守護天使
■映画「守護天使」 新宿 角川シネマ
ちょうど角川映画の招待券があったので見てきました。監督があの「キサラギ」の佐藤祐市監督…ということで、期待するなといわれてもハードルは上がってしまいますよねぇ。
ストーリーはこんな感じ。
「通勤途中の駅で一日の小遣い500円を落としたサラリーマンの須賀(竹山隆範)。拾ってくれた優しい女子高生の涼子(忽那汐里)に一目ぼれした須賀は、勝手に彼女を守ることを決意。しかし、勤務先のNPO支援塾で担当する引きこもりの大和(與真司郎)が見つけたブログには、彼女が書いたらしいみだらな日々がつづられていて…。」(シネマトゥデイ)
一言でいえば釈然としない映画。出演者や演出のテンポなどは悪くないと思ったので、問題があるとすれば脚本だろうか。
まずは、「彼女を守りたいんだ!」という主人公の気持ち。とにもかくにも、それがこの映画の推進力であるはずだ。しかし、物語を追っていっても「なぜ守りたいのか」がいまいち弱くないだろうか。過酷な奥さんに支配された家庭やパッとしない仕事…など、とにかく日常を忘れたかったんだろうな、というのは分かるんだけど、それが「守りたい!」に飛躍する瞬間がよく分からない。
もっと分からないのは、幼馴染の村岡や引きこもりの大和が主人公に協力するようになる動機だろう。金儲けでも借りを返すでもいいんだけど、そういった彼らならではの「彼女を守る」ことへのモチベーションがないまま危険な救出活動を手伝うというのは、これまた釈然としない点である。こうした「動機づけ」や「それぞれの背景」がしっかり描かれていたら、主人公たちにもっと共鳴しながら見ることができたのではないだろうか。
釈然としない展開は、少女が誘拐されてからも続く。普通ならまず警察に通報だろう。それをしないためには、「警察で取り合ってもらえない理由」とか「警察に通報できない理由」がなくてはならない。物語を思い返してみてもどちらもなかったような…。
ラストでも「???」な展開はある。ウィークリーマンションの犯行現場に機動隊みたいな警官隊が突入してくるところだ。誰が通報したんだろう? 村岡か大和だろうか。このへんも描くならはっきりしておいてほしいところだし、血痕や指紋が残りまくってるはずなのに、「おまえらのことは何とか誤魔化しといた…」で済むとも思えないよな…。と、まあ釈然としない状態はラストシーンまで続くのであった。
出演者が、主人公のカンニング竹山をはじめみんな好演だっただけに、なんとも惜しい感じの印象である。
(「キサラギ」の監督に「アフタースクール」の佐々木蔵之介…知的ミステリの快作の残像があるスタッフが多かっただけに期待が先行しすぎたかな…)

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