にやらせて、役になりきることができるかどうかを細かくチェックしていく。もちろん、技術だけでなくルックスや雰囲気なども重要なポイントになる。そんなブロードウェイ流のオーディションのやり方が分かるという意味でも興味深く見ることができる。
この2006年版「コーラスライン」はプロだけでなく、一般にも門戸を開放したのでさまざまなレベルの志望者が集まった。しかし、今はまだプロでなくても、「4歳の時からこの日のために踊ってきた」「私の人生にはダンス以外はなかった」などと堂々と言えるレベルの人材がそろっている。米国のショウビズ界の裾野の広さに圧倒されるが、そんな彼らもどんどん落とされていき、2次審査、最終審査…あたりになるとダンスや演技の技術のレベルの話ではなく、非常に精神的、感覚的な差でしかない争いになる。こうなると選ぶ方も真剣勝負である。技量的にはほとんど差のない、そしてタイプの違う2人、あるいは3人から1人を選ばないといけないのである。そして、その決定には志望者の人生がかかっていたりもするわけで、ものすごく重い決断を迫られるのである。
しかし、中にはそんな審査員をまったく迷わせないケースもある。この映画のハイライトの一つといえるシーンで、オーディション中に百戦錬磨の審査員たち全員を泣かせてしまう志望者が現れる場面だ。ここは見ていてもすごい。ドキュメンタリーならではの素晴らしい感動的なシーンである。

この映画を見終わった後に感じたのは、そういったオーディションのドキュメンタリーとしてのダイナミックさと同時に、もう一つ「コーラスライン」という作品が持つ普遍的な魅力でもある。もともとこのミュージカルは、オリジナル版の振付・演出家であるマイケル・ベネットがニューヨークのスタジオにダンサーたちを集め、12時間にもわたるインタビューを行って拾い出した話をもとにしているという。映画は、その録音テープや関係者の証言などを交えながら、オリジナル版(1976年初演)がどのように作られていったのか…についても詳しく描いている。
「オーディションを受けるダンサーたちの物語」を「オーディションの場で演ずるダンサーたち」…この常にオーバーラップする二重構造から浮かび上がってくるのは、1970年代と2000年代という違いはあっても、ダンサーという人間たちが抱えているものはまったく違わないということだった。このドキュメンタリー映画は、2000年代をリアルに生きる志望者たちの姿を追いながら、1970年代のダンサーたちの魂が今もまったく古びてないことを証明していたのだと思った。

また、改めて「At the Ballet」「What I Did for Love」をはじめとするミュージカルナンバーにも聴きほれてしまった。やっぱいい曲多いわ。CD買うか…。

(しかし、この「ONE」のメロディーを聴くとビールが飲みたくなるのは困ったものです…)
Chorus

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月 2日 (日)

ICHI

■映画「ICHI」 新宿 シネマスクエアとうきゅう

毎月1日の「映画の日」(一律1000円で見られる)と土曜が重なってたので、夕方からの最終回上映に駆け込んで見てきました。主演の綾瀬はるかさんは、「ホタルのひかり」というTVドラマを見て以来ファンなのですが、映画で見るのは初めてかも。

ストーリーはこんな感じ。
「三味線を背負い人とかかわることを避けながら、一人で旅を続ける目の不自由な“離れ瞽女”の市(綾瀬はるか)。とある宿場町に流れ着いた彼女は、一風変わった浪人・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。やがて二人は、若き2代目・虎次(窪塚洋介)率いる白河組と、万鬼(中村獅童)を首領とする万鬼党の争いに巻き込まれる…。」(シネマトゥデイ)

あまり先入観を持たずに見たのがよかったのかもしれないけど、おもしろかった~と素直に思えた。快作といってもいいのではないだろうか。綾瀬はるかファンでなくても十分楽しめるはずで、正統派な娯楽時代劇として、とてもよく出来ていると感じた。
本作は、言うまでもなく有名な「座頭市」を下敷きにした作品。でも、リメイクではなく、その世界観だけを借りたまったくの新作である。全体的な雰囲気はオーソドックス。もちろん、主人公が敵を斬り倒す殺陣は大きな見どころだけど、SF的な特殊効果を多用してたり、やたら話のテンポをあげて現代風にしてたり…といった作風ではない。日本的なしっとりした風景の中で進む物語をじっくり描きながら、折々に展開するアクションとのメリハリ、緩急のつけ方が上手いのである。120分の上映時間を少しも長いと感じなかった。
市を演じた綾瀬はるか。離れ瞽女にならざるをえなかった悲しい身の上を持つ役がハマっていた。その悲しみを虚無的な表情の下に押し込めたハードボイルドな演技も良かった。吹き替えなしという殺陣とともに予想以上のカッコよさだったと思う。また、市の過去を乾いたタッチで描いた演出も的確。基本は娯楽作なので、あまり湿っぽくなりすぎると本題とズレてしまう。これくらいでちょうどよかったと思った。さらにいうなら、ボロは着てても顔はいつもとてもきれいに撮られてる市、これもエンターテインメント作ならではのサービスというものだろう。(^v^)。
そして、周囲を固めるのは大沢たかお、窪塚洋介、中村獅童…とカッコいい男ばかり。トラウマで刀を抜けない藤平十馬(大沢たかお)には、思わず「だったら最初から抜き身で持っとけよ!」と突っ込みたくなったけど、基本いずれも適役だったのではないだろうか。

(予告編を見てもあまりそそられないんですが、本編を見ると良い映画です)
Ic

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月16日 (火)

パコと魔法の絵本

■映画「パコと魔法の絵本」 新宿バルト9

人気の演劇「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」を映画化した作品。「ガマザリ」の舞台自体は見たことないのですが、その舞台版の音楽担当が瓜生明希葉さん…ということで、個人的にはなじみがありました(この映画には瓜生さんの曲は使われてません)。前日の「落下の王国」に引き続いて見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「昔々、大人の俳優に脱皮できなかった元有名子役や、消防車にひかれたまぬけな消防士など、患者だけでなく医者や看護師も変わり者ばかりが集まる病院があった。中でも一代で自分の会社を築いた超ワガママ老人の大貫(役所広司)は、一番の嫌われ者。ある日大貫は、1日しか記憶を保てない少女パコ(アヤカ・ウィルソン)に出会う。」(シネマトゥデイ)

「病院が舞台で」「ワケありの入院患者が」「同じく入院している少女に」「物語を聞かせる」…「落下の王国」とはいろいろ共通する部分があるとはいえ、もう雰囲気から何から何までが違う作品。それぞれおもしろかったけど、やはりこの「パコと魔法の絵本」はベースになる物語(舞台版)がしっかりしてるだけに、完成度が非常に高いってのが第一印象かな。
以下、舞台版を見てないので比較はできない…ということで、単純に映画を見た感想を。まず脚本にムダがない。風変わりな登場人物たちの紹介もテンポよく、あっという間に物語の世界に引き込まれる。張り巡らされた伏線は、最後にすべて回収され、見終わってからの突っ込みどころがほとんどない…というのも、よく練られたストーリーならではだろう。
もう一つ強力なのが映像。登場人物のほとんどは強烈な特殊メイク。さらにほぼ全編で使われるCGや特殊効果。キラキラしたものが降ってきたり部屋中に羽根が舞ってたり…。ふと思い出したピエール&ジルの写真。あの写真の世界が実際に動いているような映像といえば分かりやすいだろうか。また、後半の劇中劇のシーン。いきなりレビューっぽいところにもやられたし、クライマックスのガマ王子とザリガニ魔人の対決場面は、CGと実写の合成で想像以上のスペクタクル感ある映像に仕上がっている。迫力あったね~。
そして出演者。ド派手な画面に負けないハイテンションな演技が印象に残る。というか、おそらくこのハイテンション演技を自然なものに見せるために、メイクや衣装、周囲の映像などをキンキラキンにしたんじゃないかな…という気がする(中島哲也監督のスタイルでもあるのでしょうが)。主演の役所広司はもちろんいいけど、隠れ主役といってもいいくらい活躍してたのが阿部サダヲ。絶好調ですな~。女優陣では土屋アンナかな。キレキレ演技が今回も冴えまくってた。またパコを演じたアヤカ・ウィルソンちゃん、この映画のまさに清涼剤。かわいらしかったわ~。(^v^)
とにかく、高いテンションで最後まで一気に見せてしまう作品。よく出来てます。

(大貫老人の朗読力はさすがにプロ級。読んでもらって楽しいでしょうね!)
Pako2

| | コメント (0) | トラックバック (1)

落下の王国

■映画「落下の王国」 銀座シネスイッチ

2日連続でこの「落下の王国」と「パコと魔法の絵本」を見てきました。この2作品は、「病院が舞台で」「ワケありの入院患者が」「同じく入院している少女に」「物語を聞かせる」…という共通する構造を持った映画です。作られた場所も時も、もちろん作風もテーマも全然別の2つの話なのですが、たまたま同じ時期に公開されている…という不思議なシンクロニシティ。そんなわけで、まずは「落下の王国から」…。

ストーリーはこんな感じ。
「左腕を骨折して入院中の5歳の少女アレクサンドリア(カティンカ・ウンタール)は、脚を骨折してベッドに横たわる青年ロイ(リー・ペイス)と出会う。彼は彼女にアレキサンダー大王の物語を聞かせ、翌日も病室に来るようささやく。再びアレクサンドリアがロイのもとを訪れると、彼は総督と6人の男たちが織り成す壮大な叙事詩を語り始める。」(シネマトゥデイ)

原題は「The Fall」。青年ロイは映画のスタントマンで、撮影の飛び降りるシーンで足に大怪我を負い、再起不能かと絶望している。少女アレクサンドリアは、貧しい移民の子供で、わずか5歳で果樹園のオレンジ摘みの仕事を手伝う最中に樹から落ちて腕を骨折。主人公の2人はそれぞれ「落下」する体験を経て入院しているのである。
ロイがアレクサンドリアに物語を聞かせたのは、彼女を手なずけて薬局からモルヒネを盗んでこさせるためだ。彼は足の怪我に加え、恋人も人気俳優に奪われたことで自暴自棄になっている。モルヒネは自殺するために必要なのである。最初は退屈しのぎに口から出まかせの話をしていただけのロイだったが、少女が院内を自由に動き回れることを知ると、彼女を利用しようといかにも子供が興味を持ちそうな「叙事詩」を語り始める。
ロイの一種の妄想から生まれた荒唐無稽な「叙事詩」。それを、世界各地でロケした実写による美しい映像で完璧に再現してみせるのが、この映画の一つの見せ場になっている。絶海の孤島、海中を泳ぐ巨象、息を呑むような断崖絶壁、砂漠を行進する奴隷の列、湖に浮かぶ宮殿、壮麗な城を舞台にした白兵戦…。いずれも見事な映像である。ありえないだろう…というシーンの一つ一つが非常に美しい。景色だけでなく、元奴隷のアフリカ人の黒光りする肉体やターバン姿が決まっているインド人、忍者のような装束を着けた敵の兵隊…など人間もものすごく美しい。
しかし、この叙事詩自体は、ロイが適当に物語を作っているだけなので、はっきり言ってストーリーとしては大したおもしろみがない。ある意味、淡々と進んでいく。映像が美しいだけにとても惜しい…という気もするのだけど、実は出まかせだからこそのもう一つの見どころが隠されている。つまり虚構と現実がオーバーラップしてくるわけだ。いつの間にか、ロイ自身も山賊の役で叙事詩に登場しているし、アレクサンドリアも物語の中で役をもらっている。看護婦、医師、氷屋のオジサン、さらにはロイの恋人や恋敵の人気俳優も…。
現実に絶望したロイの語る物語はどんどん悲劇的な方向に進んでいく。物語の中で彼自身も殺されそうになるが、それを救うのがアレクサンドリアである。単に口から出まかせの物語を語っていただけのはずなのに、ある瞬間から「虚構が現実を変える力を持っている」ことに気づかせられる。物語の中で最後に勝利することで、現実世界のロイの精神も救われるのだ。
彼が映画に関する仕事をしている…ということがここで意味を持ってくる。映画は虚構、幻影を作るものだが、現実にも強い作用を及ぼす「力」(=救いの力)があるのだ…というメッセージが最後に残るのである。

という感じで、「叙事詩」の各シーンに込められた意味などを解析していくと、いくらでも深読みできそうな作品(特に随所に現れる落下シーンの意味とか)。欲をいえば、「叙事詩」がもっとおもしろいストーリーだったら最高だったかも…。映像や出演者の演技などはリアルの病院のシーンも含めて良かっただけにちょっと惜しかった。

(中央に立ってるのがアフリカ人元奴隷。この被り物の2本の角がカッコイイ!)
Rakka2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 5日 (金)

スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ

■映画「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」 錦糸町TOHOシネマ

マニアというほどじゃないですが、「スター・ウォーズ」シリーズ全6作とも日本公開時に劇場で見た…というスター・ウォーズ完全制覇ファンである私としては、やはりこのアニメ版「外伝」も劇場で見ておきたいわけです。

ストーリーはこんな感じ。
「銀河系の支配を企てるパルパティーン、ドゥークー伯爵、グリーバス将軍らが率いる敵の軍隊が迫りくる中、宇宙の運命はアナキン・スカイウォーカーをはじめ、オビ=ワン・ケノービ、アナキンの新たなパダワンであるアソーカらジェダイの騎士たちの手に託された。激しい戦闘が続く中、驚くべき新事実が明らかとなっていく。」(シネマトゥデイ)

最初、「アニメ」ということで違和感があるかな…と思ってたのだけど、見始めて5分くらいですぐに慣れてしまった。アニメといっても、絵柄が日本風のアニメとはまったく違うし、おそらくモーションキャプチャでコントロールされている人物の動きや汚しの具合など、限りなく実写に近い感覚だ。途中からは、もうほとんど実写版と同じ気分で楽しんでしまっていた。
物語も、エピソード2とエピソード3にはさまれたクローン戦争が舞台なんだけど、本来のシリーズの中心を貫く重いテーマ(アナキンがダース・ヴェイダーに変わるプロセス)からはいったん離れた感じの作風で、単純に楽しめる痛快冒険活劇色が前面に出ている。たとえば、アナキンが故郷・タトゥイーンを訪れる場面。母を失った辛く暗い思い出のある地なのだが、それは暗示されるにとどめられる。エピソード2を見ている人にだけ分かる…というような演出で、あくまでも冒険活劇らしいテンポの良さを重視した作品になっており、これはこれで非常に良いと思った。
主人公はおなじみのアナキンとオビ=ワンだが、ほとんど準主役といってもいい活躍をする新キャラのアソーカも印象に残る。茶目っ気たっぷりの子供キャラという設定で、これなどはアニメならではの登場人物かもしれない。また、ジャバ・ジュニアとかジャバ伯父のキャラなど、かなり自由に作っている楽しさもあるし、タトゥイーンには欠かせないジャワやバンサ、あるいはエイリアン楽団などシリーズのファンなら思わずニヤリの小道具、サブキャラも随所に登場して楽しませてくれる。このあたりは徹底して娯楽作をめざした作りこみがうれしい。
また、全編で登場する各種兵器類のデザインはメカフェチにはこたえられないだろうし、戦闘シーンの迫力などはさすがは今もリアルで戦争してる国(アメリカ)だけあるよな…と思わせられる演出だと思った。
過去の実写6作ほどの話題にはなってはないけど、スター・ウォーズファンなら楽しめること請け合いの作品ではないだろうか。こういう感じで外伝的な話がどんどん見られるならアニメでも全然OKだ。楽しかったですよ。

(ふとアニメであることを忘れてしまう瞬間も多数)
Sw2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 2日 (火)

デトロイト・メタル・シティ

■映画「デトロイト・メタル・シティ」 新宿ジョイシネマ

原作コミックは未読。でも、たしか2007年4月1日の恒例エイプリルズの「サイト1日模様替え」のテーマが「DMC」だったことで、こういう作品がある…ということくらいは知ってました。見に行ったきっかけも実はそのへんだったりします。

ストーリーはこんな感じ。
「純朴な青年、根岸崇一(松山ケンイチ)は、ポップミュージシャンを目指して大分県から上京。だがひょんなことから人気悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター&ボーカルとして活動することに…。彼らのデビューシングルは大ヒットを記録し、崇一は自分の意思とは関係なくカリスマ悪魔歌手に祭り上げられていく」(シネマトゥデイ)

人間、「やりたい事」と「できる事」は違っててもいいんだ…という深いテーマを読み取ることも可能かもしれないけど、基本コメディーなんで楽しく見るのが一番って感じの作品。物語のテンポもよく、最初から最後まで一気に突き進んでいく。
原作を知らなくても全然問題なく楽しめたし、たぶん音楽的にも題材となってる「デスメタル」や「渋谷系」にあまり詳しくない方がいいのかもしれない。パロディーってほどでもないけど、若干おちょくってるところもあるからね。それでいて、音楽ファンなら思わずニヤリとさせられるシーンも多々あり、音楽映画としてもよく出来ているんじゃないだろうか。特にライブシーンはかなり迫力があり、それぞれのジャンルのエモーションがしっかり伝わってくる。
出演者では、もう主役の松山ケンイチにつきるだろう。かなりオーバーな演技なんだけど、コメディー映画なんであれくらいの吹っ切れ具合がちょうどいい感じ。松雪泰子の社長も良かったし、個人的にはDMCの熱狂的ファンたちの存在が楽しかったな。ポップミュージックやポップスターというものはファン(の勘違い)が作るものなんだ…ということが彼らを見ているとよく分かる。
というわけで、見終わった後の痛快さはなかなかのもの。「泣ける映画」ばかりが映画じゃないっすよ!(^v^)

(音楽をやる動機に「女の子にモテたい」というのがあるならデスメタルは厳しいジャンルか…)
Dmc2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年8月12日 (火)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

■映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」 新宿プラザ

例によって7月中有効の招待券で(見に行ったのは7/30)。これといって見たくなる作品がなかったので、定番の娯楽作品を選択。ちょいと遅くなりましたが簡単に感想など。

ストーリーはこんな感じ。
「1957年、大学で学生たちに考古学を教えているジョーンズ博士(ハリソン・フォード)は、超常現象的なパワーが宿っているという秘宝“クリスタル・スカル”を求め、相棒の若者マット・ウィリアムズ(シャイア・ラブーフ)とともに再び冒険の旅へと出る。しかし、インディたちの前に、秘宝を付け狙うロシア軍が立ちはだかり…」(シネマトゥデイ)

過去のインディ・シリーズは、劇場だったかTVだったかは覚えてないけど、とにかく3作とも見ている。そういう意味では大体どういうシリーズか分かってるわけで、まあ思った通りの作品だったといえるだろう。あえてクラシックな冒険活劇そのまんまの舞台設定、息もつかせぬアクションの連続、結末は超常現象で一気に解決し、見終わったあとにはきれいさっぱり何も残らない…と。
そう、たしかにそうなんだけど、過去の3作は“もうちょっとは”オモシロかったような気がするんだけどなぁ。今作は、上から見てもヨコから見てもインディ・ジョーンズなんだけど、何かどこか魂が入ってないような…。
ま、そんなに深く考えるほどのインディ・ファンでもないし、見てる間だけは退屈しなかったからOKとしましょうか。(^v^;;

(原爆を冷蔵庫に入ってしのぐシーンのお気楽さが米国なのか…)
Ind

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月19日 (土)

カメレオン

■映画「カメレオン」 新宿バルト9

ちょっと時間が空いたので「何か見たいな…」ということで。出演者で特にファンという人はいなかったのですが、新聞に載ってた映画評がわりと良かったのが記憶に残ってたので。

ストーリーはこんな感じ。
「伍郎(藤原竜也)は、仲間とともに結婚詐欺を仕掛けて金を稼ぐ、あてのない人生を送っていた。ある日、伍郎たちの詐欺グループは、政府要人が拉致される現場に居合わせてしまう。事件を目撃したことが原因で仲間を殺された伍郎は復讐を計画するが…。」(シネマトゥデイ)

おもしろかったかどうか…と訊かれれば、文句なしに「おもしろかった」といえると思う。オープニングから非常にテンポがよく、一気に引き込まれる感じ。もともとは、約30年前に故・松田優作のために「カメレオン座の男」のタイトルで企画された脚本を現代によみがえらせたものだという。たしかに、そう言われれば松田優作が演じているところが目に浮かぶような気もする。が、そういった予備知識なしで見ても十分に楽しめる作品になっていると思った。
最大の見所は、やはりアクションだろう。CGでもワイヤーアクションでもない、生身の人間による激しい立ち回り。通常の芝居とアクションシーンのメリハリ、溜め込んでおいて一気に爆発させる緩急のバランスが良い。見てる方もアドレナリンが噴出しそうになる。映画の中に占める時間的な割合は決して多くはないと思うのだけど、とにかく印象的なのである。
そして、そういったアクションシーンも含めて、主演の藤原竜也の存在感。これがとても大きかった。一般的には彼は「上手い役者」とされているけど、個人的にはあまり出演作品を見たことはなかった。マスクが甘いし童顔なので、こういうアクション映画が似合うのかな…と、この作品についても若干ピンとこないままに見始めたのが正直なところだった。しかし、映画が始まるとすぐに彼の魅力にやられてしまった。やっぱ上手いわ。伍郎という男の得体の知れなさ(だから「カメレオン」なのだが)を実にうまく表現している。まったく映画は見てみないと分からないものである。(^v^)
共演陣も良かった。わりとシブ目の配役だけど、みんな持ち場をきっちり演じてて、主役を引き立てている。ヒロインはインチキ占い師の水川あさみだろうが、彼女とのロマンス的なものをあまり大きくフィーチュアしてないところも映画の軸がぶれてない感じで好印象。また、詐欺仲間の老俳優を演じる3人(谷啓、犬塚弘、加藤治子)の演技も楽しく、作品に奥行きを与えていると思った。
ただ、唯一気になるとすれば、脚本に多少分かりにくい、あるいは辻褄があってないように思えるところがあることだろうか。アクション娯楽作…と割り切れば、ご都合主義も気にせずに楽しんだもの勝ちということになるんだろうが、そのわりには他が良すぎる。惜しい気がした。

(タイトルが地味だし、宣伝もこの映画の魅力をうまく伝えてない感じ。もったいないねぇ)
Cha

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年7月 9日 (水)

純喫茶磯辺

■映画「純喫茶磯辺」 テアトル新宿

「渋谷区円山町」でちょっと良いな…と思い、最近TVドラマの「ハチワンダイバー」などでも見かける仲里依紗さんが主演というので見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「高校生の一人娘(仲里依紗)と暮らす水道工員の磯辺裕次郎(宮迫博之)。父親が急死して多額の遺産を手にした彼は、突如喫茶店経営を思いつき、無計画にも『純喫茶 磯辺』を開店させる。閑古鳥の鳴くダサい店は、美人の素子(麻生久美子)をアルバイトに雇ってから一転、クセモノばかりの常連客でにぎわい始める…。」(シネマトゥデイ)

喫茶店という小宇宙で展開するスケールの小さい話。でも、それは一般市民にとっての身の丈サイズといえるもの。けっこう好きですよ。
また、小さいという意味では、社会の最小単位である「家族」の物語でもある。男の素性は一目で見抜くくせに、女を見る目はまったくない父親。女のことはちゃんと分かるのに、これまた男を見る目はない娘。要するに2人は似たもの親子なのだ(そのことは冒頭の同じイビキをかいているシーンですでに暗示されている)。すったもんだあるけど、結局2人は仲良く折り合いをつけて一緒に生きていくしかない。おそらくこれがこの映画の結論なのだろう…と思う。

若干地味目な話だけに、個人的にはもうちょっと分かりやすいドラマが欲しかったな…という気もした。クスッと笑えるゆるいコメディ仕立てというのは良いし、役者もそれぞれ好演。でも、見終わったあと何となく盛り上がり切らない感じが惜しい。何が言いたいのかが、いまいち分かりにくい…というか。結局、「純喫茶 磯辺」はひと夏で営業を終える。ありがちかもしれないけど、少女のひと夏の成長物語…という感じにまとめたら、もっとカタルシス(見終わった後の痛快感)はあったかもしれない。

仲里依紗さん。普通の高校生を素直に演じてて、とても魅力的。出ずっぱりに近いので、ファンならかなり満足度は高いと思う。宮迫博之氏は「下妻物語」でのオヤジ役をもうちょっとありそうにした感じだろうか。濃さとダメさがハマってる。麻生久美子さんは「時効警察」の三日月君かな。ある意味でこの映画の中で一番ぶっとんでる役。なおかつキーマン。母親役の濱田マリさんも印象に残った。いい味出してます。

Isobe_4

ところで、同じ父と娘の起業物語で思い出すのが「毎日が夏休み」という映画(1994年)。金子修介監督。父親に佐野史郎、娘が当時新人だった佐伯日菜子。これは傑作ですよ~!

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2008年6月26日 (木)

相棒 -劇場版-

■映画「相棒 -劇場版-」 錦糸町 楽天地シネマ

サブタイトルは「絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」。ご存知、ロングラン上映中のヒット作です。ちょいと時間が空いた隙間を利用して見てきました。※以下ネタバレしてます。

ストーリーはこんな感じ。
「都内で謎の連続殺人事件が発生、その現場には不可解な記号が残されていた。そして犯人の次のターゲットは、3万人のランナーと15万人の大観衆でひしめき合う大規模マラソン大会であることが判明。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は、未曾有の大惨事を回避するため、その頭脳と正義感で捜査を開始する。」(シネマトゥデイ)

安定した人気を持つTVシリーズを映画化した作品。本来のドラマ版の方は1、2回見たことがある程度の初心者だったんだけど、この映画版は素直に楽しめたと思う。やはりヒットしてるだけのことはある感じ。長くTVでやっているから主要登場人物のキャラ立ちがしっかりしてるし、発生する事件の方も一話完結のTVドラマ版では描けないスケール感にうまく膨らませてたと思う。キャストもハマってたし、演出のテンポも良かった。
脚本的には、この手の話だと単に犯人の異常性とか生い立ちをめぐる過去の怨恨…あたりに動機を持っていきがちなんだけど、意外と社会派なネタをあれこれ突っ込んでいるのが印象に残った。まあ、最後は政治家が悪い…というオチになるのはある意味「テレ朝的」で好き嫌いはあるかもしれないけど、個人的には許容範囲かな。(^v^)
一方、推理ドラマの側面からすると、最後まで疑問が残った部分もある。たとえば、前半の杉下警部と犯人のチェスを使った知恵比べ。さらにはインターネット上の殺人予告など、それが「何のためだったのか…」というタネ明かしはなかったんじゃないだろうか。また、クライマックスのマラソン大会で犯人が仕かけた数々の陽動作戦。最初から閉会式が狙いだったら、別にいらないんじゃないかという気もするし、そもそも東京マラソンを狙うという予告自体も不要だったはず…。見てる時にはサスペンスフルでおもしろかっただけに、このへんの各ピースが最後にパチパチッときれいにハマったら快感だったんじゃないかな…という気はした。

(かなりヒットしてるみたいなので続編が出来るのは間違いないでしょうね)
Aibo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年6月 7日 (土)

アフタースクール

■映画「アフタースクール」 吉祥寺バウスシアター

行こうと思ってたライブ(多和田えみさん)が流れたため、映画でも見るか…と思ったんですが、急なことでチケットショップに行く余裕もなく。かなり久しぶりに本来の料金1800円で見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「母校の中学で働く教師、神野(大泉洋)のもとに、かつての同級生だと名乗る探偵(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。探偵は、神野の幼なじみで今は一流企業に勤める木村(堺雅人)の行方を追っていた。心ならずも木村探しに巻き込まれるうちに神野の知らない木村の姿が明らかになり、事態は誰もが予想しない展開に向かっていく。」(シネマトゥデイ)

映画評などではかなり評判の良い本作。結論からいうと、たしかに期待を裏切られることなく、最後まで一気に見ることができた作品だった。
物語の前半は、いわゆる失踪人探し。消えた人物を追っていくうちに謎が深まって…というハードボイルドものの定番パターンで非常にテンポよく進んでいく。コメディというほどじゃないんだけど、軽快な大泉洋とシリアスな佐々木蔵之介の対比も切れ味がよく、知らず知らずに引き込まれてしまう。そして、中盤以降は怒涛の大ドンデン返し! 観客は「え~っ、あの前半のアレも、ソレも、コレも伏線だったのかよ~!」ということになるわけである。ま、これ以上書くのは野暮というものであろう。
この非常によくできた映画を見ながら思い出していたのは、2007年の「キサラギ」だった。話自体はまったく似てないんだけど、いわゆる「頭脳派映画」といってもいいところが共通点ではないだろうか。両作品ともアクション的なシーンはまったくなく、ひたすら観客の頭脳(記憶力、推理力、洞察力…)だけを刺激し続けるのである。もっとも、「キサラギ」の方は、最初から最後まで細かい裏切りが波状攻撃的に続くのに対して、本作は中盤から後半にかけて一気の寄り!…という感じであろうか。話の密度という点では「キサラギ」が上だが、見終わった後の爽快感では、個人的には「アフタースクール」に軍配を上げたい気がする。
主役男優陣3人はいずれも好演だし、出番は少な目の女優陣、常盤貴子&田畑智子も重要な存在感を示していた。派手さはないけど、こういう映画は好きだな~。1800円の値打ちは、十分にありましたよ。

(やっぱ映画は脚本が大事だな~とつくづく思わされます)
Af

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月22日 (木)

隠し砦の三悪人

■映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」 渋東シネタワー

久しぶりの邦画。この作品は黒澤明監督映画のリメイクで、その黒澤版にインスパイアされてできたのがルーカスの「スターウォーズ」である…というのは有名な話だったりします。もっとも、そのオリジナル版は未見なんですが…。(^v^;;

ストーリーはこんな感じ。
「戦国時代、小国の山名は隣接する大国早川攻略を狙い、まずはもう一つの隣国である秋月に攻め入り成功を収める。陥落した城内では山名の軍勢が秋月の軍資金である“黄金百貫”を見つけようと躍起になっていた。強制労働をさせられていた武蔵(松本潤)と新八(宮川大輔)は逃走し、偶然滝のほとりで黄金百貫を見つけるが…。」(シネマトゥデイ)

結論からいうと「娯楽作」に徹しようという割り切りが良い方向に出てたのではないだろうか。比較的カラッとした作風で、戦国の世の非情さ、無常さ…とかを感じさせるような場面はあえてさらりと処理し、ひたすら冒険とアクションをテンポよく詰め込んでいく感じ。日本の大作(風)映画が陥りがちな力みすぎなところがなく、見終わった後に尾を引く感じじゃないけど、少なくとも見ている間は素直に楽しめたと思う。
個人的には、旧作をそのままリメイクしたわけじゃなく、確実に「スターウォーズ経由でのリメイク」であることを示す部分が随所にあったのがおもしろかったかな。多くの人が指摘しているように、敵の武将役である椎名桔平登場シーンの「黒兜」などは、どう考えてもダース・ベイダーであろう。また音楽にも「スターウォーズ」をイメージさせるモチーフがあちこちに感じられた。「隠し砦」というのが、「デススター」だというのが分かったのも楽しかった。

(ところで「三悪人」ってのは武蔵と新八とあとは誰を指してるのでしょうか?)
Kaku2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月22日 (火)

モンゴル

■映画「モンゴル」 錦糸町 楽天地シネマ

今月も4月一杯有効の映画招待券を消化。何を見ようか…といろいろ吟味したわけですが、あいかわらず邦画にはコレといって見たい作品がなく、結局洋画(カザフスタン、ロシア、ドイツ、モンゴル4カ国による合作映画)に。

ストーリーはこんな感じ。
「モンゴル遊牧民族の長イェスゲイの長男として生まれたテムジン(浅野忠信)は、妻ボルテとの出会いやライバルであり戦友のジャムハとの友情を通し、王と呼ばれるにふさわしい一人前の男に成長する。父の死後部族の長となったテムジンは、モンゴルを統一すべく、部族間の激しい戦いに身を投じていく。」(シネマトゥデイ)

簡単にいえば、モンゴル帝国を築いたチンギス・ハーンの若き日を描いた作品。チンギス・ハーンについては、たしかに「モンゴルを統一して大帝国を築いた」ということは知ってるけど、意外とどうやって築いたのか…みたいなところまでは知らなかったりする。そのへんが分かる伝記映画かな…と期待していたのだけど、結果からいえば、この映画では帝国建設の話はほとんど出てこないのだった。
では何が描かれているのかというと、若い頃の苦労話である。日本でも徳川家康が若い頃苦労して後に徳川幕府を打ち立てた…というパターンがあるけど、テムジン(後のチンギス・ハーン)も本当に幼い頃から苦労ばかりである。豪快な合戦シーンなどもあるものの、テムジンが勝つ戦いはわずかでたいてはやられてしまう(弱小部族だったからだが)。何度も捕虜になってひどい目にあったり、命からがら脱走したり、奴隷として異国に売られたり、それをまた奥さんに救出されたり…と、言葉にするとあまりカッコよくないエピソードが続く。
しかし、この映画のすごいところは終始緊張感のある画面と演出で、そのカッコよくない話に見る者を惹きつけてしまうところだろう。セルゲイ・ボドロフ監督は、「10」のことを伝えたい時に画面では「8」くらいしか描かない。これが結果的に物語に非常に豊かな奥行きを与えている。また、静と動の対比も鮮やかで、まるで絵画のように静かで思索的な映像が続くかと思うと、一転してダイナミックなアクションシーンに突入したりする。物語自体は決してイケイケの話ではないのに、目が離せない…という感じなのだ。この演出力はかなりすごいと思った。
主演はモンゴル人キャストに混じって浅野忠信。同じモンゴロイドではあるが、やはり日本人の顔つきはかなり違う。これは巨大な存在であるチンギス・ハーンの特異ぶりを見た目でも分からせるためではないか…とどこかで読んだ記憶があったが、たしかに納得できる感じである。寡黙な浅野忠信の雰囲気はモンゴルの大自然の中でも存在感で負けてない。好演だったと思った。
映画は、テムジンがモンゴル統一に立ち上がり、最初の大きな戦いを制したところで終わる。まるでモンゴル帝国の創世記といった趣だ。いわゆる史劇ではあるが、かなり異色の作風で、見た後に強い余韻を残す映画だと思った。

(これは終盤の合戦シーン。中盤で見せる殺陣も迫力十分でした。)
Mng

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 1日 (火)

エディット・ピアフ -愛の讃歌-

■映画「エディット・ピアフ -愛の讃歌-」 早稲田松竹

仕事の谷間の日。1日で映画が安いので、思い切って休みにしてしまいました。ところが、意外と見たくなるような新作がなく、たまたま名画座でかかっていた「エディット・ピアフ」を選択。音楽映画でもあるし、公開時にもちょっと気になってた作品なので劇場で見られてラッキーでした。

ストーリーはこんな感じ。
「歌手を目指す母アネッタ(クロチルド・クロー)の娘エディット(マリオン・コティヤール)は、祖母が経営する娼館で娼婦のティティーヌ(エマニュエル・セニエ)らに育てられる。やがて母のように道で歌い始めたエディットは、名門キャバレーのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドパルデュー)に見出されるが…。」(シネマトゥデイ)

一言でいえばフランスの国民的歌手、エディット・ピアフの伝記映画ということになる。20世紀前半に活躍した人だけど、「ばら色の人生(La Vie en rose)」や「愛の賛歌」などは私でもよく知っているくらい有名だ。この作品は、そんな彼女の代表曲が全編にちりばめられていて、音楽映画としても非常に充実しているし、なんといってもドラマチックで波乱に満ちた生涯を送ったピアフを演じた主演のマリオン・コティヤールの圧倒的な演技が強く印象に残る。
最初にピアフの曲は現代でもよく知られている…と書いたけど、ピアフ本人がどんな人物だったのか、というのはもう知っている人も少なくなっているのではないだろうか。正直言って私もピアフの人物像というのは、本作を見て初めて知った。彼女は典型的なアーチストというか、破滅型でエキセントリックといってもいいような人柄だったことが分かる。そんな彼女の特異なキャラクターをつくりあげたものは何だったのか。映画では、それを度重なる愛情の喪失経験、そして歌うことによってしか自分は愛されないのではないかという強迫観念…というあたりに求めており、非常に納得できるピアフ像をつくりあげていると思った。
マリオン・コティヤールは20代の若々しい、そして野生の猫のような荒々しさを感じさせるピアフから、40代にしてすでに老婆のようになってしまったピアフまでを神懸り的に演じている(ピアフは麻薬の常用者となり自らの生命を切り刻んでいった。享年わずか47歳である)。実話に即しているので登場人物もかなり多く分かりやすい話とはいえないが、とにかく歌と共にその人生を駆け抜けたピアフの存在感に強く打たれる作品である。

ちなみにピアフが歌っているような音楽(日本ではシャンソンという言葉で括られている)だけど、この作品を見て、これってフランス版の「演歌」じゃないのか…と思った。歌詞のテーマなどが非常に日本の演歌と似ているのである。演歌が心のどこかに鬱屈したものを抱えている人に届くように、ピアフの歌もまた人生の苦さや渋みを味わった人の心に強く訴えかけるものを持っていたのではないだろうか。

余談だけど、若き日のピアフが路上で歌って通行人からけっこうお金を稼ぐ場面が出てくる。彼女の歌が素晴らしかったことを表現してるんだろうけど、同時に西欧ってストリートミュージシャンに気軽にお金をあげるカルチャーが定着してるんだな…というのが印象的だった。日本では路上で稼ぐってのは至難のワザらしいからねぇ。(^v^;;

(映画版の歌って吹き替え?それとも役者自身?すごく自然で迫力も十分!)
Piaf_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プロヴァンスの贈り物

■映画「プロヴァンスの贈り物」 早稲田松竹(「エディット・ピアフ」と同時上映)

実はこの日は最近珍しい2本立て興業。「マリオン・コティヤール特集」として彼女が出演者してる作品を併映してたのでついでに見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「ロンドンの金融界でトレーダーとして多忙な日々を送るマックス(ラッセル・クロウ)のもとに、10年も疎遠にしていたヘンリーおじさん(アルバート・フィニー)の訃報が届く。遺産を相続することになったマックスは、ヘンリーが住んでいたプロヴァンスのぶどう園を訪れるが…。」(シネマトゥデイ)

忙しい都会人の典型である金融業界のやり手ビジネスマンが、ゆったりした南仏の自然や人間関係の中で真実の幸せとは何かを見つけていく…という話。こっちは気軽に見られるライトコメディって感じかな。監督は「ブレードランナー」や「エイリアン」で有名なリドリー・スコットだけど、そのへんの作風とはまったく別の世界が展開している。ま、癒し系の映画版2時間ドラマって感じでしたでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月24日 (月)

魔法にかけられて

■映画「魔法にかけられて」 渋東シネタワー

話題のディズニー映画。またまた3月中有効の招待券を消化すべく見てきました。この作品をチョイスしたのは、興行成績云々よりも、音楽=アラン・メンケンってところが大きかったかな。けっこうメンケンファンなので…。

ストーリーはこんな感じ。
「“アニメーションの世界”に暮らす心優しいプリンセスのジゼル(エイミー・アダムス)は、夢にまで見た王子様との結婚式の当日、意地悪な魔女に騙されて魔法をかけられてしまい、世にも恐ろしい世界へ追放されてしまう。そこは“おとぎの国”とは正反対の刺激的な“現代のニューヨーク”で、ジゼルはパニックに陥ってしまう。」(シネマトゥデイ)

これって、ある意味でディズニーが「禁断の裏技」に挑んでる映画なんじゃないだろうか。だって、ディズニーといえば、その夢の世界の完全性を守るために並々ならぬ努力を払ってる企業。ディズニーランドなんかでも、決してバックステージを公開しないし…。そのディズニーが、あえて自分たちの作り出した「おとぎの国」(=アニメーションの世界)って、現実的に考えればヘンだよね…と自ら言ってるのである。いったいどんな作品なんだろうか…と興味津々で見に行ったんだけど、結論からいえばおもしろい。やっぱよく出来てますよ。
アニメーションと実写のつなぎもものすごく自然だし、アニメならではの表現と思っていたディズニーお得意のミュージカルシーンなどが実写とCGで見事に再現されてて、思わずニッコリ。特に楽しいのはセントラルパークのシーンだろう。本当によく出来てる。メンケンの音楽も好調。一聴して覚えてしまうようなキラーチューンはないものの、「らしい」のでファンとしては満足ってところかな。大人から子役まで役者もみんなハマリ役。個人的にはリスのジェスチャーもおかしかった。
若干ひっかかったのは結末。これってジゼル以外はなんとなくバツが悪い終わり方のような気がしてしまった。特に王子とナンシーなんて、フラれた者同士でくっついちゃったりして安易すぎるだろ!…みたいな。いやいや、真実の愛に出会うのに時間は関係ない、あるいは最後は絶対ハッピーエンド!というおとぎの国の論理がニューヨークの現実主義を飲み込んでしまったんだから、これでいいのか? うーむ。(^v^;;
ピュアでプリミティブな感動を…という作品じゃなく、ちょっとヒネリの効いたNYコメディをディズニー流にアレンジしてみました的な作品ではないでしょうか。自らをパロディ化しつつも、最後はしっかりディズニーバンザイになってるし、変則ワザを使った映画としてはいい出来なんじゃない?

(実写とアニメのキャラクターの統一感がすごく良くできてます!)
Maho

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月25日 (月)

ラスト、コーション

■映画「ラスト、コーション」 日比谷シャンテシネ

2月中有効の劇場招待券を持っていたので、新聞の映画評が良かったこの作品を見てきました。あまり予備知識は入れていかなかったので見た後で知ったのですが、ヴェネチア国際映画祭グランプリ作品だったんですね。

物語はこんな感じ。
「1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ワン・チアチー(タン・ウェイ)は、敵対する特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)に近づき暗殺の機会を狙っていた。しかし、危険な逢瀬を重ねるうちいつしかチアチーは、虚無の匂いを漂わせるイーに魅せられていく…。」(作品ホームページから)

なんともやりきれない物語。設定から考えてハッピーエンドなわけはない…と分かっていても、やはりこのラストはこたえる。そんな重めの映画なのだが、映画としてはこれがものすごくよく出来ていて、2時間38分というかなりの長尺作品にもかかわらず、序盤から一気に引き込まれて最後まで見てしまう感じだ。戦時中の時代背景ではあるが、戦争シーンなどはまったくない。基本はサスペンスである。特務活動のプロであるイーに、素人同然のチアチーが工作を仕掛けるのだから、いやがうえにもスリリングな展開にならざるをえない。それを抑えた演出で見せていく監督の懐の深さにひたすらうならされる。音楽の使い方なども控え目なのに、深く心に残るのである。
キャストでは、トニー・レオン演ずるイー。抗日運動をしている中国人を捕えて処刑するという売国奴な男だが、これが実に色っぽいのである。渋いスーツを寡黙に着こなす様は、まさにチョイワルオヤジそのものである。いや、実態はワルワルオヤジなのだが、やはり悪い男というのは緊張感の中で生きているから、どうしてもフェロモンが出てしまうのであろうか。チアチーをじっと見つめる、何を考えているのか分からない目などは、男の私でさえ「ぞくっ」としてしまうくらいである。
そして、主人公チアチーを演じたタン・ウェイの美しさ! もともとモデル出身の人らしく、すらりとしたスタイルの良さや身のこなしはほれぼれするほど。しかも、上流の有閑夫人に扮して潜入工作を行うという設定なので、当時の上海の最新モードを次々と着替え、そのどれもがため息が出るほど決まっているのである。もちろん、演技も素晴らしい。一般的には大胆なベッドシーンに話題集中してしまっているようだが、実は彼女の魅力は、そのとても繊細な表情の演技ではないだろうか。特に私が見とれてしまったのが、クライマックスの宝石商での場面だ。祖国のために、大義のために、仲間のために…とすべてを捨てて進めてきた工作がまさに実を結ぼうとする時。ふと見せた男の無防備な「情」に彼女の女としての「情」が感応してしまう一瞬…。なんとも切ない幕切れである。

やはりヴェネチアのグランプリはダテじゃない素晴らしい映画なのですが、こういう痛切な時代背景を生み出した主な原因が日本にあることを考えると、一日本人としてはホロ苦いものもかみしめながら劇場を後にしたのでした。

(美術もものすごくカッコいい作品。米国+台湾合作映画なんですね)
Lc

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月11日 (月)

音符と昆布

■映画「音符と昆布」 六本木シネマート

この映画を知った直接のきっかけは、CHIX CHICKSが主題歌と挿入歌を歌っている…という話を、彼女たちのライブのMCで聞いたから。出演者を見てみると、私のけっこう好きな市川由衣さんも出てる…というので、出かけてみました。

ストーリーはこんな感じ。
「それまで一人っ子だと信じてきたもも(市川由衣)の前に、突然姉と名乗る女性かりん(池脇千鶴)が現れる。海外出張中の作曲家の父(宇崎竜童)に問い合わせたところ、確かに彼女は自分の実の姉だという。かりんは自閉症の1つのタイプである“アスペルガー症候群”で、姉妹は意思の疎通ができないまま共同生活を始める。」(シネマトゥデイ)

1時間15分ほどの比較的短い作品。短編ということもあってか入場料は当日でも1200円。結論からいうと、けっこう好きなタイプの映画だと思った。特に大きな山場のある話じゃないんだけど、それまで離ればなれになっていた家族、しかもそれぞれが不完全さを抱えた家族が再結集する過程で生まれるきしみ…みたいなものが独特のテンションを持って描かれている。アスペルガー症候群という先天性の病を持つ姉を演じた池脇千鶴さんには改めてうまいなと思わせられたし、彼女を受けとめる妹役の市川由衣さんも抑えた演技が好印象。個人的には、最初から最後まで一瞬も退屈せずに画面に引きつけられていた。
そんな2人が同居する、古いアパートを改造したような住宅の雰囲気がこれまた良かった。決してもともとお洒落な物件じゃないのに、小物や壁の色づかいなどで意外なお洒落感を出していて、「こういう部屋もいいよな~」と思わせたりする。家族同士の微妙な関係(時には衝突したりもする)を描いた物語なのに、不思議とまったりした空気感が流れているのは、この舞台のせいも大きくあるのではないだろうか。
ちなみに、主人公の父親の部屋には、「チェリーパイ」「東京の嘘」といった同じエピックレコードが製作した短編映画シリーズのポスターが貼ってあるのを発見。このシリーズの特徴は、レコード会社が中心になってるだけあって、音楽が大きくフィーチュアされていること。「チェリーパイ」でも、途中でいきなり「いきものがかり」の曲がかかってPV風映像がまるまる1曲分続くシーンがあったけど、この「音符と昆布」でも、CHIX CHICKSの曲が流れてPVになる場面がある。物語の流れの中に溶け込んでいたので、個人的には違和感は感じなかったけど、大してプロモーションの助けにもなりそうにない単館系映画でそこまでこだわる理由はいま一つ分からなかったりする。(^v^;;

(ちょっと変わったタイトル。でも最後まで見ると納得するんですよ、これが…)
S_onpu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月28日 (月)

全然大丈夫

■映画「全然大丈夫」 渋谷シネクイント

いろんな日本映画に出まくりの荒川良々氏。顔を見てると何となく落ち着くので、けっこう好きですねぇ。そんな彼の初主演作というので見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「29歳の植木職人照男(荒川良々)の趣味は、人を脅かして楽しむこと。だが幼なじみでサラリーマンの久信(岡田義徳)に、いい年をして悪趣味だと非難されケンカになる。そんな折、久信は仕事の面接であかり(木村佳乃)という女性を採用するが、あまりの不器用さですぐに首にし、続いて照男の実家の古本屋に紹介する。」(シネマトゥデイ)

とにかく「ユルい」「まったり」…という前評判どおりの作品。全体のテイストは、まあ「ラブコメ」ということになると思うけど、コメディらしいキビキビしたのとは対極の世界。笑いの種類も「クスッ」って感じで、見てるうちに作品世界のユルさが身体に浸透してきて、見終わったらなんかのんびり寝たくなる。明日から仕事という日曜じゃなく、一週間働いて疲れたな~という金曜の夜なんかにぼーっと見ることをお勧めしたいですね。
主演の荒川良々氏をはじめ、キャストには劇団系の一癖以上ある役者が集結。伊勢志摩さん、江口のりこさん、根岸季衣さん、白石加代子さん…みんな良かったです。ストーリーやなんかでぐいぐい引っ張る感じじゃないし、「おもしろかった?」と訊かれたら、正直「そこそこ…」と答えたくなるようなところもあるけど、こうした役者さんたちの味をかみしめるのが正解って感じの作品なのかもね。
ただ、ヒロイン役の「あかり」だけど、木村佳乃さんはちょっとイメージ的にシャープすぎたような気もした。個人的には、綾瀬はるかみたいなドジっ子キャラが似合う女優さんで見たかったなぁ…なんて。

(木村さん、三井住友銀行のCFでの女スパイのイメージが強いんですよね…)
Zenzen

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年1月 7日 (月)

スマイル 聖夜の奇跡

■映画「スマイル 聖夜の奇跡」 日比谷みゆき座

新年一発目の映画に「聖夜…」と題されたクリスマス・ムービーっていうのも、なかなか渋いチョイスですが。(^v^;; 陣内孝則監督の前作「ロッカーズ」は良作だったので、ちょっと期待して見に行きました。

ストーリーはこんな感じ。
「タップダンサーのプロになる夢を諦めた修平(森山未來)は、恋人の静華(加藤ローサ)がいる北海道へ逃げるように帰るが、静華の父親に結婚の条件として少年アイスホッケーチーム“スマイラーズ”を勝利に導くことを言い渡されてしまう。まったくの素人の修平は、得意のタップダンスを活かした練習法でチームを鍛え直していく。」(シネマトゥデイ)

一言でいえば「怪作」。突っ込みどころ満載、はっきりいってムチャクチャなんだけど、全体としてはおもしろい。でも、見る人をかなり選ぶ映画かも…。
基本線としては、たぶん「がんばれ、ベアーズ」をやりたかったんだと思う。弱小少年スポーツチームを新任監督が立て直していく話。その監督自身も過去に傷を持っており、チームが強くなるにしたがって、彼自身もまた再生していく…。そんな王道的なパターンだ。さらに、チームの少年たちも子供ながらに、様々な悩みや問題を抱えている。その中の一人、エース格の少年とマドンナ的少女との淡い恋、少女の難病、そして病床の彼女のために勝利を誓う…と、けっこうベタな横糸も組み込まれる。
そして…これらの設定がベタだということに気づくいとまもないくらいに次々と繰り出される陣内流の演出! これがとにかくすごい! マンガを実写化したようなキテレツなシーンが延々と続く。最初の20~30分はどうなることやら…と、寒~い気分で見ていたのだが、後半になってくると慣れのせいか、しだいにその演出が快感になってくるから不思議なものだ。それが最高潮に達するのは、クライマックスの最強の敵との決戦。なぜか試合会場にいる全員が「♪ラタタンタ~ン…」と歌いだしてしまうシーンだろう。森公美子はこのための要員だったのか!…と思わず拍手したくなるのである!
そんな、常識にとらわれない演出の一方でホッケーの試合のシーンは、これがやたら迫力だったりする。アイスホッケーのことを「氷上の格闘技」というそうだけど、本当にそれが納得できる迫真の映像に仕上がっていて、小学生同士の試合ながら思わず画面に引きつけられる。そして、最後は…。もうお約束なんだけど、けっこうカタルシスを感じてしまっている自分がいた。おそるべし陣内監督。うーむ。(^v^;;

(タップダンスでチームを鼓舞する不思議な監督の森山クン…)
Sm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月30日 (日)

グミ・チョコレート・パイン

■映画「グミ・チョコレート・パイン」 テアトル新宿

原作は未読でしたが、オーケンだったらおもしろいだろう…ということで見てきました。あわただしい年末の最終回上映(18時50分~)でしたが、お客さんはけっこう入ってましたね。

ストーリーはこんな感じ。
「失業して実家に戻ってきた賢三(大森南朋)は、1通の手紙を見て高校時代を思い出す。1986年、賢三(石田卓也)たち3人の男子高校生は、サブカル談義に花を咲かせ『オレたちは何かができるはずだ』と息巻くものの、何が変わるわけでもない毎日を送っていた。そんなある日、賢三は名画座であこがれの同級生、美甘子(黒川芽以)に出会う。」(シネマトゥデイ)

これは良かったな~。2時間以上あるんだけど、少しも長いと思わなかった。冒頭で、「これは全然ドラマチックじゃなく、カッコわるい、どこにでもある青春を描いた映画です…」的なナレーションが入る。たしかにそんな映画だと思う。多少の年代や地域のズレはあっても、人間のやること、ましてや若者のやることなんて結局は同じだからだろう。ついついニヤニヤしながら見てしまうシーン、「そうなんだよなぁ…」と思わず共感してしまうシーン。自意識過剰とムラムラ、シコシコの繰り返し。カッコいいエピソードはほとんどなく、情けない出来事ばかりである。主人公たちのアホさ、マヌケさ、優柔不断さは、同時に自分のそれでもある。
また、この映画は「21年前」と「現在」がカットバックで進行していくんだけど、この現在編のトホホさ加減もかなりのものである。これもまた美化されてない分、共感してしまう人も多いことだろう。青春時代ばかりがカッコわるいわけじゃないのである。アホさ、マヌケさは今も変わってない。さらにいうなら、現在の主人公たちの親の世代のカッコわるさも描かれている。つまり、人間、年齢を重ねてもずーっとカッコわるいのである…。
この映画は、そういうけっこう大きなテーマも含め、いちいちすべてのエピソードの意味を考えることができるような作りになっていると思う。見終わったあとも、いろんなシーンがどんどんよみがえってくる。ケラ監督(脚本も)作品を見たのは初めてだけど素直にサスガだと思った。配役も良かった。高校生編も現代編もばっちりハマっていたと思う。

(黒川芽以さんは終盤の8ミリフィルムのシーンが美しすぎます…)
Gumi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月26日 (水)

魍魎の匣

■映画「魍魎の匣」 錦糸町TOHOシネマ

12月中有効の東宝映画招待券があったので、何か見よう…とシネコンへ。ちょっと考えて、田中麗奈さんが出てる、というだけの理由で「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」を見てきました。

ストーリーはこんな感じ。
「戦後間もない東京で、美少女連続殺人事件が発生。引退した元女優・陽子(黒木瞳)の娘も姿を消し、探偵の榎木津(阿部寛)は行方を追う。一方、作家の関口(椎名桔平)と記者の敦子(田中麗奈)は、不幸をハコに閉じ込める教団に遭遇。榎木津、関口、敦子らはそれぞれの謎を胸に、京極堂(堤真一)の元へ集まってくる。」(シネマトゥデイ)

ちなみに原作は未読。さらにいうなら京極夏彦作品自体が未体験。従って、どんな話なのかもまったく知らずに見てしまったのだった。
そして結論は…「これでおもしろいと思う人がいるのだろうか…」。原作は500万部も売れているというのだから、読んでないけどたぶんおもしろいんでしょう。ファンもたくさんいるはず。原作ファンは相当怒ってるんだろうな…などと思ってしまった。
人気俳優がたくさん出演してるから、画面はかなり豪華。戦後の東京という設定のところを中国でロケしてるので、「どう見ても東京じゃなくて中国だろ…」という場面が多いものの、まあ映像もきれいだといっておこう。
でも、全体の流れが悪すぎるというか、物語に引き込まれていく要素があまりなかった。ミステリのお約束、終盤のタネ明かしもセリフだけで展開するからダイナミックさがまったくないし…。
個人的な収穫は、田中麗奈さんが明るい役で元気だったのと、殺される少女を演じた谷村美月さんの好演と美少女っぷり。特に谷村さんは、それほど大きい役じゃないのに、ものすごく存在感があって印象に残った。

(それとも原作をちゃんと読んでいたらおもしろいのだろうか…)
Mou2

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年10月17日 (水)

サウスバウンド

■映画「サウスバウンド」 新宿ガーデンシネマ

この作品は、奥田英朗氏の原作を単行本の時に読んでいます。小説版はメチャクチャおもしろかったのですが、原作が良かった場合、それを超える映像作品というのはまず出来ないのが普通なので、期待半分で…という感じです。

ストーリーはこんな感じ。
「浅草に住む小学6年生の上原二郎(田辺修斗)は、疑問に感じたことには猛然と盾つく父親の一郎(豊川悦司)を恥ずかしく思っていた。ある日、母親さくら(天海祐希)の発案で、一家は父の故郷である沖縄の西表島に引っ越すことになる。島民に温かく迎えられる上原家だが、そこでもまた一郎は観光開発業者を相手に闘うはめに…。」(シネマトゥデイ)

もともとが二部構成のかなり長い作品。それを2時間程度の尺に収めるのだから、どうしても主なエピソードをなぞっただけになることは予想された。そして、その予想通りの映画になってたんじゃないだろうか。原作を読まないで映画を見た人には(それはある意味で正解なんだけど)、「原作はこの10倍はおもしろいんだよ!」と言ってあげたい気がする。
個人的には、この映画は「超ロングバージョンの予告編」として頭の中に残りそう。好きな小説が映像化されて、景色や人物に具体的なイメージが与えられるのは、それなりに楽しいものだ。この映画の映像を思い浮かべながら、もう一回小説を読み直してみようかな…。

キャストでは、元過激派の父親役・豊川悦司氏はけっこうハマり役。子供たちも良かった。ただ、母親役の天海祐希さんは、なんとなく違うような気がした。夏川結衣さんみたいな、やや控え目な雰囲気の女優さんの方が(原作の感じには)近かったのではないだろうか。

(この作品も中島美嘉さんの主題歌がいまいちあってなかったような…)
South

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月12日 (金)

クローズド・ノート

■映画「クローズド・ノート」 歌舞伎町・コマ東宝

「この映画の見所は?」「特に、ないです…」という一連の騒動の方が盛り上がって、肝心の映画はどこかにふっとんでる様子。気の毒なことです。まあ、そんなわけで見てきました。(^v^;;

ストーリーはこんな感じ。
「女子大生の香恵(沢尻エリカ)は引っ越しの際、前の住人が忘れていった1冊のノートを見つける。ある日、香恵は画家の石飛(伊勢谷友介)に恋をするが、相談相手の親友ハナは留学中で連絡もままならない。もやもやした気持ちを紛らわすように香恵はノートを開くが、挟まれていた写真にノートの持ち主の伊吹(竹内結子)がいた。」(シネマトゥデイ)

現在進行形の話とノートに残された過去の話。並行して進む2つのエピソードにはどういう関係があるんだろう…と戸惑わされる導入部分。ところが、物語が展開していって、両方の世界の接点が見えてくる中盤にさしかかると俄然おもしろくなってくる。もう、あとは一気でしょう。最後の落としどころは…やや微妙かな、という気はしたけど、まあこれはこれで。
いちおう恋愛ものという体裁だけど、実は2つのエピソードとも“恋愛未満”の話なんだよね。ちゃんと彼氏と彼女としてつきあうところまではいってない。でも、その恋に落ちる間際のドキドキ感や微熱っぽさ、戸惑い…みたいな空気感が、個人的には好ましかった。
たとえば、沢尻エリカさん演じる香恵が画家に差し入れにいこうと料理をつくる。その時、彼女が感じてるであろう幸福感。彼との間で考えられるいろんな未来を勝手に想像して…。分かる分かるその感じ、と誰もが思うだろう。ところが、彼のアトリエに行ってみると、仲の良さそうな女性編集者が出現。よく観察すれば彼女じゃないってすぐ分かりそうなものなのに、今度は勝手にネガティブな想像を膨らませて一気に奈落の底へ…。このジェットコースターっぷりがカワイイというか何というか。良かったです。
それにしても沢尻エリカさん、やっぱキレイだよ。スタイルも抜群だし。ニコニコ風に言うなら、「閣下、お美しゅうございます」と跪きたい気分デス。(^v^;;

演出のテンポはゆったり目。主に京都でロケされたのであろう映像も1970年代?…と思うような、落ち着いた現代日本の美しさがたっぷりで、とても良かった。
こういう話だと、ちょっと前までは、すぐにタイムスリップさせたり死んだ人が生き返ってきたりしたものだけど…。本作はそういうギミックを一切使わず、抑制的なつくりになってたところも好印象(まあ原作がそうなんだろうけど)。沢尻さん以外のメインキャストである竹内結子さん、伊勢谷友介氏も好演だったと思った。

(ラストに流れるYUIさんの曲。全体の雰囲気とちょっと合ってなかったかも…)
Closed

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年10月 8日 (月)

包帯クラブ

■映画「包帯クラブ」 渋谷Q-AX

全国公開していた時には不入りが伝えられてたこの作品。でも、東京でも単館になるとさすがにお客さんが集中したようで、私が見に行った日も8割以上の入りでしたね。

ストーリーはこんな感じ。
「大切なものが少しずつ失われていく毎日に、嫌気がさしている女子高校生のワラ(石原さとみ)は、ある日、病院の屋上のフェンスを乗り越えようとする。そのとき、奇妙な関西弁を話す入院患者の少年ディノ(柳楽優弥)が、突然ワラの前に現われる。手首に傷を負ったワラの心の傷を見抜いたディノは、ワラの手首からほどけ落ちた包帯をフェンスに結び付け…。」(シネマトゥデイ)

これはけっこう好きだな~。お客さんはカップルらしき人たちが多かったけど、あんまりデートムービーって感じじゃない。物語のテンポの良さとは裏腹に、いろいろと考えさせられるテーマを内包したずしんと手ごたえのある作品だと思った。
誰でも心に持っている傷や痛み…。しかし、その傷を負っているはずの人が実は他の人を傷つけていたり、あるいは誰かの傷を癒そうとする行為がさらに他の人を傷つけている可能性もある。でも、何かをしないと何も変わらないし…。
この映画から読み取れるメッセージは複雑で、単純にこれが善でこれが悪…みたいな結論は出していない。まずはそこがいい。現実もそんなに簡単なものではないから。でもその上で、身動き取れなくなってしまうのではなく、それでも前に出てみたら?…というポジティブな意思が底流にある。だから、見終わった後に、現実のやりきれなさと立ち向かう勇気をくれる作品になっているような気がした。
全編、物語のスピード感が速すぎも遅すぎもしない。高崎という地方都市の空気が生み出すゆったり感、そして若者たちの心の中の焦燥とのバランスが、映画としての心地よい流れを生んでいる。撮影も美しく、途中にインサートさせる景色の美しさに癒される。
主演の柳楽優弥は、ディノという難しい役をしっかり演じていて、この映画が引き締まった最大の要因になっていると思った。対するワラ役の石原さとみはTVでおなじみの親しみやすい存在感が、ともすれば重い方向に流れそうになる物語を明るく支えている。飄々とした中にふと痛みをみせた田中圭も良かった。

(高所恐怖症の人にはかなりコワイ映画になってるかも。私もコワかったです…)
Hotai

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年9月 9日 (日)

釣りバカ日誌18

■映画「釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」 新宿・歌舞伎町ジョイシネマ

スタートから20年、通算20作目というシリーズ作品。しかし、このシリーズを映画館で見るのは初めてだなあ。きっかけは檀れいさんが出てるのを知ったからです。

ストーリーはこんな感じ。
「鈴木建設の創業以来、長年務めてきた社長の座を退任し会長職に就任することになった“スーさん”こと鈴木一之助(三國連太郎)。しかし就任早々、謎の失踪を遂げてしまったスーさん。鈴木建設の重役たちが大騒ぎする中、スーさんの奥さんに頼まれた“ハマちゃん”こと浜崎伝助(西田敏行)は、わずかな手がかりを元に、岡山県へと旅立つのだが…。」(シネマトゥデイ)

檀れいさんといえば宝塚OG。私が宝塚ファンやってた頃に、ちょうど彼女が新人で入ってきたので、初期からけっこう見てた記憶がある。最初は下積みが長くて、娘役というと若くして抜擢されていくタイプが多い中では苦労人なんだよね。そんな檀れいさん、本作ではマドンナ役。とにかく大きくフィーチュアされてて、ファンなら十分満足の出来ではないだろうか。
映画自体は、ストーリー、演出ともにベタといえば思いっきりベタ。でも、2時間を気軽に楽しむ娯楽としてはまあ良かったかな。この作品、チケットショップならどこでも1000円なんだよね。送り手側も気楽に楽しんでほしいと考えてるんだろうと思う。
気になったのは、主演の西田敏行、三國連太郎両氏をはじめ、レギュラー出演者の高齢化。さすがにプロで、年齢を感じさせない元気な演技を見せてはいるんだけど、そういつまでもやれるものでもないだろう。そこで、ドラえもんの声優陣が若返りしたように、一気に若返らせてしまうのはどうでしょう。ハマちゃんは山口智充、スーさん舘ひろし…なんてどうかな。

(ロケ地は岡山県。こういうのも誘致合戦とかあるんでしょうね)
Tsuri

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月25日 (土)

ベクシル 2077 日本鎖国

■映画「ベクシル 2077 日本鎖国」 新宿・歌舞伎町ジョイシネマ

珍しくアニメ作品。予告編を一回見たことがあったのと、これまた現実逃避できそうだったので…(そんなに逃避したいのかよ!と自分に突っ込み)。

ストーリーはこんな感じ。
「21世紀初頭、世界市場を独占した日本のハイテク技術は危険視され、国際規制の対象となった。 これに猛反発した日本は国連を脱退し、鎖国を強行。それから10年間、ハイテクを駆使した完全なる鎖国により日本の実像は厚いベールに隠された。 2077年、日本に潜入した特殊部隊の女性兵士ベクシルは、異様な光景を目撃する。」(シネマトゥデイ)

いや~、これ設定はメチャクチャいいよね。いきなり「鎖国」だもん。それだけでワクワクさせられる。こういうSFものっていうのは、一種のホラ話を楽しむって要素もあるわけだから、設定はブッ飛んでるくらいでちょうどいい。
ただ、それを単なるヨタ話に終わらせないためには、ディテールの整合性だとかいかにもありそうな話の積み重ねだとかが重要になってくる。小さなホントの集積が、最終的にでっかいウソ(ホラ)を成立させる…というパターン。
ところが、この作品、その脚本とかディテールが圧倒的に弱く、なんとも惜しい作品になっている。特に脚本だろうな。突っ込みどころ満載。こういうのを見てしまうと、ハリウッド製のSF/アクション大作がなんだかんだ言われながらも、やはりよく練りこまれてるということを再認識させられてしまったりする。特に、肝心の日本鎖国が、単なる一科学者の狂気が原因だった…という結末の貧弱さには、しばしボーゼン。子供だましにすらなってないんじゃない?

映像は独特の雰囲気があって良かったと思う。アクションシーンもまずまず。ただ、メカや風景のデザインなど、なんとなくどこかで見たことがあるような意匠があちこちに。こういうのって、まったくオリジナルで作るのは、やはり難しいのだろうか。あと、「サイトウ」が「NANA」に出てくるヤスにそっくりだし。ゲスト出演してたのか?(^v^;;
(キャラデザインで、日本人とアメリカ人の区別がつかないのも難点かも)
Vex

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月20日 (月)

遠くの空に消えた

■映画「遠くの空に消えた」 新宿・歌舞伎町ミラノ3

見たい作品はいろいろあったのですが、いちばん現実逃避できそうな一本を…と思って、この作品をチョイス。実は、週明けからかなり忙しくなりそうだったので、気持ち的に癒しを欲してたのかも。

ストーリーはこんな感じ。
「亮介(神木隆之介)は、父親(三浦友和)の都合で広大な大地の広がるのどかな町に転校してくる。彼の父親はここに空港を建設するために、推進派のリーダーとして送り込まれたのだ。亮介と空港建設反対派の青年(田中哲司)にかわいがられている悪ガキの公平(ささの友間)は犬猿の仲だったが、ある晩、偶然二人は出会い…。」(シネマトゥデイ)

あらすじだけ読むと、けっこう現実的な話みたいだけど、実は舞台はファンタジーの町。どこか宮沢賢治の描くイーハトーブを映像化したような世界で、昭和初期の北海道あたりのようでもあり、戦後のようでもあり…。
この映像で作り出す世界は、かなり凝ってて見ごたえ十分。実際力も入ってるんだろうと思う。ロケーション、セット、衣装…。田舎町唯一の社交場である酒場なんて最高。キッチュな女給さんたち、楽しいバンド(なんと梅津和時氏がリーダー)、教室に貼られたキリル文字。サワコ先生(伊藤歩)が謎の飛行人間と恋に落ちる森や、雲の上にぽっかり浮かんだ大きな月のカットもすごく良い。ヒハル(大後寿々花)の持っていた隕石が発光しながら病室の中を飛び回り、ガラス窓を突き破って空に向かっていくシーンも大好きだ。
でも、肝心の物語というかストーリーに、なんとなく求心力が欠けているのは残念。決しておもしろくないわけじゃないんだけど、どうもぐいぐい引っ張られるものがない…といいましょうか。結末もあっけないといえばあっけないし。あと、少年が主人公とはいえ、ちょっと下ネタが多すぎるのも気になった。感想を一言でいうと、「惜しい!」って感じだろうか。

(この映画のセットや衣装を集めたフォトブックなんて楽しそうだと思う)
Tosora

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 3日 (金)

天然コケッコー

■映画「天然コケッコー」 新宿 武蔵野館

予告編は何度か目にしたことがあって、自然が豊かな田舎を舞台にした作品…のイメージ。夏休み気分が味わえるんじゃないかな~と思って見に行ってみました。

ストーリーはこんな感じ。
「小中学校合わせても、たった6人の生徒しかいない田舎の分校に、東京から転校生の大沢(岡田将生)がやってきた。そよ(夏帆)は、都会の雰囲気漂う大沢に心ときめくが、彼の冷たく乱暴な言動に戸惑いを覚える。しかし、海水浴でのあるできごとをきっかけに、そよの大沢に対する印象が変化し始める…。」(シネマトゥデイ)

中学生のほのぼの恋愛。刺激的な展開はほとんどないんだけど、まあそこがいい…って感じかな。でも、自分の中学時代を振り返ってみると、もっと全然ガキンチョだった気が。うーむ。(^v^;;
さて、この映画もコミックが原作。そっちは未読なんだけど、全編にわたって少女マンガらしいエッセンスが詰め込まれた映画に仕上がってたような気がした。ここでいう「少女マンガらしさ」っていうのは、「私もこんな恋がしてみたいな~」という妄想、主人公へのなりきりが気持ちいい展開…という意味。
自分のクラスにイケメンが転校してくる。ベタだけどオープニングの基本。しかも、そのクラスにはライバルは不在。なぜなら同級生の女の子は自分一人しかいないのだ! 常にイケメンと一緒の学校生活! 妄想ネタとしては最高のシチュエーション。しかも、イケメン・大沢は絵に描いたようなツンデレ。さらに自分に思いを寄せる別の男(郵便局のシゲちゃん)まで現れるし…。多少キモくても女冥利に尽きるってもんです。
もちろん、平和なだけじゃなく、自分の父親と大沢の母親に昔なにかの関係が?…と悩み事もあったりする。でも、思春期は悩みがないのもつまらない。適度な悩みは青春のスパイスだ。
そして、ラストは東京の高校に進学するのかと思ってた彼が、ボウズ頭になってまで自分を選んでくれた…という超絶ハッピーエンド!…これって、女性が主人公になりきって見たら、「こういう中学時代もいいな~」と思えること間違いなしなんじゃない? 男の私でもそれなりに楽しかったしね。

それと、この映画でいいなと思ったところは、田舎イズビューティフル!という単純な図式に陥ってないことだろう。濃厚すぎる人間関係とか無遠慮な隣人の視線とか、田舎には田舎の大変さってあるよね。そのへんの皮膚感覚もうまく描いていたと思った。映像もきれいだったしね。

(ちょっと大人っぽくなった夏帆さんのフレッシュな存在感が良かったです)
Koke

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月18日 (水)

アヒルと鴨のコインロッカー

■映画「アヒルと鴨のコインロッカー」 恵比寿ガーデンシネマ

評判上々で週末は満員続きという本作。でも、水曜なら割引デー。一律1000円…と聞いたので行ってきました。さすがに平日の昼間だったにもかかわらず約9割の入りでしたね。

ストーリーはこんな感じ。
「大学入学のため仙台に引っ越してきた椎名(濱田岳)は、奇妙な隣人の河崎(瑛太)に出会う。初対面だというのに河崎は、同じアパートに住む孤独なブータン人留学生に広辞苑を贈るため、本屋を襲おうと奇妙な計画を持ちかける。そんな話に乗る気などなかった椎名だが、翌日、モデルガンを片手に書店の裏口に立っていた…。」(シネマトゥデイ)

一言でいえば青春ミステリーという感じの作品。原作は未読だったんだけど、これは絶対に読まずに見るのが正解だと思った。前半で提示された謎が、後半に解明される…という構造で、ラストまでテンポよく一気に見てしまう。濱田岳、瑛太、関めぐみ…などキャストもハマってたしね。
…というわけで、たしかにおもしろいんだけど、気になったところもちょっとあったので書いてみることにしよう。※以下ネタバレですよ。

まずは、濱田岳の主人公が、単なる狂言回しになってないか…というところ。瑛太、関めぐみ、松田龍平…の3人が織り成す過去の物語があまりにも強力なので、どうも濱田の役が冴えない。本来なら、前半に現れる様々な謎を彼が探偵役となって解いていけばよかったのだろうが、結局ペットショップ店長の大塚寧々と一緒に瑛太を尾行しただけで、謎の大半は解明されてしまう。後は、瑛太の一人語りとなる。
濱田岳の父親の病気、入学したばかりの大学をやめて帰ってこいといわれる展開などは、彼にも物語の中で何かの役割を与えようとしたのだろうけど、いまいち中途半端に終わっていないか。だから、青春映画に欠かせない“主人公の成長ストーリー”という部分が明確に伝わってこない。
瑛太もそうだ。たしかに復讐は果たした。しかし、それによって彼は何を得たのだろうか。それが、あとになって考えても釈然としない部分である。

細かいところでは、動物殺しの犯人が関めぐみを自動車でひき殺し、自らも事故にあう。あの後、彼はちゃんと逮捕されて服役してたんだよね? それを明確に示す描写やセリフがなかったので、ざっと考えても、動物虐待、傷害未遂、脅迫、傷害致死(ひき逃げ)、さらには業務上過失傷害・器物損壊(他の車との激突)…などの罪に問われたはずの人物が、なぜ普通に店番してるんだ?と思ってしまった。よく考えれば、瑛太は彼が出所してくるのを数年間じっと待っていて、新聞の写真で犯人の出獄を知った…というところなんだろうけど。まあ、それにしても出所は早すぎるけどね。

(外国人差別、そして異国での孤独…というのも重要なモチーフになっている)
Ahi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年7月10日 (火)

吉祥天女

■映画「吉祥天女」 新宿ジョイシネマ

公開は6月30日。なかなか時間があわなくて行けなかったのですが、ようやく見てきました。平日のせいか劇場のお客さんはまばら。見たい方は早めに行っておくことをオススメします。

ストーリーはこんな感じ。
「平凡な高校生由以子(本仮屋ユイカ)のクラスに、美しい転校生小夜子(鈴木杏)が転入してくる。彼女は学校周辺の土地を所有する名家の生まれで、5歳から親せきの家に預けられていたが、12年ぶりに生家に戻ってきた。土地買収を企む新興の遠野家は彼女と長男暁(深水元基)との政略結婚の話を進めるが…。」(シネマトゥデイ)

ささっと目を通した映画評などでは、あまりほめてるものがなかったのだけど、見終わっての素直な感想としては、「けっこう良かった」というのが第一印象。楽しめたと思う。原作は、吉田秋生の有名なコミック。でも、個人的には未読だったというあたりが、思い入れがない分、案外良い方向に作用したのかもしれない。
映画が始まってすぐに感じたのは、全体に“クラシック”な雰囲気が漂ってる作品だなということだった。舞台は昭和45年(1970年)の金沢。設定だけじゃなく、映画の空気感、つまり物語の構造や演出のテンポ、さらに撮影までもが、どこか昔の日本映画を見てるような気分にさせてくれる。現代のテンポのいい映画に慣れた感覚だと、なんとなくヤボったく感じるかもしれないけど、個人的には、懐かしいような気がして、知らず知らずのうちに引き込まれていった。そうなると、多少物語の展開に無理があったとしても全部許せる気になってくるから不思議なものだ。
また、全体にソフトフォーカス気味の撮影も印象に残った。金沢の北陸らしい風土を意識したのか、晴れのシーンでもどこか薄曇りっぽい光線の加減。このなんとなく暗い感じ…が、また昔の日本映画っぽくて…。(^v^) 地方の旧家を再現した美術も良かったしね。

配役では、鈴木杏さん。天女の末裔といわれるほどの美女…かどうかは微妙だったけど(失礼)、目だけの芝居は素晴らしかった。本仮屋ユイカさんは、普通の高校生役がぴったりハマってた。凄惨な物語の中でのまさに清涼剤だったのではないだろうか。脇も、江波杏子、嶋田久作、津田寛治、市川実日子…となかなかシブく素敵。
ところで、男優陣の中で勝地涼、深水元基の2人は、不良高校生という設定だからか、やたらいつもタバコを吸っている。最近、テレビや映画での喫煙シーンが非常に減っているので、これだけスパスパやる映画は久しぶりに見た気がしたな~。妙な感想だけど…。

(鈴木さんは、なぜか「小夜子」にご縁があるようです)
Kt3

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年6月20日 (水)

キサラギ

■映画「キサラギ」 池袋シネリーブル

評判がとても良かったので、ちょっと時間が空いたスキに見てきました。登場人物が全員アイドルオタク(?)というところも、妙なご縁を感じたりして…。

ストーリーはこんな感じ。
「売れないグラビアアイドル如月ミキが自殺して1年。彼女のファンサイトの常連である5人の男が追悼会に集まる。家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)ら5人は、思い出話で大いに盛り上がるはずだったが、「彼女は殺された」という言葉を引き金に、事態は思わぬ展開を見せ始め…。」(シネマトゥデイ)

いや~、これはやられたわ…。前評判通り、とてもとてもおもしろい映画でした。いちおう多少安くなる前売チケットを買って行ったんだけど、1800円の通常料金で見ても十分すぎるくらい満足したと思う。
登場人物は男ばっかり5人(前出以外には、塚地武雅と香川照之)。しかも、物語は全編、閉ざされたビルの一室で進行する会話劇。見る前は、「自殺したアイドルの話なんて、暗いんじゃないの…?」と、あまり気が進まないところもあったんだけど、映画が始まると一気に引き込まれてしまう。
最後までまったくダレることのない演出のテンポの良さ、男ばかりの地味な絵柄を補ってあまりある脚本の巧みさ、さらに個性的な出演者の熱演…。練りこまれた芝居の舞台を見てる気分になってくる。意表を突く展開と張り巡らされた伏線、サスペンスと笑いの同居、そしてラストでは思わずホロリとさせられる要素もあったりして…。
推理劇という側面が強くはあるけど、同時に「アイドルとは何なんだ」というところも、一度でもアイドルファンをやったことがある人なら思い当たるところが多々あるのではないだろうか。見に行ってよかったですよ。

(ラストの宍戸錠のくだりだけは蛇足?と思ってしまったんだけど。どうなんでしょう)
Kisa

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年6月17日 (日)

きみにしか聞こえない

■映画「きみにしか聞こえない」 池袋シネマサンシャイン

最近、主演映画が公開されまくってる成海璃子さん。今年になって3作目ですね。勢いで公開2日目に見てきました。原作は未読だし、どんな話なのかもあまり知らずに…という感じです。

ストーリーはこんな感じ。
「内気で友だちのいない高校生のリョウ(成海璃子)は、ある日、公園でおもちゃの携帯電話を拾う。数日後、彼女が保健室にいると着信音が聞こえ、若い男性の声が聞こえてくる。なぜか、二人は電話がなくてもテレパシーで通話できるようになり、長野に住むシンヤ(小出恵介)と、横浜で暮らすリョウの不思議な交流が始まる…。」(シネマトゥデイ)

一般的には「泣ける映画」に分類されてしまうのだろうか。たしかに、隣で見てた女性なんて、終盤もう泣き通しだったし…。でも、個人的には、リョウとシンヤの2人が、お互いの存在によって救われていくプロセスこそが、この作品の根幹なんじゃないかと思った。最後のエピソードは、失われることによって、その失われたものの大切さがより痛切に分かる…というものだろう。
基本的なテーマ、細かい伏線の張り方や小道具使い、押しつけがましさのない演出など、全体には好感の持てる内容である。また、主演の成海璃子さんの演技、存在感もファンなら必見だと思った。

でも同時に、そういう良いところは認めたうえで、いまひとつツボにハマりきらない気がしてしまったのも確かなことだった。全体的にファンタジーテイストだからだろうか。キレイに撮ってるのは分かるんだけど、なんとなく書き割り的で切実さが足りないと思うようなところもある。
肝心の2人の交流によって、それぞれが変化していくところ。あまりにもソフトに描かれてるので、「なぜ変わったの?」という感じ。あるいは、シンヤについてはあまりにも天使的に描かれていること。本当なら、家庭環境やハンディキャップなど、様々な悩みや葛藤があったはずだろう。特に、ハンディのことをリョウにどう伝えようか…とか。そのへんが、かなり淡白という気がしてしまったのだった。
まあ、じわっとくる感じの作品なので、2回目とかに見るとまた印象が変わってくるのかも…。

(今回の話って「あしたの私のつくり方」の逆バージョンですかね?)
Kmn

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年5月31日 (木)

しゃべれども しゃべれども

■映画「しゃべれども しゃべれども」 新宿 武蔵野館

最近、プチブレイク(?)している佐藤多佳子さんの小説を映画化…というので見てきました。この原作を読んだのはもう4~5年前になるような気がします。

ストーリーはこんな感じ。
「思うように腕が上がらず、壁にぶち当たって悩む二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)。そんな彼がひょんなことから始めた話し方教室に、無愛想で口下手な美女・十河五月(香里奈)、大阪から引っ越してきたものの、勝ち気なためにクラスに馴染めない小学生・村林優(森永悠希)、毒舌でいかつい面相の元野球選手・湯河原太一(松重豊)が通い始める。」(シネマトゥデイ)

とても丁寧に作られてる感じの作品。原作がそうだから、物語に派手さはないし、ストーリーで引っ張っていく話でもない。ドンパチもないし、人も死なないし、爆笑も泣かせる場面もない。かわりにあるのは、クスッと笑える会話や、世の中も捨てたもんじゃないなと思わせてくれるいくつかのシーン。ラストで分かりやすい決着をつけたのを見て、「あれ、原作ってどうだったっけ?」と思ったんだけど、まあ映画としてはこれもありかな…。気持ちよく2時間を過ごすことができましたよ。
出演者では、やはり伊東四朗氏がダントツのウマさ。落語の師匠の役なんだけど、高座で一席やるシーンなんて本物の噺家かと思うくらいの出来ばえで、その芸達者さに感服させられた。まあ、落語通の人が見てどうかは分からないけど、素人からすれば完璧といってもいい。
主人公の国分太一氏も好演&熱演。予想以上に楽しめたのは、彼の頑張りがあってのことだろう。あえて難を探せば、原作の三つ葉のイメージからすると男前すぎることだろうか(同じジャニーズなら、V6のイノッチくらい?あくまでもビジュアルだけの話ね)。
香里奈さんは、つっけんどんにしかしゃべれない女の役。三つ葉と2人でほおずき市に行く場面の浴衣がとてもよく似合ってるんだけど、終始無愛想でツンデレならぬツンツンなところが良いね。ラストの笑顔は、もうちょっとぎこちなさがあれば…。

平日にもかかわらず、劇場は8割以上の入り。評判上々みたいで何よりです。大作映画的なダイナミックさとは無縁だけど、個人的には好きなタイプの作品ですね。

(こんな「みんなでニッコリ」的な場面は映画の中にはなかったような…)
Shabe

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年5月 5日 (土)

あしたの私のつくり方

■映画「あしたの私のつくり方」 渋谷アミューズCQN

GW前の「神童」に続いて、成海璃子さんの主演作品。なんかものすごい成海璃子ファンだと思われそうだな~(えっ、違うの?…というツッコミ入るよね)。今回も原作は未読で、予備知識は予告編を見た程度。でも、市川準監督はけっこう好きなので、期待してた部分もありましたね。

ストーリーはこんな感じ。
「学校では仲間外れを恐れて目立たず、家では両親を気遣い良い子を演じる寿梨(成海璃子)は、周りに合わせてしまう自分に違和感を感じていた。小・中学校で同級生だった日南子(前田敦子)は、優等生からクラスで無視される存在に転落。ある出来事を思い出した寿梨は、疎遠になっていた日南子に架空の物語を携帯メールで送り始める。」(シネマトゥデイ)

予告を見たりした感じから、いわゆる「いじめ」が題材になってるのかな…と予想してたんだけど、違いましたね。本題は「自分らしさを表現することに躊躇してしまう生きにくさ」ということなのだった。
これは、10年位前によく話題になったアダルトチルドレン(AC)そのものだといえるだろう。AC自体は、別に病気でも何でもないが、役割を演じ続ける歪(ひずみ)が心の中に蓄積していくと、しだいに生きにくくなってくる。この表現するのが難しそうなテーマを市川監督は、独自の繊細な手法でうまく映像化していたと思った。
この映画では、今を象徴するツール「携帯メール」がとても重要な役割を果たしている。現代的な道具を安易に使うと、なんとなく安っぽくなったりするのでは…という心配もあるんだけど、この作品は本当にうまく使っていて、まるで一昔前の映画で往復書簡を小道具にしているかのようなこなれ具合といってもいい。
(さすがに最後のテレ電を使う部分は、ドコモのプロモーションくささも若干感じてしまったけどね…。普通、ああいった話は声だけでしたくなるものではないだろうか。←感覚古いですか?)

主演の成海璃子さん。あいかわらず良いわ~。この人は本当にうまい。文句のつけようがありません。前田敦子さん。映画初出演なんで、演技ははっきりいってぎこちないんだけど、そこは市川マジック。違和感なく画面に収まってました。

市川監督の作風は、けっこうリピート鑑賞に耐えるというか、行間を読む感じの映画なので、分かりにくいという人もいるみたいなんだけど、個人的にはとても好きなんですよ。合い間にインサートされる風景の映像とかにも全部意味があったりする感じ。今回も良かったと思います。

(私の携帯はauですが音声のみしか契約してません。シンジラレナーイ!)
Aw

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月26日 (木)

恋しくて

■映画「恋しくて」 テアトル新宿

これも劇場で予告編を見たくらいの予備知識だけでしたが、BEGIN原案の音楽映画というあたりがひっかかって見に行きました。予告編での与世山澄子さんの歌もすごそうだったしね。

ストーリーはこんな感じ。
「高校生になった加那子(山入端佳美)は、久々に幼なじみの栄順(東里翔斗)と再会する。ある日、彼女の兄セイリョウ(石田法嗣)が突然バンドをやると言い出し、栄順がボーカル、幼なじみのマコト(宜保秀明)がギター、セイリョウがドラムを担当することが決定。加那子は照れ屋の栄順をなんとか人前で歌わせようと奮闘する。」(シネマトゥデイ)

見る前は、BEGINの代表曲「恋しくて」の「歌詞の世界を映画化した」のだと思っていた。映画版「涙そうそう」みたいにね。ところが、実は「BEGINというバンドの誕生秘話」を映画化したものだったのだ。中盤でやっとそのことに気づいたんだけど、でも音楽ファンとしてはかえって楽しめた感じかもしれない。
作品としては、すっごい自然児っぽい映画…というのが第一印象。特に、ヒロインの山入端佳美の伸び伸びとした存在感がそれを象徴している。中江裕司監督は、だいたいこういう作風みたいだけど、キャストの多くがオーディションで選ばれており、劇映画というよりドキュメンタリーに近いノリ、雰囲気さえある。沖縄らしいゆったり感や良くも悪くものルーズさが画面からあふれていた。
たしかに、バンド結成のいきさつとか、東京へ出るくだりなどは、あまりにも強引。でも、高校生が勢いだけで作ったバンドなんて、そもそもそういうもんだよな…といつのまにか納得させられてたり…。
そして、とにかく島中に色々な音楽が満ちている石垣島の空気感がダイレクトに伝わってくる。劇中で与世山澄子さんが歌う「What a Wonderful World」は、年季が入ったいぶし銀な歌唱で素晴らしいの一言。高校生がバンド合戦で次々と演奏するシーンも楽しいし、奄美大島のじいさんが三線を弾きながらさらっと歌いだすと、これがやたらカッコよかったり…と音楽映画としても、異色だけど見所満載。

…とここまで書いて、映画の公式サイトを見たら、「ストーリーはオリジナルで、実際のBEGINとは直接関係ない」と書いてある。うーん、やられたなぁ。サイトを見なかったら、少なくとも半分くらいは本当にあった話だと信じてたよ。だって、東京でのオーディションのシーンでは三宅裕司氏まで登場するんだから!(^v^;; ラストシーンだってそういう感じじゃん!

(山本リンダの名曲が大事な場面で使われてましたね。♪ウララ~ウララ~!)
Koi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月21日 (土)

神童

■映画「神童」 新宿 武蔵野館

今日が初日の「神童」を見てきました。原作は未読だし、劇場で予告編を1回見たことがある程度の予備知識だったんですが、音楽ものというあたりが琴線にひっかかった感じでしょうか。

物語はこんな感じ。
「ピアノの才能に恵まれた少女うた(成海璃子)は、神童として周囲の期待を背負いながらも自らの才能をもてあましていた。母親との関係や制約の多い窮屈な日常に嫌気がさしていたある日、落ちこぼれ音大受験生ワオ(松山ケンイチ)と出会う。彼と一緒に過ごすうちに音楽の真の喜び、人の心の温かさに目覚めてゆく。」(シネマトゥデイ)

クラシック音楽を学ぶ若者たちを題材にした作品というと、最近では「のだめ」がすぐに思い出されるけど、こちらはコメディではなく、けっこうまじめな作風。いろんな伏線や状況説明などをセリフでしないで、小道具やちょっとした動作などで示すだけの演出は、派手さはないけど好印象だった。
全体的には、主演の2人が良かった。成海璃子さんは若いけど、主演女優というオーラがしっかりあるし、目力が素晴らしい。もともと大人びた顔だちなので、これから年齢が追いついてくるに従ってどんどんキレイになっていきそうだ。松山ケンイチ氏は、現在放送中のテレビドラマ「セクシーボイスアンドロボ」でも、女子中学生に振り回される役を演じている。そういうちょっと情けない系の役が似合うキャラなのかもしれないけど、あったかい演技で十分に持ち味を出していたと思った。
ただ、見終わったあと、いまひとつスカッとしないのは、脚本的になんとなく山場感がないせいかもしれない。また、うたと和音(ワオ)がいろんな出来事を通じて成長していく…という、若い人が主人公の時に欠かせない成長物語の要素が、いまひとつ出きってない気もしてしまった。

余談だけど、クラシックのコンクールとかって、ほとんどスポーツの世界だねぇ。特に、フィギュアスケートやシンクロみたいな採点競技とは、まるっきり同じジャンルのような気がする。芸術なんだけど「美しさ」だけじゃダメで、同時に「技術的な難しさ」もないと評価されないところとかね。

(スポ根もの的なクラシック映画なんかもあったら見てみたいです)
Sd

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年4月 1日 (日)

檸檬のころ

■映画「檸檬のころ」 池袋シネマ・ロサ

2日連続で榮倉奈々さん主演の映画です。なんかものすごい榮倉奈々ファンだと思われそうだな~(えっ、違うの?…というツッコミ入るよね)。原作は未読。でも、豊島ミホさんが自分の高校時代を描いたエッセイ(「底辺女子高生」)は読んだことがあり、その分、親近感を持って見ることができたかも。

ストーリーはこんな感じ。
「吹奏楽部の指揮者で成績優秀な加代子(榮倉奈々)は、中学時代から思いを寄せられている野球部の西(石田法嗣)の気持ちにこたえられずにいた。一方、音楽ライターを目指す恵(谷村美月)は、軽音楽部の辻本(林直次郎)と出会い、音楽談義に花が咲く。高校最後の文化祭を前に、恵は辻本が初めて作った曲の作詞を頼まれる。」(シネマトゥデイ)

これはずばり「谷村美月の映画」だと思った。加代子(榮倉奈々)と恵(谷村美月)は、同じクラスメートという設定。でも、それぞれのエピソードにはあまり接点がなく、榮倉編・谷村編でオムニバスにしてもいいくらいの雰囲気だった。
まずは、先行する榮倉奈々編。これは、彼女を中心とする淡い三角関係、そして進学による別れを描いたもの。誰にでも(特に地方出身者には)思い当たるところが多い話で、「分かる、分かる…」となる切ないエピソード。でも、言ってしまえばそれだけ…という感じでもある。お話としては、もうちょっと何かヒネリや掘り込みが欲しかったところかな~。
一方の谷村美月編。音楽という共通の趣味によって心を通わせたカッコいい同級生。ところが彼には彼女がいた!…という定番のオチ。あるいは、一緒に音楽ライターを目指してた仲間が一足先に雑誌デビュー。羨望、ジェラシー、劣等感…さらにはそんなことで落ち込む自分が情けなくて、よけいに脱力。でも、そんな八方ふさがりのどん底だからこそできた素晴らしい歌詞。何かクリエイティブなことで悩んだことがある人なら、これも誰でも思い当たるフシのある話である。もがき苦しみながらも、少しずつ成長して行く恵。個人的には、こっちの谷村編の方が断然おもしろかったな。
女優対決としても、地方高校のダサい制服(膝下丈のジャンスカ)を着せてもピカピカに光ってた谷村さんに軍配。いきいきした表情が本当に魅力的。一方の榮倉奈々さん、この作品ではちょっとメソメソしたシーンが多かったのが気の毒だったかな…。

全体的には、田舎の高校生の生活をじっくり描いてるため、テンポはかなりゆったり目。まあ、このへんは好みが分かれるところかも。平川地一丁目の林直次郎君はセリフ棒読みだけど、雰囲気はあった。担任の教師役に浜崎貴司氏。こちらもなかなかいい感じだけど、やはり目つきは只者じゃないね。(^v^;;

(♪春はお別れの~季節です、みんな旅立って~行くんです)
Remo

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年3月31日 (土)

渋谷区円山町

■映画「渋谷区円山町」 渋谷Q-AXシネマ

最初はタイトルからしてキワモノっぽい?と思ってたのだけど、観た人の感想などを読むとけっこう好評だったので行ってみることに。単館公開で、その劇場(Q-AXシネマ)はずばり渋谷区円山町の中心にあったりします。

ストーリーはこんな感じ。
「高校生の由紀江(榮倉奈々)のクラスに、25歳の臨時教師・山本(眞木大輔)が赴任してくる。ある日、渋谷に遊びに行った彼女はホテル街の円山町を友達と冷やかして歩いていた。その時偶然にも山本が彼女とホテルに入る所を目撃してしまう。同級生の彼氏がいるにも関わらず、由紀江はなぜか急に山本のことが気になり始め…。」(シネマトゥデイ)

見終わっての感想。言い方は失礼かもしれないけど、けっこう拾い物的なうれしさがある作品かも。この映画、2話で構成されたオムニバスになってて、それぞれ円山町のラブホ街が出てくる以外はまったく別の話になっている。
ストーリーで紹介されてる榮倉奈々さんが主人公のエピソードは前半のパート。恋に恋する女子高生と教師の恋愛…未満の話。まあ、ありがちかもしれないし、ベタといえるかもしれないんだけど、ストーリーの展開が上手く、どうなるんだ、どうなるんだ…とけっこう先が気になってしまう。描き方が爽やかで嫌味がないし、主演の2人も好演だと思った。榮倉奈々さんは、美人じゃないけどキュートという言葉がぴったりでとてもチャーミング。一方の眞木大輔氏の本業はEXILEのボーカル。でも、若手の人気俳優だよと言われても違和感ないと思った。
後半は、仲里依紗さんと原裕美子さんのエピソード。いじめにあっていた女子高生が、唯一気持ちを通わせてくれた友達と一緒に家出して渋谷をさまよう…という話。こっちは、途中まで円山町関係ないじゃん…と思ってたんだけど、やはり最後で重要な場所になってくるのだった。前半が典型的な少女コミック風の話だとすると(実際に原作はコミック)、後半はより切実で現代的な課題をとりあげた内容といえるかもしれない。こちらの2人もいい存在感だったと思った。
オムニバスということもあって、スケール感はないんだけど、小品ながら良作…という感じ。個人的には、かなり好きな雰囲気。撮影もきれいで好印象だし。

ちなみに、教師と生徒の恋愛を描いた作品で最高だと思ってるのは、姫野カオルコの「ツイラク」(小説だけどね)。セツナイよ、これ。ある意味どろどろ、でも不思議とハマってみたくなったりもする魔性の一冊(危ないね)。

あと、主題歌・挿入歌がニルギリスなんだよね。これも気に入ったので帰りにシングル買いましたよ(「アップデート」)。円山町にはよく行きますが、ラブホじゃなくてライブハウスが100%ってところが、ちとサビシイです…。(^v^;;

(映画館を出たら即、ロケ地めぐりを始められる絶好のロケーションですぞ~)
Shibu

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月28日 (水)

アルゼンチンババア

■映画「アルゼンチンババア」 新宿 K's cinema

公開4日目の「アルゼンチンババア」を見てきました。よしもとばななの原作は未読。興味があったのは、むしろ堀北真希さんが大きな役だということかな。ホラーとか以外の一般映画で主演クラスは初めてかも…。

ストーリーはこんな感じ。
「最愛の妻が死んだ日、毎日病院に通っていた石彫り職人の悟(役所広司)は姿を消してしまう。娘のみつこ(堀北真希)は叔母や従兄弟に助けられながら、父の帰りを健気に待っていた。半年後、悟は変わり者と評判の女性アルゼンチンババア(鈴木京香)の屋敷で発見される。みつこは勇気を奮って父親奪還に向かうが…。」(シネマトゥデイ)

全体的な印象としては、けっこう好きな映画だと思った。物語は、とても寓話的。だから、理詰めで考えるというよりも、感覚的に許容できるかどうか…というあたりで好き嫌いが別れそうだ。
個人的には、こういう小宇宙を作り出してる感じの作風は好きだし、描かれてる内容も良かったと思った。生命と死、生きることと愛すること。普段はあまり考えたりしないそんなことを、いやおうなしに考えさせられるのは、やはり身近な人の死があった時だろう。テーマが大きいので簡単に結論づけて終われるものでもなく、そういう意味では、寓話的な物語に託して投げかけるだけ…というのは正解だともいえる。ある程度の分かりにくさもまた味付けだと思うしね。

全編、映像がとにかくきれい。特に屋外撮影の部分は、どのシーンを取り出しても絵葉書にでもしたくなる。この映像の美しさもまた、物語の寓話性を補強している。

ヒロイン(堀北真希)もきれいに撮れてるしね。一般映画では、これまで「ALWAYS~三丁目の夕日」が彼女の代表作。でも、ファン目線でいえば、今後は圧倒的に「アルゼンチンババア」になることだろう。クレジットでは役所広司がトップ(鈴木京香は最後)にきてるものの、登場シーン的には堀北真希さんがもっとも多いはず。演技も良いよ。終盤、海辺の町のシーンでの役所広司との演技合戦は、さすがに役所のカンロク勝ち…でも、あれはあれで十分だと思ったし、その他の場面では、とにかくその可憐さ、美しさにひたすらうっとり…って感じかな。(^v^;;

(ラストの屋上でタンゴを踊るシーンは、まるで「カーテンコール」みたいです)
Ab_1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月10日 (土)

バッテリー

■映画「バッテリー」 新宿バルト9

公開初日の映画「バッテリー」を見てきました。直接のきっかけは、主題歌が熊木杏里さんだから…なんですが、野球が題材という部分にも興味ありましたね。ちなみに原作は未読。

物語はこんな感じ。
「野球にすべてを賭け、自分のピッチャーとしての才能に絶対の自信を持っている原田巧(林遣都)は、中学入学を控えた春休みに岡山県境の地方都市に引越す。引越し早々、巧はキャッチャーの永倉豪(山田健太)と出会い、バッテリーを組むことを熱望されるが、二人が入部した新田東中学の野球部は、監督に徹底的に管理されていた…。」(シネマトゥデイ)

素直に良かったな~。いわゆる大作じゃないんだけど、佳作といいたくなる作品。野球を題材にしたフィクションってけっこう難しくて、試合の展開などに力を入れるとウソくさくなってしまうし、逆に人間関係的なところにシフトしてしまうと、野球が単なる味付けになってしまう。「バッテリー」は、物語の中心に野球を置きながら、けっこうリアルに感じられる物語を作り出していたのではないだろうか。
オール地方ロケ(岡山県)による山間の町の風景も美しく、登場する野球少年たちが田舎くさいところも良い。そういえば、この映画は、何がいいってキャスティングが実に見事だと思った。天才肌で一見ニヒルな主人公・巧役の林遣都をはじめ、いかにも女房役のキャッチャーって感じの山田健太、物語のカギを握る弟の鎗田晟裕(←かわいらしさは子役史上で最強かも)…などの他、祖父役の菅原文太、両親の天海祐希、岸谷五朗…と絶妙としかいえないな。

ところで、新聞の映画評を読んだら、白井佳夫氏が「宮本武蔵映画風…」と書いていた。演出面がスタイリッシュという指摘なんだけど、実は、この作品で描かれる野球は、チームとしての勝ち負けではなく、ピッチャーとバッターの対決、ピッチャーとキャッチャーの信頼…といった「1対1」の関係に還元されて描かれる場面が多いということも、そんな印象を与える要素になっている気がする。試合のシーンなんて、まさに剣豪映画の決闘シーンみたい。日本人が好きな「野球」(ベースボールではなくて)なんだよなぁ。個人的には好きだけどね。
もちろん、「おまえにとって野球とは何だ」などという禅問答みたいな、求道小説っぽいセリフも随所にちりばめられてたりする。いや、たしかに宮本武蔵だな、こりゃ。(^v^)

音楽は吉俣良氏。控え目ながらいい効果を生んでいたと思った。エンドロールでの熊木さんの曲も物語の最後にふさわしかったんじゃないかな(後日談風の映像の優しさとマッチしてたしね)。
(弟萌えの人が続出しそうな予感…)
Bat2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年2月22日 (木)

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

■映画「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」 六本木TOHOシネマズ

ホイチョイファンなら見逃せない劇場映画第5弾。今回はヒロインに広末涼子。脇を支えるのは阿部寛に薬師丸ひろ子。劇中でも舞台となってる六本木(ヒルズ)のシネコンで見たわけですが、日曜日とあって満員でしたね。

ストーリーはこんな感じ。
「2007年。着実に回復していると思われた日本の景気だが、その実態はさらに深刻な危機にさらされていた。バブル崩壊後に増えた国の借金は800兆円にのぼり、国家崩壊は時間の問題だった。この最悪のシナリオに終止符を打つため財務省特別緊急対策室の下川路功(阿部寛)は、ある計画を極秘に進めるが…。バブルを知らないヒロインがタイムマシンに乗って1990年に戻り、バブル崩壊を食い止めるために奔走するタイムスリップ・コメディ。」(シネマトゥデイ)

まず感想としては、おもしろかったっすよ。タイムスリップという大ネタが使われてるんだけど、コメディだから細かい話はヤボってもの。要するに、「バブル当時の東京」を映像化したかった…というアイデアだけで突っ走ったって感じかな。バブル崩壊を食い止める…云々の話も、まあ無理やりといえばそうだし、突っ込みどころは山ほどあるだろうけど、そこにとらわれないで楽しんだもん勝ちでしょうね。
個人的には、やはり広末涼子がとても魅力的に撮られてるのに感心。前作「メッセンジャー」で飯島直子の魅力を爆発させた馬場監督、サスガです。案外、女優を撮るのが上手い監督といってもいいかもしれない。現在好調の阿部、薬師丸も良いし、ホイチョイ映画おなじみの出演者もあちこちに出てたりして楽しい(薬師丸の役名がいきなり「田中真理子」。ホイチョイ映画の伝統は守られました)。別所哲也にもワンカットでいいんで出てほしかったな~。(^v^)

ただ、ちょっと残念だったのは、「波の数だけ抱きしめて」「メッセンジャー」と続いた青春映画路線が、ちょっと隠れてしまったことかな。まあ、今作は「バブルの映像化」という、いわば「ネタ映画」だったので、そのへんは自作以降でぜひまたお願いしたいところです。

(広末涼子、完全復活ですかね。とても子持ちには思えないよ)
Bg

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年1月29日 (月)

どろろ

■映画「どろろ」 新宿スカラ座

公開翌日の「どろろ」を見てきました。手塚治虫の原作は未読ながら、あらすじだけはどこかで読んだことがあって知ってた作品です。

物語はこんな感じ。
「戦国の世を憂う武将の醍醐景光(中井貴一)は、乱世を治める力を得るため、自分の子である百鬼丸(妻夫木聡)の体から48か所を魔物に差し出してしまう。やがて体の一部を取り戻せることを知った百鬼丸は、魔物退治の旅に出る。一方、コソ泥のどろろ(柴咲コウ)は百鬼丸の強さの象徴である妖刀を奪うため、彼を追いかけ始める。」(シネマトゥデイ)

手塚治虫がこの物語で伝えたかったメッセージは…なんてあたりにこだわると評価が分かれるのかもしれない。私の場合は、原作とは関係なく「ファンタジーアクション」的な感覚で単純に楽しんだって感じかな。妻夫木聡の百鬼丸はかなりカッコよく撮れてるので、彼のファンは見逃せないだろうし、柴咲コウも、ちょっと変わった役をうまくこなしてたと思った。
海外で撮影したという荒涼とした風景も、物語の世界とフィットしてていい感じ。注文をつけるとしたら、次々と登場する「魔物」が、あまりにもクリーチャーなのが気になったということ。魔物っていうより、これじゃあ単なる「怪物」、いや「怪獣」じゃないか? おどろおどろしさがまるで出てない。昼間、堂々と現れて戦うのが多いしね(いちばんマシだったのは、二匹の犬みたいなヤツかな)。魔物ならもっと「闇」と一体になったような得体の知れなさが欲しかった。…ただ、あんまり怖くしてしまうと本題からはずれて怪奇ものになってしまうから出来なかったのかもしれないけど。

最後に出る「残り二十四体」、続編はあるのだろうか?

(妻夫木カッコイイ!! 個人的には「ルパンIII世」の実写版は彼でお願いしたい)
Dororo_1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年12月17日 (日)

NANA2

■映画「NANA2」 有楽町 日劇PLEX

これ、原作コミックは読んだことがないけど、映画版の前作「NANA」は見てたりします。今回は出演者の事情で主要キャストの一部が交替。でも、新しくハチを演じることになった市川由衣さんも、若手女優の中ではけっこう好きな方なので、ちょっと楽しみにしてました。

ストーリーはこんな感じ。
「大崎ナナ(中島美嘉)率いるBLACK STONES(ブラスト)は、メジャーデビューに向けて充実した毎日を送っていた。一方で、同居生活をしている“ハチ”こと小松奈々(市川由衣)はライバルのバンド、TRAPNEST(トラネス)のリーダー、タクミと関係を持ち、それをナナに打ち明けられずにいた。そんな中、ハチの身に予想外の出来事が起きる。」(シネマトゥデイ)

うん、これは前作よりおもしろいでしょう。個人的にはおもしろいと思ったな。前作は2人のNANAの“出会い”編だったんだけど、今回のテーマはずばり“別れ”。出会いと別れなら、別れの方がセツナさが増すのは間違いない。永遠に続かないもの、壊れていくものは儚くて美しい…。それと、前作で登場人物のキャラがある程度分かってたというのも、おもしろく見られた理由かも。今回もそれぞれのキャラが立っててよかったな。
主演では中島美嘉さん。セリフまわしはちょっとね…というところもあるものの、タンカを切るところの迫力や目の力などはさすが。後半では思わず引き込まれたよ。市川由衣さん。ハチならではのハジケっぷりは、前作の宮崎あおいの方がハマってたかな。でも、泣く場面とかも意外と多い今回は、全体の線が細めの彼女でまったく違和感はなかった。とにかく出ずっぱりだし、市川ファンなら必見の作品じゃないかな~。ちなみに、この2人のコスプレ(っていうか衣装)も見所。
脇では、ノブ(成宮寛貴)のイイヤツっぷりやヤス(丸山智己)の渋いカッコよさが印象的だったな。タクミ(玉山鉄二)もストーリー上は敵役ってことになるんだけど、最終的にはスパッと責任とる男らしさもあったしね。若干影が薄かったのはレンだろうか。

ライブシーンやPVの処理も前作以上に洗練されてたし、こういうのは難しいこといわずに楽しんだもん勝ちだと思う。

(707号室の七夕。現代人はこういう仲間の絆にあこがれるところも大きいと思うね)
Nana2_1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月28日 (火)

暗いところで待ち合わせ

■映画「暗いところで待ち合わせ」 銀座シネスイッチ

以前にも書きましたが、けっこう田中麗奈ファンなので。見に行ったきっかけはまさにそれです。(^v^) そして共演のチェン・ボーリン。彼の出演作を見るのは、この半年で3作目。なぜかご縁があるようです…。

ストーリーはこんな感じ。
「3年前の事故が原因で両目の視力を失くし、実の父親も病気で亡くしたミチル(田中麗奈)。世間から取り残されたように1人静かに暮らしていたある日、ミチルの家から近い駅のホームで殺人事件が起こる。やがて、容疑者の青年アキヒロ(チェン・ボーリン)がミチルの家に逃げ込み、奇妙な同居生活が始まってしまい…。」(シネマトゥデイ)

これはいいですよ。かなり良い! サスペンスです。でも、決して派手なサスペンスではない。主人公たち二人がワケありの同居…という話なんだけど、ミチルは目が見えないからアキヒロの存在には気づかない、アキヒロは潜んでることを知られたくないからじっとしてるだけ。もちろん、二人の間に会話はない。物音も立てない。しーんとした場面だけが続いていく。それでいて全編にゆるやかに漂うテンション。スクリーンから目が離せない。会話なしでも物語をちゃんと進めていく演出がうまい。
田中麗奈さん。主演なんだけど、そんなわけだからセリフは決して多くはない。目の不自由な役なので、目での演技も封じられている。それでいながら、引きこもりがちな主人公の性格や過去、大きな孤独感を見事に表現している。なおかつ可憐。いいですよ。
チェン・ボーリン。味のある役者っぷり。彼の場合、セリフはさらに少なく、かわりに目の表情がモノをいっている。追い詰められた獣のような目。そんな目のアキヒロが、同じように孤独なミチルと一緒に過ごすうちに…。
そんな静謐感にあふれた物語は、終盤に一気に動き出す。クライマックスのまとめ方、エンディングのあっさり感も好みだった。脇の役者(佐藤浩市のワルっぷりとか)も充実。伏線や小道具の使い方も上手いよな~。
宣伝文句には「異色のラブストーリー」とか書いてあるけど、はっきりいって「ラブ」の要素はあまりないと思う。でも、見終わった後にしっかりと余韻が残る作品だったと思った。

ちなみに原作は未読。その方が絶対正解だったね。

(淡々とした空気感。まさに私好みのテンションでした)
Kurai

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年11月25日 (土)

7月24日通りのクリスマス

■映画「7月24日通りのクリスマス」 歌舞伎町・コマ東宝

なんか気楽に見られそうなのないかな…と思って行きました。(^v^) 「電車男」でヒロインを演じた中谷美紀さんが逆の“電車女”(?)を演じるってのもおもしろそうだったし、彼女のインド旅行記を読んで、ちょっと親近感持ってたっていうのもあるしね。

物語はこんな感じ。
「長崎の市役所に勤めるサユリ(中谷美紀)は、出会う男性に“自分だけの王子様ランキング”を付けて妄想する退屈な日常を送っていた。そんなある日、ランキングトップ独走中のあこがれの先輩である聡史(大沢たかお)に再会したことで、クリスマスを前にサユリは本物の恋を手にいれようと決心する。」(シネマトゥデイ)

で、見終わっての感想は…「ゴルァ!」というものです。とにかく脚本がメチャクチャ。広げるだけ広げた展開を収拾できなくなって、強引にぶったぎって終わらせただけ…って感じかな。見てる方としたら「ハァ?」てなもんですよ。サイアクだったのが教会での(弟の)結婚式のシーン。もう言葉を失ったね。その前のシーンで、弟とその恋人(上野樹里)との結婚を「うまくいきっこない!」と否定してたはずの主人公が、いざ結婚式場で新婦が臆病になってるのを見るや、「失敗したっていいじゃない!勇気を持ちなさいよ!」みたいな演説をぶってしまうのである。オイオイ、あんたいつ心変わりしたんだよ…とあっけにとられてしまう。憧れの君は大沢たかお。クレジットの最初に名前が出てくる主役の扱いのわりに、まったくしどころのない役で気の毒な限り。おそらく女性観客を動員するために、主役ってことにしたんだろうけど…。

(絵柄はきれいだったんだけどお話がね)
724

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月 9日 (木)

フラガール

■映画「フラガール」 有楽町シネカノン

公開からかなりたってしまいましたが、なかなか評判のいい「フラガール」。個人的には、蒼井優さんが見たくて行ってみました。

ストーリーはこんな感じ。
「昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。男たちは炭坑夫として、女たちも選炭婦として働いてきた。だが石炭から石油へとエネルギー革命が押し寄せ、炭鉱は閉山が相次いでいる。そんな町の危機を救うために炭鉱会社が構想したのが、ハワイアンムードのレジャー施設だった…。「常磐ハワイアンセンター」設立にまつわる実話を基に、フラダンスショーを成功させるために奮闘する人々の姿を描いた感動ドラマ。」(シネマトゥデイ)

全体的な印象としては、良質な日本映画という感じがぴったり。丁寧につくられてるし、役者もみんな好演。ぐっとくるシーンもいくつもあって、途中まったく退屈することなく最後まで見ることができた。でも…。ある程度良質な作品ほど、あと少しここがこうだったら最高だったのに…という気分がフツフツと沸いてくることがある。実は今回がまさにそのパターンだった。蛇足承知の上で、ちょっと書いておきます。

まず、テーマが「ネガティブな状況の中から起死回生のホームラン」というハッピーエンドなストーリーのわりに、全体のトーンがなんとなく物悲しい。同じダンスものの「Shall we ダンス?」における竹仲直人みたいなお笑い担当キャラがいたら、明るくなってエネルギーもより高まったんじゃないかな…なんて思ってしまった。せっかく南海のしずちゃんとかも出てるんだし。
また、フラガールたちの立場については、もっとはっきりさせてほしかった、っていうのもある。岸部一徳氏演ずる吉本部長に、「ただの温泉では歴史のある他の温泉地に勝ち目はねえ! フラガールを目玉にして売り出さねば、ハワイアンセンターの成功はありえねぇんだ…」みたいなことを力説させて、彼女たちの主役感をアップさせてほしかったな。

まあ、他にも細々とはあるけど、あんまり気にしない方がいいんでしょうね。(^v^;; キャスト陣では、「花とアリス」で踊れることは証明済みだった蒼井優さんが、またしても見事なダンスを披露。彼女はバッチリ期待通りだったなぁ。また、松雪泰子さんも存在感あったし、富司純子さんはもうド迫力。若手では幼馴染を演じた徳永えりさんがフレッシュで好印象でしたね。

(スパリゾートハワイアンズでは今日もこんなショーが…)
Fra_1

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年10月 9日 (月)

チェリーパイ

■映画 「cherry pie」 渋谷UPLINK X

実は、最近友人の一人が北川景子ファンになり、あまりに熱心なものだから、ちょっと私も見てみようかな…という感じで行ってみました。会場のアップリンクは、映画館というよりカフェのような雰囲気。大きなホームシアターを見てるような感覚のスペースです。

ストーリーはこんな感じ。
「新人パティシエのキヨハラ(北川景子)は、最近店の人気メニュー、チェリーパイがうまく作れず悩んでいた。そんな彼女のもとに一本の電話が入り、ある思い出がよみがえる。高校卒業後、この店に入った彼女は、厳しいが熱心に指導してくれる先輩の辻内(岡田浩暉)に恋心を抱いていたが、一年前、事故に遭った彼は亡くなっていた…。さまざまな事情を抱えながらも強く生きる女性たちの青春を描いた映画。」(シネマトゥデイ)

約80分のコンパクトな作品。良くも悪くも「北川景子のプロモーションビデオ」って感じかな~。主役だから当然だけど出演場面はとても多く、そういう意味では北川ファンは必見なのは間違いないですね。
ただ、映画的には、ストーリーにふくらみがないのがキツイ。脚本の問題かな。ふくらませようとして、友達二人のそれぞれの恋愛エピソードをさしこんでるんだけど、それもうまく機能してる感じがなかったし…。高級住宅街みたいな場所にあるオシャレな洋菓子屋さんが舞台、映像はきれいだし、音楽もちょっとフレンチ系で小粋な感じ…と、こぎれいな部分が先に立ってしまって、すべてにあまり切実感がなかった。30分くらいに思いっきり刈り込んだら、案外テンションがあがったかもしれないけど…。
肝心の主演・北川景子さんですが、これもきれいに撮れてはいるものの、役者としてはあまり見せ場のない役で気の毒。どっちかというと、主演タイプっていうよりマドンナ役の方が向いてるのかな…なんて思ってしまったし。

ちなみにこの映画。あの「いきものがかり」がテーマ曲を担当してて、映画の中でもワンコーラス流れてます。

(北川さんの制服姿はとてもかわいかったです!)
Ch

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年10月 3日 (火)

涙そうそう

■映画 「涙そうそう」新宿 コマ東宝

「涙そうそう」は名曲だよね。私も、夏川りみ版がヒットした2002年に買って、これは良い曲だな~と確信。もちろん、今でも大好きです。そんな「涙そうそう」をモチーフにした映画…というので、さっそく見てきました。

物語はこんな感じ。
「那覇で自分の店を持つことを夢見て働く兄の洋太郎(妻夫木聡)のところへ、高校に合格した妹のカオル(長澤まさみ)がやって来て同居することになった。やがて資金が貯まり店が開店を迎えようとしたとき、洋太郎は詐欺に遭い借金を背負ってしまう。それでも洋太郎はカオルを大学に進学させるために必死に働くが…。幼くして親を亡くした兄と血の繋がらない妹が、沖縄を舞台におりなす切なくも美しい愛。」(シネマトゥデイ)

これはいいですよ。それほど大きな山場もなく、物語は淡々と進んでいくんだけど、見終わったあとに思い返してみると、その何気ないワンシーンごとが妙に心に残るようなつくりになっている。タイトルは、沖縄の言葉で「涙が流れてとまらない」という意味なんだけど、だからといってダイレクトにいわゆる“号泣映画”を期待するとアテがはずれるかもしれない。
それは、「涙そうそう」という曲の雰囲気をとても忠実に再現しているということでもある。「涙そうそう」は、亡くなった人のことを思って歌っている曲。でも、よく聴くと、その人が亡くなったのは最近のことではなく、ある程度昔のことだということも分かる。だから、悲しいという気持ちはもちろんあるんだけど、時間が経ったことによって、その人への感謝の気持ちとか、懐かしさ、見守られているという温かさ…といった、もっと透明で純粋な感情の方が先にくる感じだ。
この映画は、まさにそういった雰囲気が全編に流れている。大袈裟な演出もないし、泣かせようというあざとさもほとんど感じさせない。携帯電話が出てくるので現代だと分かるけど、そういったことがなければ、昭和40年代くらいの話かな…と思うくらい、ある意味クラシックできちんとした居住まいの作品になっている。小品ながら佳作…なんて言いたくなる感じだろうか。原曲へのリスペクトもちゃんと感じられて、とても好印象だった。

出演者も皆さん良かった。無駄な人物が出てこないし、抑え目の演技で適役ばかり。沖縄の風景も(海や島だけじゃなく、那覇の市場や街並みなんかも…)きれいに撮れてるし。じわっと心に沁みましたわ。

(妻夫木&長澤コンビも良かったよ)
Nadaso

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年10月 1日 (日)

夜のピクニック

■映画 「夜のピクニック」 有楽町ピカデリー1

夜を徹して何かするのって、けっこうワクワクするよね~。特に、学生時代なんてそんな経験自体がまだ少ないわけだから、やたら意味なく盛り上がる。修学旅行、キャンプ、学園祭…。そんな気分がまた感じられたら、なんて思って見に行きました。

ストーリーはこんな感じ。
「24時間かけて80キロを歩く、高校生活最後の伝統行事『歩行祭』を迎える甲田貴子(多部未華子)は、一度も話したことのないクラスメイト西脇融(石田卓也)に話しかけようと考えていた。2人は異母兄妹の間柄で、そのことは誰にもいえない秘密だった。一方、融も貴子を意識しながらも近づくことができず、事情を知らない友人たちが勘違いして、告白するようけしかける…。全国の書店員が選ぶ第2回本屋大賞を受賞した、恩田陸の同名ベストセラー小説を映画化した青春ドラマ。」(シネマトゥデイ)

題材的には期待してたわけですが、見終わっての感想は、「うーん、微妙かも…」というものでしたね。ちなみに原作は未読(これから読んでみようかと思ってますが)。
たしかに、高校生たちが夜通し歩き続ける…という一日を描くだけだから、映画的には動きが少なくなって苦しいのは間違いない。登場人物の心の中の思いや人間関係を細かく書き込むのは、まさに小説向きなわけで…。そういう意味では、脚本や演出にいろいろ工夫したあとは見て取れるんだけど、個人的にはどれもいまいちツボにはまらなかった…。好みとしては、余計なギミックは捨てて、ひたすら淡々でも良かったような気も。

反面、若い出演者たちは頑張ってたと思った。みんな、それぞれ割り当てられた役をしっかりこなしてた。特に、主演の多部未華子は、瑞々しい魅力が群を抜いてる! 彼女については、また違う作品でも見てみたいと思いましたね(その際は、ホラーでも難病ものでもなく、タイムスリップもおこらず亡くなった人も生き返っちゃわない話を希望します)。(^v^)

(↓"CHE"ゲバラTシャツの多部ちゃん、イイね~!)
Yoru

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月19日 (火)

シュガー&スパイス 風味絶佳

■映画「シュガー&スパイス 風味絶佳」 新宿ジョイシネマ

「パッチギ」などで評価の高い沢尻エリカ。彼女の出演作は、TVドラマも含めてちゃんと見たことがなかった。だけど、気になる女優であることは確かなので、主演作といってもいいこの映画を見てみました。

物語はこんな感じ。
「高校卒業後、大学に行く必要が感じられない志郎(柳楽優弥)は、“とりあえず”ガソリンスタンドで働いていた。そんなある日、彼が働くスタンドに新人バイトの乃里子(沢尻エリカ)が入ってきたことで、志郎はかつて感じたことのない感情を抱くようになる。やがて、乃里子の元恋人に会った志郎は初めて自分の中に芽生えていた恋心に気づく…。」(シネマトゥデイ)

良かったな~。好きなタイプの映画です。激しさはなく、わりと淡々としてる感じなんだけど、個人的にはそういう話が好きなもので…。ストーリー自体も、究極の言い方をすれば「どこにでもある話」。でも、誰でも似たような経験は、多少なりともしてるんじゃないか…という話だから、若き日の恋(または恋もどき)を思い出してセツナくなってしまう…。あの時、あんな風にしていれば…といくら思っても、やっぱりその時は一杯一杯で無理だったんだろうな、とかね。
キャスト陣では、沢尻エリカは、やはり最強だった。あの笑顔にはやられる。柳楽優弥も、ぎこちなさが役にぴったり。ちょっと男前すぎるのは難点か。そして、もう一人の主役、夏木マリ(志郎の祖母役)。存在感ありすぎ! そしてカッコよすぎ。あんなグランマが欲しいなとつい思ってしまった。まあ、現実にいたら、主人公同様ウンザリなんだろうが…。願わくば、あの3分の1でもいいからカッコいいジジイになりたいもんだな。(^v^;;

あと、この映画の「映画らしい」空気感も好き。おそらくは洋画っぽさを意識したロケーションや小道具づかい。日本なのに日本らしくない、福生という地域の特性をうまく生かしてる。さらに、映画の画面サイズ(縦横比)をうまく使った画面構成。各場面が絵としてきれいだなと思った。音楽は吉俣良氏。個人的には、熊木杏里さんのサウンドプロデュースでおなじみです。控え目だけど、いい感じの音楽だったんじゃないだろうか。

※ラストのギミックだけは…個人的には蛇足って気もしたけど、どうなんでしょうかね。

(「Bar Fuji」この店もいい雰囲気でした)
Ss

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月17日 (日)

バックダンサーズ!

■映画「バックダンサーズ!」 新宿ミラノ4(歌舞伎町)

こういう芸能界バックステージもの、B級っぽくても意外と拾い物もあったりするんです。しかも、チケット屋に行くと、前売り券を650円(!)で売ってたりする。…というわけで見てきました。

物語はこんな感じ。
「グループとして人気絶頂期を迎えた矢先に、メインボーカルが脱退し、解散に追い込まれるバックダンサーズ。不器用で人にすぐ気を使ってしまうが、ダンスを人一倍愛しているミウ(平山あや)、ダンスが誰よりもうまいヨシカ(hiro)、元キャバ嬢で結婚願望が強いともえ(ソニン)、実はアイドル志望の愛子(サエコ)。一見バラバラの4人は、ダンスへの情熱で結ばれ、夢へと突き進むはずだったが…。」(シネマトゥデイ)

これ、素直におもしろかったな~。たしかに、B級っぽさは随所にあって、物語はご都合主義、伏線張るだけ張ってそのまま放置…とか、突っ込みどころもあちこちにあるんだけど、意外とイライラせずに、ゆったり楽しめる感じ。ミュージシャンやダンサーなどに、かなりの割合で本職の人をキャスティング、それをプロモーション臭いと感じる向きもあるだろうけど、音楽ヲタなら「あ、こんな人も出てる!」みたいな感じで楽しめると思ったしね。(^v^;;
物語の基本パターンは、「デビュー→大挫折→バラバラ→再結集→奇跡の復活」という、この手のハナシの定番パターン。古い人なら、1984年の映画「ザ・オーディション」を思い出すかも。当時はまったく当たらなかったけど、後年、中島美嘉のデビュー作となるドラマ「傷だらけのラブソング」が、ほとんどそのリメイクみたいな作品だったりするほどの、隠れた影響力のある映画だ。実は、今回の「バックダンサーズ!」にも、「ザ・オーディション」に影響されたのでは…という部分があったりする。そういうのを比較しながら見てもおもしろいかも。
ただ、大きな違いもあり、芸能界のダークサイドに焦点を当て、シリアステイストだった「ザ・オーディション」に比べると、「バックダンサーズ!」の味わいは、単純でカラッとしていて、明るく前向きな作風。だから後味はサワヤカ。おそらく、今の時代にはこの方がふさわしい。まあ、ズシンとくるものがない…ともいえるんだけどね。

(画像はラストのダンスライブのシーンから)
Bd01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年9月 3日 (日)

グエムル -漢江の怪物-

■映画「グエムル -漢江の怪物-」 新宿 オデヲン座

別に怪獣マニアってわけでもないんですが、なんとなくおもしろそう…という予感がしたので、封切初日に見てきました(ちょうどライブイベントなどもなかったしね)。歌舞伎町で夕方の回でしたが、ほぼ満員でした。

ストーリーはこんな感じ。
「ソウルを流れる大河の漢江(ハンガン)に、謎の怪物“グエムル”が現れ、次々と人を襲う。河川敷で売店を営むパク家の長男カンドゥ(ソン・ガンホ)の中学生の娘、ヒョンソ(コ・アソン)も怪物にさらわれてしまう。カンドゥは妹ナムジュ(ペ・ドゥナ)らとともに、ウイルスに感染している疑いをかけられ病院に隔離されていたが、携帯電話に娘からの連絡が入ったことから一家で脱出を試みる…。」(シネマトゥデイ)

結論からいいますと、けっこうおもしろい作品。2時間、まったく退屈させられることはない。でも、いわゆる「怪獣映画」を期待していくと、違うだろうな。クリーチャーのテイスト的には、「エイリアン」などに近い感じだけど、あんな風に「いつ出るんだろう…(ドキドキ)出たァ~!!(驚)」みたいな雰囲気でもない。襲ってくる自然の脅威と人間社会の無力さ…という点でいえば、むしろ「ジョーズ」などに近い。また、半分閉ざされた環境で普通の人々がクリーチャーと戦う…というところなど、「ゼイラム」を思い出したりもした。

個人的には、単に「怖がらせよう」という狙いだけじゃないところが良かった。「怪物=怖い」はずなのに、登場人物の会話なんかは、けっこう能天気。コメディっぽい要素もある。音楽の使い方なんかもそう。ストイックな人はガマンできないんじゃないか。また、ストーリー展開も細かいところはけっこういい加減。突っ込みどころは山のようにある感じだけど、あえてそうしてる「微妙にB級風」なところが、マニア心をくすぐる感じ。反面、俳優の演技などはとてもしっかりしてるし、常に観客心理の裏をかいてくる脚本もなかなかいいと思った。

この「怪物」を環境破壊や公害のメタファーと見ることもできるだろうし、怪物と戦うよりも先に人間社会と戦わないといけないもどかしさ…など、社会派っぽかったりもする。ラストも、決してメデタシメデタシ…じゃなく。いろいろ考えてしまうようになっている。

(これは序盤の怪物登場のシーン)
Geml_1

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年8月30日 (水)

幻遊伝

■映画「幻遊伝」 渋谷Q・AXシネマ

見に行ったきっかけは、何といっても主演が田中麗奈だから。そう、けっこう田中麗奈ファンなんですよ。彼女の主演作品はかなりの割合で見てるんじゃないかな~。

物語はこんな感じ。
「台北で漢方薬店を営む父親と暮らすシャオディエ(田中麗奈)は、まだ見ぬ故郷の日本に帰りたいと父親(大杉漣)と衝突してばかりいた。そんなある日、友人たちと夜遊びをしていた彼女は、ふとしたことから遠い昔にタイムスリップしてしまう。そこで彼女は、故郷の危機を救おうと奔走する青年ハイション(チェン・ボーリン)に出会う…。中世の台湾にタイムスリップしたヒロインの冒険を描く痛快ファンタジー。アジアの才能が結集し、ラブロマンスに時代劇、キョンシーにホラーなど、あらゆる娯楽映画の要素が炸れつする。」(シネマトゥデイ)

タイムスリップ…とありますが、正確には「気を失ってる間に、魂だけが前世(過去)の世界を旅していた」という感じかな。
感想としては、たしかに娯楽映画に徹してて素直に楽しめたな~。特に、田中麗奈ファンなら見て損はないはず。ほぼ出ずっぱりだし、次々といろんな衣装になってコスプレ感覚でも楽しい。個人的には中盤で着てた水色の着物(?)がかわいいと思った。ところで彼女、もう20代中盤だと思うんだけど、不思議と老けないよね。先入観なしで見たら10代といっても通用してしまいそうだ。
役柄的には、台湾で生まれ育った日本人…という設定なので、ほぼ90%は中国語のシーン。残念ながらこの中国語は田中麗奈本人ではなく、吹き替えになっている。よく似た声の人を当ててるせいか、ほとんど違和感はなかった。…ていうか、演技自体も台湾風なのか活劇風なのか、とにかく普通の日本映画では見られないようなオーバーアクション気味になってるので、そっちに気を取られてたのかもしれないけど。

中国物の時代劇で、妖怪(キョンシー)なんかも登場するエンターテインメント作…ということで、昔見た「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」(ジョイ・ウォン主演)なんかを思い出してしまった。この世界観はけっこう好きかも…。ホラー度よりもコメディー度の方が強いのも良かったしね。(^v^)

(画像もどーぞ)
Gyd

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年7月13日 (木)

ジャスミンの花開く

■映画「ジャスミンの花開く」 銀座シネスイッチ

今年も後半戦に突入ですが、このほど今年初めて劇場に映画を見に行きました。「ジャスミンの花開く」。チャン・ツィイー主演の中国映画です。実は、私はツィイー・ファンなので、去年最後に見た映画も「SAYURI」だったりします。(^v^;;

内容はこんな感じ。
ストーリー:1930年代の上海で、茉(チャン・ツィイー)は母(ジョアン・チェン)の反対を押し切り女優への道を歩み始めるが、これからという時に妊娠してしまう。同じ頃日本軍が中国に侵攻し、失意の中茉は娘の莉(チャン・ツィイー)を生む。1950年代、莉は労働者階級の偉(ルー・イー)と結婚するが不妊症だとわかり、養女として花(チャン・ツィイー)を貰い受けるのだが…。

解説:「初恋のきた道」などのチャン・イーモウ監督作品のカメラマンであるホウ・ヨン監督の初メガホン作品。激動の時代を生きた三世代の女性たちの姿を力強く描く。主演は「SAYURI」などで国際派女優として注目されているチャン・ツィイー。共演は「赤い薔薇、白い薔薇」のジョアン・チェン、「PROMISE」のリィウ・イェ、他。チャン・ツィイーが茉・莉・花という3人の女性に扮し、それぞれまったく違うキャラクターを魅力的に演じ分けている。(FLiX)

チャン・ツィイーが3役なんですが、もう本当に出ずっぱりの大活躍。ファンなら必見でしょうね。冒頭の若作りは若干無理がありますが、それ以後はさすがに美しい映像を連発。笑顔もいいけど、彼女の憂い顔もなかなか素敵です。(^v^)

とまあ、単純ミーハーな感想が先行してますが、実は作品としてもなかなか見ごたえがありました。3世代の女性(親子)を描いているのだけど、それぞれ親の反対する愛を選び、知らず知らずのうちに母親と同じ悲劇を繰り返してしまう…という一種の寓話的なストーリー。ディテールは決して同じではないのに、不思議な運命を感じさせる物語の重層的な厚み、それでも続いていく生命の連続性に打たれます。
縦糸となるストーリーとからみあいながら、途切れることない横糸のように現れる小物や景色の使い方も上手い。そう、この監督の演出センスはけっこう私好み。また、セリフにたよらない感情表現の豊かさにも見るべきものがあります。ツィイーも熱演で良いですが、齢をとってからの茉を演じた女優さんもシブかった。また、劇中で何度か歌われる茉莉花の歌(エンドロールでも流れる)も印象に残りました。

ちなみに、ツィイーが演じる3人の女性の名前(茉・莉・花)をあわせると「茉莉花=ジャスミン」となるのですが、このブログのURLも、実は「jasmines.tea-nifty.com」でジャスミンが入っています。お気に入りの花なんです。なんかご縁を感じますね…。

(珍しく画像など)
Jasmines_1

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2005年8月28日 (日)

映画「ジーナ・K」(8/27)

SHUUBI初主演映画「ジーナ・K」を、初日に見てきた(最終回の上映)。映画としての完成度という点では、突っ込みどころもあちこちあるような気もしたのだけど、途中から知らず知らずのうちに引き込まれて見てしまっていた。

映画が始まって最初のうちは、どうしても「SHUUBIがSHUUBIにしか見えなくて」ちょっと困った。それはそうだろう。ライブで何度も何度も見ているアーチストが出てきて、しかも映画の中でもアーチスト(シンガー)の役。劇中のライブシーンで歌う曲もSHUUBIとしてのオリジナルで耳になじんでいる曲だし、バンドのメンバーも同じだし、福岡出身という設定だし…。あまりにも共通点が多すぎて、映画の中の「かやの=ジーナ・K」という役と、現実の自分が知っているSHUUBIとの境界線がうまく引けなくて混乱したのである。

しかし、物語が進むにつれてそのあたりの違和感はしだいになくなっていった。この映画は「母と娘」の物語だ。かやのとその母であるストリッパーのカトリーヌ。娘は母に憎しみにも似た感情を抱き、母は娘へのライバル心にとらわれている。しかし、やはり母娘である以上、そこには切っても切れないものがどうしてもある。火花を散らす二人の関係。しかし、最後には、かやのはあれほど嫌っていた母親と同じ道をたどっていることに気づかされるのだ。まるでギリシャ悲劇みたいな話である。

そういう意味では、監督の作家性がとても強く出ている作品かもしれない。表面的には現代的で風俗的な表象が氾濫している映画だけど、ある種の寓話性を色濃く漂わせている。空気感としては、70年代~80年代初頭にかけてのATG作品に近いものを感じた。
…というか、この映画がいきなりTVの深夜枠などで放映されているのを、何の先入観も持たずに見たとしたら、案外昔の作品だと勘違いしてしまうかもしれない。中州、ストリップ劇場、粗末なライブハウスの楽屋や便所、さびれた温泉町…。かつての日本映画が持っていた湿気やくずれた色香のようなものを感じさせる作品ではないだろうか。

女優・SHUUBIの演技。これは期待以上だったと思った。ラストに近いクライマックスで歌われる「ハジマリノウタ」が素晴らしいといわれているが、実はその前のシーンこそが素晴らしい。石田えりと真正面からぶつかる、かなりの長回しのシーン。ベテラン女優とがっぷり四つに組んで渡り合うこのシーンは、まさに母と娘という映画のテーマが凝縮された場面だったのではないだろうか。
個人的に好きなのは、トランペット吹きを追いかけてたどりついた冬の海岸での場面。沖合いから寄せてくる波と吹きすさぶ風が二人の運命を暗示しているようだが、同時にとてもはかなく美しい。

そういえば、この映画を撮影していたのは、おそらく2年前位ではないかと思うのだけど、その頃SHUUBIがステージでよく歌っていたのが「ママ」という曲だった。歌詞の内容などからいっても、この作品のテーマからインスパイアされて出来た曲であることは間違いないだろう。

■東京では渋谷「シアターイメージフォーラム」で上映中。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005年7月 2日 (土)

スターウォーズ

今日は「エピソードIII」を見てきました。
正式公開は「7/9」からですが、先行上映といってレイトショー的にやってる館があるんですね(私は歌舞伎町で19:30の回を見ました)。
これによって、1978年の「エピソードIV」から全6作すべてをロードショー公開時に劇場で見たことになり、「スターウォーズ・パーフェクト」を達成! 足掛け27年がかりです。(^v^)

さて、内容の感想は。非常に重厚な仕上がりで、スターウォーズ・ファンなら相当満足出来る仕上がりじゃないでしょうか。活劇シーンは随所に健在なれど、C3POやR2D2によるコミカルシーンはほとんどなくなり、まるで壮大な史劇を見ているような気分。オビ=ワン・ケノービはやたらカッコいいし、ダークサイドに引き込まれていくアナキンの鬼気迫る形相、ヨーダの深さ、パドメの悲劇…など見所は満載。しかも、最後にはあのダース・ヴェイダー誕生の瞬間に立ち会えるわけだからね。

でも、逆にスターウォーズあんまり知りません…という若い人が単発で見ておもしろいか、というとちょっと厳しいかも。一話完結の話じゃないし、シリーズ最終話ということで、前後の関連性にとても配慮した内容になっているから、やはりある程度予習してから見に行った方がいいでしょうね。幸い、今度の金曜には「エピソードII」をTV放映するらしいし、私もそれを見てから、再度劇場に足を運んでみようかな…なんて思ってます。

※ちなみにこの作品、7/9の正規公開日以降は、街中のチケットショップで前売り券が買えなくなるらしい。お手頃価格で見に行こうという方は、前もってチケットを押さえておく必要がありそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)