SKE48(チームS) 6/17 @SUNSHINE STUDIO
■09/06/17 SKE48(チームS) 名古屋 SKE48劇場(SUNSHINE STUDIO)
SKE48ファンだけでなく、AKB48のファンの間でも大絶賛の嵐が止まないチームSの2nd公演「手をつなぎながら」。約半年ほどそっち方面からは遠ざかっていた私でも、「ちょっと見てみたいな…」という気になろうというものです。そこで6/6~7に行われた秋葉原での出張公演に応募してみたものの、やはりものすごい倍率だったとみえて、あえなく全敗。普段は、「チケットが取れないものを無理して見る必要なし」というのがポリシーの私ですが、「名古屋に行けばけっこう楽勝で見れるよ…」という情報を耳にして心が動きました。だったら行ってやろうじゃないか、名古屋!(^v^)
そんなわけで、まず「遠方枠」に応募してみるとサクッと当選。この日は平日で、「平日に遠方から行くファンはまだ少ないだろう…」というヨミが当たった感じだろうか。ネット上で拾った音源などで予習していると自然に気分も高まってくる。ちなみに私、以前、名古屋に3年ほど住んでいたことがあり土地勘はある。また、2008年のSKE48の立ち上げが発表された直後に、仕事で名古屋出張の機会があり、ちゃっかりSKE48劇場が予定されていた「SUNSHINE SAKAE」も下見済。そのため、この日も現地にはスムーズに到着したのだった。
遠方枠で当選すると自動的に「遠方シート」が確保される。これはありがたい。入場してみると10列ある座席の7列目が遠方シートだ。段差のない平面上に椅子を並べた席なので、前に座高の豊かなお客さんが来ると最悪…という感じもあったのだけど、この日はどうにかステージのセンターを見ることができる視界を得ることができた。いよいよ開演である。
ここの会場は秋葉原と違って緞帳はない。オーバーチュアが終わるとメンバーが上下(かみしも)の袖から元気よく飛び出してくる。オープニングは手に手に小型のタンバリンを持って踊る楽しいナンバー「僕らの風」だ。最初のMCまでの4曲は以下、「マンゴー NO.2」「手をつなぎながら」「チャイムはLOVE SONG」…と続く。前半と後半でそれぞれ衣装が替わり豪華な感じ。ここの楽曲はいずれも勢いのあるアッパーチューンで、まずはSKE48のツートップといわれるW松井(松井珠理奈さん、松井玲奈さん)の動きの良さが目に飛び込んでくる感じだろうか。元気系の曲が好きな人なら、一気に盛り上がれるだろう。
セットリストのパターンはAKB48とほぼ(というかまったく)同じで、自己紹介MCをはさんでユニット曲が5曲続く。最初の「Glory days」は松井珠理奈さんのダイナミックなダンスをフィーチュアした曲で、やはりこれは生のステージでフルコーラス見て初めてその値打ちが分かるナンバー。サイドで踊る中西優香さん、桑原みずきさんもゴールドのハットの衣装がよく似合っていて見応えがある。この曲は、途中からバックダンサーも加わってゴージャス感をさらに高めているのだけど、個人的にはそれまでの全体曲とのコントラストをつける意味でも3人だけでやった方がインパクトがあったかも…という気もした。
ユニット2曲目からは、切ないマイナーメロディーが胸を突く佳曲「この胸のバーコード」、いかにも80年代前半アイドルが3.21にリリースするデビュー曲…といった王道っぷりが楽しい「ウィンブルドンへ連れて行って」、ちょっと「黒い天使」(A5)を思わせる市川裕一氏のアレンジが決まってる大人っぽいナンバー「雨のピアニスト」…と続く。このへんはもうまったく捨て曲なしという感じで、オールドアイドルマニアの人たちが盛り上がるのも十分納得できる素晴らしいクオリティー連発である。ユニット最後の「チョコの行方」も、今っぽいアレンジ(ややテクノ風味)ながらふわりとした良い曲だ。
しかし、感心するのはまだ早い。このS2公演の真骨頂は、実はこのユニットコーナーの後、後半の全体曲4曲なのだった。これはもう何といえばいいのだろう。一気呵成とはまさにこのことだという気がした。赤一色のライトに照らされながら少女の情念を歌う「Innocence」、一転して楽しい歌詞と振り付けでステージと客席が一体化する「ロマンスロケット」と「恋の傾向と対策」…このあたりはアイドルポップス(特にグループもの)というジャンルの一番おいしいところをギュッと詰め込んで濃縮したようなグルーヴがステージからビンビン迫ってくる。楽曲も素晴らしいし、メンバーが一丸となってのまったく手を抜かないパフォーマンスにもうならされた。ちなみに、「ロマンス…」のサビの字あまりメロディーは一見小室メロディーのようでもあるけど、80年代の意識で聴くとこれは明らかに拓郎メロディーへのオマージュではないだろうか。吉田拓郎はけっこうアイドルにも良い曲を書いていたのである。本編ラストの「大好き」は、フォークソング風のキュートなミディアムナンバー。AKB系の楽曲には、こういうフォークっぽい曲に当たりが多いのだけど、これもその一曲だろう。高まりまくっていたテンションを穏やかに静めてくれるような良曲である。
アンコールは、ロックっぽい「ロープの友情」「火曜日の夜、水曜日の朝」、そして静かな「遠くにいても」…という構成だけど、ここはわりと楽曲的には普通だったかな。まあ個人的には、最高の曲はアンコールではなく本編にもってくるべき…というのが持論なので、これはこれでいいような気もした。このセットの良いところは、ロック系の曲をアンコールまで封印しあくまでもポップスで攻めたことではないだろうか。やはりアイドルの基本はポップスだ。アンコール含めて約115分。
事前に予習しすぎたせいか、驚きや新鮮味というのは思ったほど感じなかったのだけど、それでもユニットと後半の全体曲4曲、これが聴けただけでも名古屋まで遠征したかいがあった気がした。また、MCでも出てたのだけど、ユニットに関しては近々メンバーシャッフルが行われるそうで、その意味ではこの日オリジナルバージョンで見られたことはかなりラッキーだったかもしれない。
ここまで主に楽曲、セットリストに関する感想を書いてきたのだけど、最後に個別メンバーについても第一印象をちょこっと書いておこう。
○松井珠理奈さん SKE48のアメイジングな若きエース。なぜ彼女がこれほど推されてるのか、実際のステージを見てやっと理解できた気がした。ダイナミックなダンス、豊かな表情、しっかりしたMC…どれをとっても欠点というものがまるで見当たらない。そしてチーム全体を牽引する求心力とカリスマ性。もう年齢のことを言う必要はないだろう。生まれついてのショーガールとは彼女のことだ。
○松井玲奈さん W松井として珠理奈さんとともにツートップを形成する彼女。写真で見るとちょっと線の細さが気になったのだけど、ステージではそんな先入観をくつがえす華やかさを放っていた。彼女も17歳にしては大人っぽいのが持ち味かな。「雨のピアニスト」の切ない情感と「ロマンスロケット」でのゴージャスなセンター、どっちも似合ってる。
○高井つき奈さん 事前にはほとんど意識してなかったメンバーだけど、ステージを見ている間、どこにいても自然と目に飛び込んでくることに気がついた。とにかくビジュアルのキュートさはダントツ! 松井珠理奈さんがアイドルというレベルをもはや超えてしまっているので、今後SKEのアイドル的な側面を中心的に担っていくのは彼女かも…。
その他では高田志織さん、桑原みずきさん、前川愛佳さん…などが印象に残った。まだ、顔と名前は完全には一致しないんだけど、8割くらいは覚えたかな。全体的にいえることは、やはり百聞は一見に如かず…で、実際のステージで見るとみんなとても魅力的。もちろん全員がエースにはなれないわけだけど、チームSを見ていると一人一人が自分ならではの持ち味、立ち位置を見つけようと頑張っているのが伝わってくる。結果的にそれがチームが一つの方向に向かっている印象、パフォーマンスの充実につながっているような気がした。
…といろんな意味でおもしろかったSKE48公演。あえて気になったところを探すとすれば、それはセットリストのパターン(曲の配置など)がAKBとまったく一緒だったことでしょうかね。MCで「~をお聴きいただきましたが、いかがだったでしょうか?」と答えようのない問いかけをしてくるところまで同じ。もうちょっと独自色があっても良いかな…。まあ、これはAKB48本体にも考えてほしい点でもあるわけですが。
開演18時45分→終演20時40分。
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